柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

家族葬、一言で済まない長文ですが・・・

2018年02月26日 | お葬式
著名人が亡くなると訃報には「葬儀は家族だけ済ませます」というケースが多くなりました。

「本人の意思」とされていることも多いですね。

著名人だけではなく、多くの方が家族だけで見送る家族葬を希望されています。


50年前、私の祖父が亡くなった時

新聞に「○○氏の死を悼む」という記事が載り、家族がびっくりしたことがあります。

新聞社のヘリが、人が異常に埋まっている道を発見し

調べたら祖父の葬儀だった、ということでした。

その頃から葬儀は大型化してきました。

新聞の下段は社葬の死亡広告が並んでいました。


バブル時代の波に乗った葬儀です。

お金をかける、義理でも会葬に行く、

それに家族も違和感がない時代でした。むしろ自慢だった気もします。


今は葬儀のあり方が問われ・・・・

お金はかけない、義理の会葬はいらない、家族だけで心から送りたい

「だから、家族葬がいい」とお考えになる方が増えました。


先週亡くなった俳優さんも葬儀は家族だけで、とありました。

でも、最後まで一緒に行動をしていた方たちは

死を知ってから、故人に逢いに駆けつけているはずです。

~葬儀には出なくても自分の目で確認しないと信じられない~

~彼本人に逢いたい。逢って言葉をかけたい~


私だったらそうします。

その後では、もう対面はかないません。

私だけではなく多くの方が同じ思いを持っています。

「友人は家族葬には出られない」と

著名な方の死は新聞やテレビで知ることができ

後で関係者に向けて「お別れ会」をする事もありますが

普通の方たちは「死」さえ耳にすることなく葬儀が終わられることもしばしばです。


家族に負担をかけたくない、
世間との関りに懲り懲り
だから、家族だけで見送って

生前にこう思う方は多いでしょうね。


私の父は誤嚥でいきなり脳死状態になりました。

回復は期待していませんでしたが、家族としてはまだ公にはしたくない、

でも母は父の大昔からの友人には知らせました。

90歳近いその方はすぐに意識のない父に逢いに来て手を握って話しかけてくれました。
もう何十年の逢っていない方なのに・・・・

父は意識が戻らぬまま3週間後に亡くなりました。

葬儀は普通に訃報を出しました。

その時に見えた方は義理の人もいました、(子供達や会社関係の人たちです)

でも私達や母に慰めの言葉を沢山かけてくださいました。

父と親しかった人は父の体を何回も摩ってくれました。

父に向けて「有難う」「後で行くよ」と声をかけてくれました。

確かに大勢の方が来たので葬儀の時間だけは気遣いがあったのですが

それは負担といいうより有難かった想いです。


通夜の夜は、母、子供、孫まで全員が父と同じホールに泊まり

何回も父の顔を見ながらお線香をあげ続けました。

私達には悲しみに暮れる暇はなかった?とは言えません。

十分に父と会話できました。

本当の悲しみに暮れるのは葬儀のずっと後です。

父の体があるうちは心の中では死んだと思えませんでした。



私は葬儀の現場を沢山見てきています。

無理に人を集めることは無意味です。

普通に訃報を出せば、少なくても「会葬に来たい」と思ってくださる方には

お知らせできます。

家族葬をご希望なら家族が気付かない、心の通った友人や知人を

家族に知らせておいてください。


今、母は90歳を超えました。

まだ元気ですが「私の時は家族だけ送って」と言っています。

先日、古い友人から電話がありました。

「逢いたいね、懐かしいね、暖かくなった逢おうね」

と会話しています。


母の葬儀に同年配の方が来れるかどうか?わかりませんが

私は訃報はお知らせするつもりです。

ご家族に付き添われてでも来られるお気持ちがあるなら

お断りなんかできません。

お別れの権利はその方にあるのですから・・・


流行らないよ!と言われてしまいますが
また長文になってしまいました











自然に死ぬこととは・・・

2018年02月14日 | 
高齢のおばあ様が入院先から延命をどうするか、問われている。

というご相談がきました。

病気というより高齢になって次第に体力低下がみられたそうです。

ご家族はまだ生きていて欲しい、との想いが強いのだそうですが

医師からは、胃ろうなどの処置は年齢的に無理かも…と伝えられらそうです。


死は誰にも訪れるものですが

「今ではなくもう少し先に」と考えるのも家族だからこそ、でしょうね。


私の義母も心臓が弱って入院しましたが

検査がこれからと聞いて、一度自宅へ帰って支度して…と思った矢先に
急変しました。

以前から「延命はしない」とお伝えしていたので

病院からの電話で急いで戻った私が見たのは

誰もいないベッドで安らかに寝ている義母の姿でした。

慌ただしい状況を想像していたのですが

死を確認したと同時に医療器具はすべて外されていました。

傍に座って他の家族が来るまで「これが延命をしないことなのか」と

悟ったのを覚えています。

これまで何回も入退院を繰り返し
良くなったようでも、一定期間が過ぎるとまた同じ状況になる。

昔なら入院せずに、家族が弱ってきた高齢者を見とどけていたはずですが・・・

死を延ばせることができる今、死の選択は難しいですね。


着物はどう処分?

2018年02月14日 | エンディングノート
遺族会での話です。

亡くなった奥様の遺品を整理した方が

「処分に困っているのは着物です。

子供達もいらないというし

嫁に聞いても着ないので…と言われて」

と質問されてきました。

そこで同調したのは

女性の方たちです。

「本当に処分に困りますね」

「リサイクルショップでもあまり歓迎されないし」

「引取り額をきいたら、あまりの安さに驚いて」

そんな話で盛り上がったことがあります。

確かに

「思いきって捨てちゃった」という話もよく聞きますね。

そこで今度、着物はどんな処分の仕方があるのか?
捨てるにしても、有効利用してくれるのはどこか?

そんなセミナーをしてみたいと思っています。