柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

赤ちゃんを亡くした涙が届いて・・・

2015年10月29日 | 赤ちゃんのお葬式
先日赤ちゃんを亡くした方からコメントが届きました。
短い文章の中から
辛くて悲しい気持ちが伝わってきました。

赤ちゃんの葬儀関係は初期の頃に書いた古い記事です。

それでも未だに、ぽつぽつとコメントがあります。

そんな体験をしたママは、
自分の気持ちがわかってもらえる場所を探すんですね。

そして、たまたまたどり着いた時にお声を掛けて下るのですね。

今日も多くのママがパソコンにすがっているかもしれませんね。

身近な人を亡くすとこういう気持ちになる事を
当り前のように理解してくれる人が沢山増えるといいですね。

悲しいけれど、生まれてくれた事に有難うといえる日がきっと来るはずです


明日は高円寺で遺族ケアの会があります。
この会では配偶者や親を見送った方が来られますが
どなたでも参加できる会です、

明日はどんな方に巡り合うでしょう。

亡くなった赤ちゃんは、まるで神様のようです

2012年06月12日 | 赤ちゃんのお葬式
先日、某タレントさんが死産だった赤ちゃんの死の報告をしましたね

出張先に娘がそのニュースを知らせてくれました

亡くなった赤ちゃんの写真がとても綺麗で可愛かったと・・・

直後に削除されたようですね

私も何度か死産の赤ちゃんの葬儀に携わりました

どの赤ちゃんも十分に育つことができず、小さいのですが

綺麗で可愛くて、崇高さがありました

まるでろう人形のように透明感のある肌をしています

人というより、神に近い感じを受けます

自分の子供でなくても、愛おしさがわいてきます



たとえ、死産であっても
わが子に逢えた気持ちは、嬉しいはずです

でも、その何倍も悲しいし、悔しいはずです



赤ちゃんを亡くしたパパとママは、たった数時間~数日の間だけ

胸に抱いて、頬ずりして、キスして、一杯話しかけて、プレゼントして

泣いて、泣いて、泣いて「さよなら」をします

みんな、そうなんです



亡くなった赤ちゃんの写真は
パパとママの子供だった、大事な証ですね


このタレントさんは

パパとママの子供として、生まれてくれてありがとう

また、パパとママの処に帰っておいで、と赤ちゃんに伝えたそうです




大丈夫、きっと帰ってきますよ!

たった、数カ月ですけど

全世界の中から、お二人を選んでお腹に宿ったではないですか

そして

こんなに愛情一杯の両親だと知ることができたのですから・・・・



あなたの気持ちを伝える方法はいくらでも・・・

2011年05月09日 | 赤ちゃんのお葬式
いつもコメントを頂くユウさんから
子供用にアニメなどが書かれた霊柩車があればいいのに?
と言うメッセージを頂きました。
お返事が長くなりそうなので、こちらに書きますね。

葬儀に携わるスタッフは、遺族と接する時間が長いので
家族を亡くした悲しさや苦しさを肌で感じてしまいます。

何とかいい方法で、送ってあげたい!と皆、思うものですね。

しかし、予算を大幅にオーバーしては、本当にいい仕事とは言えません。
採算がとてれて余力があるからこそ、勉強も新しい試みもできるはずです。

お子さんの葬儀は、親御さんにとっては身を切られる想いがあるでしょう。
『この子に最後にしてあげられる事は?』と問い続けているでしょうね。

棺や骨容器をあえて、子供用に取り寄せるより
普通の木棺を親御さんの手で、子供に合った棺になるよう
細工をしてもらう事でも、十分に気持ちを支える事が出来ます。
家族写真を張り付けたり、絵を書いたり、洋服を貼りつけたり・・・

それには急いだ日程では無理ですから、その調整も必要です。
何日かお子さんと一緒に過ごす時間も作れますね。

霊柩車も工夫次第でしょう。
マグネット式の看板のように、アニメとか動物を作っておけば
出棺時だけでもドアに貼りつけ、あとで外すこともできるでしょう。

高いコストの出来あいを求めるより、その時、その子への対応ができる方が
柔軟性があって、優しさがもっと出せる気がしませんか?

私の知り合いが、そういうものを作れる人なので
どうしても、ということであれば、お問い合わせください。

考えれば色々と、想いは形になるものです。

赤ちゃん、又来てね

2009年09月17日 | 赤ちゃんのお葬式
街で赤ちゃんを見かけると、先ず笑いかけてみます。
そして心の中で「こんにちは。あなたを大歓迎するわ」と話しかけることにしています。
正直に言えば、その昔私は赤ちゃんが苦手だったんです。
(自分の子は別ですけど、よその子は本当に苦手でした)
だって、顔を合わせると何故だか泣く子が多くて。
ところがそう話しかけるようになってから、赤ちゃんは私の顔を見て笑ってくれるのです。赤ちゃんには心の声が通じるのでしょうか?

でも、ショックなことですが、赤ちゃんのお葬式もあるんです。
以前に「赤ちゃんはママを選んで生まれてくる」と言う話しを書いたことがあります。とても多くの方がこの話しを読んでくれています。
今でもこのキーワードでアクセスして下さる方は後を絶ちません。

先日、ママになれなかった方がいました。
赤ちゃんは誕生の日を待たずに天国に帰ってしまいました。
ママとおばあちゃまは心のこもったお別れがしたかったのです。
だから、急いでお葬式をしませんでした。
ママは亡くなった赤ちゃんを抱っこしてお家に帰りました。
そして赤ちゃんを囲んで家族みんなが赤ちゃんの「お誕生」をお祝いしたそうです。
亡くなったのに、こんな風に迎えられた赤ちゃんはとっても嬉しかったでしょう。

その後、ママに一杯抱っこしてもらい
ママから「有難う。又来てね」とお願いされて
赤ちゃんは天国へ帰っていきました。

ほんの短い時間だったけれど
赤ちゃんはママがとっても好きになったはず。
パパやおじいちゃま、おばあちゃまもの事も忘れずに帰って行ったはず。

私が赤ちゃんのお葬式を大切にしているのは
ほんの一瞬でも、赤ちゃんにママとパパに愛されてた事を感じて
帰って欲しいと思っているからです。
そして、ママはちっとも悪くないって伝えたいからです。

ママはそれでも、これからずっと悲しみを心に溜めてしまいます。
辛いよね、淋しいよね、涙が出ちゃうよね。
でもね、赤ちゃんはママのおなかにいたことをとっても喜んでいたみたい。
そのことだけは忘れないでいてあげて。

私が薦める本です。
池川明先生が書いている「胎内記憶」の本です。
少し落ち着いたら読んでみてくださいね。

こども病院の霊安室「いのりの部屋」

2009年03月15日 | 赤ちゃんのお葬式
『いのりの部屋』

どんな部屋かと思ったら「霊安室」でした。

ステキな名前です。

宮城県立こども病院にあるそうです。
先日、新聞で知りました。

その部屋は
レースのカーテンとあふれる光。
部屋の形は六角形
天井は階段状に中心に行くほど狭くなっていくデザイン。

この天井の意味は天国へのステップだそうです。

すごーーく、ステキな部屋ですね。

病院の霊安室はとても淋しい部屋が多くて。

確かに元気になる為の施設だけど
人間として当たり前に迎える「死」を
毛嫌いしているように見えてしまいます。

頑張って生き抜いて、その最後の部屋が
誰の目にも触れない
裏口に近い目立たない
質素な部屋がほとんど。
部屋の前は物置みたいな所も・・


私が提案した霊安室のひとつは
オレンジのドア
中もオレンジ系の壁紙でした。

葬儀社でご遺体を預かるようになると
遺族の方が、ずっと付き添うことがよくあります。
そのときに、寒々しくない部屋を考えました。


もうひとつは
ワインレッドの棺型冷蔵庫を特注して
棺の前には仮眠できるように
ソファーベッドを置きました。

以前、ご家族が小さなイスひとつで一晩中、付き添っていたのが
お気の毒で、少しでも横になっていただきたくて
ソファーベットを支度しました。

病院の霊安室も、もう少し工夫してくださると
遺族にとって、病院での最後の温かみを感じる場所だと思うのですが・・・

子供病院に限らず
大人だって、遺族の思いは同じです。

これから霊安室を作られる病院は是非、いい部屋作りをお願いします。

宮城県のこども病院の「いのりの部屋」を見学された方が言ったそうです。
「ここは病院の良心ですね」

本当にそう思います。

24時間テレビ見ましたか?

2008年09月01日 | 赤ちゃんのお葬式
30日、31日は毎年恒例の24時間テレビがあります。
この番組も、息が長いですね。

それに募金金額にも、毎年驚きます。
去年は約10億円。
今まで30年間の募金総額は261億6500万円ですって。
テレビの力はすごいです。
「私も、何かしなくっちゃ」て思う人が大勢いるのです。

今年も、障害を抱えて頑張っている人々が紹介されました。
特に、子供たちが病気、障害で苦しんでいるのを見ると
やりきれない、悲しい気持ちになります。

でも、今年はこの子達を見る想いが少し変わってきました。
ただ可哀想だけではなくなりました。

池川先生の話を伺ったり、本を読んだからでしょう。

赤ちゃんは自分の人生の目的を決めてくる。
赤ちゃんは健康な体か、病気や障害のある体か選んでくる。
それを、乗り越えられるお母さんやお父さんを選んでくる。

そんなことがあるんだ・・・

番組の中で紹介された子供たちは
難病や重度の障害にもかかわらず、皆笑顔が可愛いのです。
いつも笑っているのです。
もちろん、ここまで来るまでには
きっと、死にたいと思ったり親を恨んだ事もあったでしょう。

でも、皆、前向きで親を気遣っているんですね。
そして、お母さんも皆頑張っている。
お母さんや、お父さんも苦しんだ後に
すごく大きい人になっている。子供に感謝している人もいる。

見ていて、やっぱり涙は出るけど
ただ、可哀想、何でこの子が?ではない自分がいます。

大変だけど、頑張ってるね、
きっと、君なら選んだ人生を乗り越えていくよ!
頑張れ!

心の中で、言い続けてました。

テレビでこの子供たちと接点を持ったレポーターの人たちは
テレビを見ている視聴者の代わりなんですね。

彼らはこの子に何がしてあげられるかと一生懸命でした。
優しく寄り添った時に、温かい自分の想いを感じていると思います。
人に優しくするってどういうことかを、実感しているでしょう。
テレビを見ていた私達も、レポーターと同じく優しい気持ちになってましたよね。

紹介された子供たちはテレビを通じて
何千万人もの人に「優しい心って温かくて気持ちいいよ」って
教える役目を果たしてくれたんだ。

そういえば、幼い子供たちの口から出た言葉は
大人を諭すような言葉が一杯あった。

私はそう、思ってしまいました。

自分はと振り返れば
大きい事でも、小さい事でも失敗だらけです。
それを乗り越えるには???

今日の番組は私への影響大でした。


赤ちゃんのお葬式

2008年04月29日 | 赤ちゃんのお葬式
産まれてすぐに、亡くなる赤ちゃんがいます。
死産の場合もあれば、障害を持って産まれ、数時間で亡くなる赤ちゃんもいます。

奥様は入院中なので、ご主人から葬儀社に電話がかかってきます。
葬儀の依頼というよりは、火葬の依頼が多いのです。

ご家族が、病院の看護士さんに「一体どうしたらいいのでしょう?」と伺うと
「こういう場合は、火葬だけされる方が多いですよ」とのアドバイスが
一般的のようです。

又、祖父母や周囲の方々も
「若い夫婦にとって、コレは不幸な出来事。辛い出来事は早く処理して、一日も早く立ち直って欲しい」
と願ってのアドバイスもあると思います。

当然、病院から直接、火葬場へ向うことを望まれます。
例え赤ちゃんであっても、死後24時間経過しないと火葬する事は出来ません。
病院もこのような赤ちゃんの場合は、火葬場に向う時間まで預かってくださいます。

でも、私はご主人にすぐに火葬をしないで欲しいとお願いをします。

「この子が、あなた方夫婦のお子さんである事は、消せない事実ですよ。
奥様はこの子の存在を、10ヶ月もおなかに感じてきました。
それを無かったことにはできません。あなた方のお子さんとして、せめて1日でもお家に連れ帰って、親子で過ごしてから、火葬場に行きませんか?」

この話を聞かれたご主人のほとんど全員が、奥様と相談をされます。
そうして赤ちゃんを連れて、一度お家に帰ります。

この提案に一番喜ばれるのは、奥様です。
母親にとっては、どんな状態の子でも愛おしく、抱きたいものです。
しかし、この時点では、ご当人達はそこまでの気付きがありません。

中には、心配して駆けつけた、おばあちゃんや伯母さんを説得して、ホテルに泊まってもらい、家で赤ちゃんと3人だけで一晩を過ごしたご夫妻もいました。

又、一日ではなく二日を過ごしたいとおっしゃった方もありました。

赤ちゃんを挟んで過ごす時間は、若いご夫婦をたった一日でパパとママに
育ててしまいます。

赤ちゃんに何がしてあげられるか、一生懸命考えられ
たった一日で、良くこれだけ準備が出来たと感心するほど多くの品物が
揃えられます。

ミルク、お菓子、おもちゃ、ぬいぐるみ、靴下、靴、
肌着、洋服、エプロン、絵本、パパとママの写真や手紙
そして、白紙の便箋を入れた封筒(宛名はパパとママの住所です。切手が張ってあります)、エンピツ・・・などなど

赤ちゃんの棺は大き目を・・が私の意見です。
いつも、蓋が閉まらないほど、持たせたい物があるのです。

本当は棺に入れる品物は「燃え易いものを少量」と言う鉄則があります。

でも、赤ちゃんの時だけは目をつぶります。

コレが最初で最後の、パパとママのプレゼントだからです。

棺も最近は可愛い模様や、レースがついた物が出てきましたが
私は、なるべく普通の木棺を選びます。

パパやママに絵を書いてもらったり、リボンや靴下やおもちゃを
貼り付けるなど、手作りをしてもらったり
時にはスタッフがビーズなどで可愛く仕立てます。

骨容器も同様に作ります。

いつも、リボンや手芸用品や、クレヨン、ボンドが会社に揃えてありました。

赤ちゃんの為に何かをすることが、パパとママには必要です。

そして、出棺前に短時間でもお別れの式をします。
子守唄をうたったり、折り紙を折ったり、パパやママの気持ちを
赤ちゃんに伝えてもらったり。

出席者が少ない時は、私達スタッフも一緒に送らせてもらいます。
この子の誕生を皆が迎え入れ、そして旅立ちを見送るのです。
ハイヤーの運転手さんや、事務事務所のスタッフに参加してもラたこともあります。

この場では、他人でもこの赤ちゃんが愛おしく思えてきます。

赤ちゃんと時間を共に過ごしたご夫妻は、しっかりと自分達の手で、わが子を送り出します。

私も、この仕事をしていなければ、このようなご夫婦に
「はやく忘れて、次には元気な赤ちゃんを産んでね」と
言っていたでしょう。

大きな悲しみの中で、母親を思いやる気持ちが
母親を一番、傷つけることもあります。

母親にとっては、流産であっても
子供を無くした気持ちに違いはありません。




赤ちゃんは、このパパとママを大好きになったと思いませんか?





赤ちゃんのお葬式

2008年04月19日 | 赤ちゃんのお葬式
「子供が亡くなりました。お葬式をお願いしたいのですが」
それは、生まれて11日目の赤ちゃんお葬式でした。

出産して、里帰りしてすぐのことでした。
急に赤ちゃんの様子が変わり、救急車で病院へ向いましたが
赤ちゃんは亡くなり、解剖されてお母さんの元へ帰ってきました。

奥様のご実家はクリスチャン。ご主人の家は仏教徒です。
でも、無宗教で家族だけで送りたい。というご希望でした。

部屋には、レンタルされたベビーベットがあり、まだ使ってないと事。

それでは、ベビーベットに今日は寝かせてあげましょう。

その隣にあるテーブルにマーガレットを飾り、写真を置きました。

産院でお母さん抱かれ、唯一撮った写真。それが遺影写真になりました。

夕方、ご夫妻と小さなお兄ちゃんとおばあちゃん、九州からご主人のご両親、会社からご主人の同僚3名が駆けつけてのお通夜です。


・・・赤ちゃんは11日と言う短い命でした。
   昨日、病院から帰ってきた、赤ちゃんを抱きしめて
   「お母さんのところに、帰ってきて」と涙を流されたお母さん。その横で
   3歳のお兄ちゃんは「お母さん、泣かないで」と声を掛けていました。
   楽しい思い出さえも作ることなく、送る葬儀は本当に辛い葬儀です。
   ご縁があって、私がこの場を勤めておりますが、この子を送るのに
   良い葬儀などあろうはずがありません。
   しかし、すでに赤ちゃんは逝ってしまいました。
   ご家族の為に、この式が少しでもお慰めになる事を念じて
   勤めさせていただきます・・・


ほんの15分ほどの通夜でした。

翌日、出棺の準備で伺うと、奥様が赤ちゃんを抱っこしていました。

「私、昨夜はずっとこの子を抱っこしてたんです。内緒だけど、夜中におっぱいも
あげました。」
「私、この子の様子にどうして気付かなかったのかしら」
「今でも、悔やんでいます。あの暗い、冷たい、警察の霊安室に
この子を、1人で置いてきた事を。ずっとそばにいてあげればよかった」

よしよし、と赤ちゃんを腕の中でゆすりながら、独り言のように話しかけてきます。

出棺が迫り、赤ちゃんを棺に納めた時
今まで、冷静に振舞っていた奥様が「いやー」と悲鳴をあげ棺に取りすがりました。

今でも、忘れられません。

その後、ご主人の膝に抱かれた棺と共に火葬場に向われました。



この奥様からその後、何度もお手紙を頂きました。

この季節になると、花屋さんの店先に出る、マーガレットを
見るのが辛くなります。
でも、やっぱりマーガレットを買って供えてしまいます。
この前、上の子が窓を指差し「おじいちゃんが赤ちゃんを抱っこして
来ているよ。赤ちゃんがお母さんは悪くないよって言ってるよ」と
話してくれました。子供には見えたのでしょうか。

この奥様のお父様は1年前に亡くなられています。

奥様の心の負担を取りにこられたのかもしれません。

今、お兄ちゃんは中学生になりました。