柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

エンバーミングの講演会、是非ご参加を!

2012年09月05日 | ご遺体のケア
エンバーミングの話は、すでに何回かしています

葬儀の時の、遺体の保存法として
一番、衛生管理上安全で
故人らしさを失わず
時間をかけてお別れできる方法として
いつも、ご紹介をしています

上野にある、葬祭館スペースアデューで
9月15日 13時~15時まで
『至上のお別れ方法~エンバーミング~』の講演会があります
無料です!

基調講演が、葬儀業界ではコンサルタントの草分けと言える 二村裕輔氏
エンバーミングの解説がスペースアデューのエンバーミング担当者
体験者談として、私が少しだけ話をします

私は父も、義母も、叔父もエンバーミングをして葬儀をしました
この技術の良さを十分に知っています

まだまだ認知の少ないものですし
ただ、単にドライアイスを使わない
日程が延びたときにだけ使う
そんな、知識しかない葬儀社もたくさんいます

エンバーミングは
故人の尊厳を保ち
遺族や葬儀社の健康を守り
遺体と対面する会葬者の恐怖を取り払い
ゆっくりと別れる時間を守る、ことができます

遺族ケア、と 会葬者ケアの、両面を支えます

もっと一般の皆様に知ってもらいたい技法です

以前は湯かんも「必要ない」と言われてましたが
今は日本中の多くの葬儀に取り入れられています

葬儀には「心から納得できる別れ」と「心の満足」を提供すべきだと思っています

是非、この機会にエンバーミングを知って下さい

今回は、一般の方・業界筋・学校関係・病院関係者など広く案内をしているそうですよ

詳しくは
http://www.s-adieu.com/image/9_15.jpg
へ、どうぞ!

エンバーミングの良さ

2012年03月29日 | ご遺体のケア
父の葬儀に来てくれた友人と久しぶりに逢いました

数年前に元気だった父と一度会ったことがある人です

その時の父の印象は、高齢の割に背が大きくて
しっかりした体つきだった、と覚えているそうです

通夜で対面した父は、その印象そのままで
「あら、あのときのままちっとも変っていない」と思ったそうです


私の携帯に入っている父の写真を見せました。
意識のないまま、呼吸器を付けて病院のベットにいる父の顔です
人間らしさは、感じません
生かされている老人です

友人は「えっ!これがお父さん?」と驚いていました

この写真は、私が一人でいたときに写メで撮った写真です
母や兄弟の前では、写真を撮るのも気が引けたので・・・

でも、私はこの父も私の中に残しておきたかったので
内緒で撮りました


亡くなって2週間後の葬儀でしたから
エンバーミングをしましたが、父の体を維持するだけでなく
前の父に戻してもらました

人と逢うことが大好きで
いつも自分が中心になっていたい人でした
誰が来ても、必ず話に入り込んできてしまいます

自分勝手な判断で、怒ったり
人を振り回したり

それでも私の友人たちは皆、そんな父が好きでした

私が嫁いだ後も
近くに来たからと、何人もの友人が父を訪ねてくれています

その父の姿のまま
我儘で、自己中で
でも、おしゃべりが楽しくっていつも笑わしてくれた

困った時には助けてくれた頼もしい父のままで
皆にお別れをしてもらいたい

それが叶ったのは、エンバーミングの技術です


葬儀社の人は
エンバーミングは火葬する日本では必要ない、とよく言います
物理的な効果だけを見ています


別れる者にとって最後の姿は
その人の面影になります


事実、私には意識のない、生気のない父のイメージはありません
携帯の中にあるだけです

エンバーミングをすればその費用が掛かります
葬儀までの日にちも延びます

でもそれだけの効果を遺族に残してくれます

その良さを分かってもらいたい
特に葬儀社さんにわかってもらいたい、と思います

今日久しぶりに会った友人の話から、そう思いました



エンバーミングをどのように理解してますか?

2011年10月29日 | ご遺体のケア
今回、義母の葬儀をお願いした葬儀社では、エンバーマーの資格を持ったスタッフがいます

その方が何度も義母の状態を見に来てくれます

以前エンバーミングの施設にいたそうで、東京近県で処置をしていたそうです

実際にどの位、利用があるのか訪ねてみました

葬儀社のセットの中に組み込まれているか、ノルマがあってエンバーミングをとる必要がある場合以外は
お客様からの依頼は少ないそうです


そうでしょうね、
エンバーミング自体を知らない人たちが、ほとんどです

日本は火葬するから必要ない
高額なのでやる人は少ない

そんな意見が多いとか

エンバーミングの特徴は
遺体の感染症をなくす
腐敗を防ぐ、事です

でもそれだけじゃありません

私がそれ以上にすすめる理由は
故人が、家族のよく知る顔を取り戻す、ためです

今は医学が発達して、ぎりぎりまで命があります
やつれても、衰弱しても生き続けます
ですから、死んだ時の顔はその人の面影がありません

特に癌の場合はやせ方が激しいです

確かに死にゆく現実は直視しなくてはなりませんが
家族の中にある、その人らしさで別れることができれば
最後の面影は、いつもの家族の顔です

私の父も、死んだ時は力ない老人そのものでした

エンバーミングから帰った父は
私達家族と一緒に動いていた時の父です

義母も脳梗塞を起こす前の
よく散歩をしていた義母に戻っています
その顔は、去年死んだ母の妹によく似ています

脳梗塞後の母は、マヒした方の顔が少し曲がってしまいました

でも今は車いすに乗る前の母になりました

この遺族が受ける効果は、何よりのグリーフケアです

その価値を知らせることから、エンバーミングは認知されるかもしれませんね

いまエンバーミングは15万円~20万円位の費用が掛かります

祭壇や棺にかけるより、価値があると感じる家族がいるはずです

遺族にとって葬儀の重要性がどこになるか、選択できるべきですね


もう一つ、エンバーミングの利用価値があります

私はよく、腹水を抜いてもらいました
腹水は漏れると危険です
ドライでも固まりません
臭いも出やすいです
だから安置する前にご遺族に話して
エンバーミング施設で抜いてもらいました
腹水を除去する話に、ご遺族はほとんどの方が了解されます

また、エンバーミングをしなくても、顔の修復だけでも頼めるのです

事故や災害で傷ついた修復でなくても、やせて面影がなくなった顔の修復も
頼めるのです

もっと利用して下さる葬儀社が増えるといいですね

遺族に知らせるのは葬儀社しか、ないですよ

需要がでれば、各地にできるし、価格も安くなります



明日は義母の通夜です



エンバーミング施設がもっと欲しいですね

2011年10月27日 | ご遺体のケア
10月24日に亡くなった義母の葬儀は10月30日~31日になります

式場の関係で1週間後になってしましました

安置の時間が長いため、エンバーミングをお願いしました

義母は亡くなる前日まで、普通に過ごしており
体調が悪いとは感じられませんでしたが
エンバーミング施設から、体内の腐敗が早く
処置に時間がかかると連絡がりました

以前に胃に潰瘍があったことを思い出しました
もう3年近くその症状は見られず安心しきっていました

しかし検査の結果から貧血の数値が高く
多分、気づかぬうちに胃の中で出血していたのかもしれません

もとから、心臓の機能が悪く、そのせいもあり腎臓も悪くなっていたようです

そうい考えると
義母の体は生きているころから、あちらこちらに腐敗しやすい原因があったと思います

胃の中には出血があり
腎臓からは尿が排泄されず
心臓も血液を送り出せずにいて

すべての機能が徐々に衰えていったのでしょうね



今日の昼には綺麗になった体で帰ってきます
孫やひ孫たちが大勢でおばあちゃんの顔を触っても大丈夫です

横浜から遠い戸田まで行かないとエンバーミングはできません

この良さを知ったら、もっと多くの人が利用できるのに・・・

施設がないから、利用する価値も広まりにくく
もったいない気がします

人口の多い東京や横浜にエンバーミング施設がもっとできれば
多くの方に知ってもらえるのに
残念ですね


遺体の状況は、どっちがいいのでしょうか?

2011年03月23日 | ご遺体のケア
父の葬儀写真を整理しています
当日はカメラマンが沢山いたので、手元に多くの写真が集まっています。

写真の中に、葬式の時に気付かずにいた会葬者を見つけて
「あら、来ていただいたのに知らなかった、ご挨拶したかった・・・」なんて思い返してます。

父の遺体写真も沢山ありました
葬式写真では遺体をリアルに写さなよう、気をつけていましたが
今回はどの方が撮った写真にも父の顔や体がはっきり映っています。
顔のアップ写真も数多くありました。

エンバーミングをしていただいたので、まるで寝ているようで
写真を撮る方に、抵抗感が無かったのでしょう。


エンバーミングの効果には「遺族への癒し」があります
遺体が口をあけていたり、目がひらていると
安らかさは感じませんし、少し怖いような
情けないような、複雑な気持ちがします。

そう言えば過去に
「花入れが嫌、遺体の顔が怖くて見れない」と言ってた人もいます。

長年の痴呆状態は顔つきが変わりますし
癌での死亡は骨の形状が解るほど、異常に痩せています。

「こんなに変わってしまって・・・」と感じるのは遺族にも参列者にも辛いものがありますよね

特に事故などで傷ついた場合は、私は絶対にエンバーミングをおすすめします。


一方、
現実には、死ぬ時は体が衰えて行くものです。
また死んでからも体は腐敗が進み、その変化を目の当たりに見るから
死を受容できる、という意見もありますよね。

どちらも正しいと、今回の父の葬儀で実感しました。

父は脳死状態が25日間ありました。
ベットで管だらけになった顔や体はとても苦しそうなのに
表情のない父を無機質に感じましたし
死を感じさせる顔だったような気がします。

死後に、背中の床擦れのひどさを知り
それでも痛がらない父は、すでに体が死んでいたに違い無いと思いました。

しかし
死後に行ったエンバーミングの効果で、父は数年前の元気な頃に戻りました。

ここ数年「ずいぶんと死を取ったね、骨と皮だけになっちゃって・・・」
と、会うたびに父の衰えを見て愕然としていましたが
棺の中の父は綺麗で威厳がありました。
最後のお別れに来て下さった方には
そんな父と会ってもらえて良かったと思っています


今回の父の葬儀で
衰えて死を感じさせる遺体と
エンバーミングで綺麗になった遺体と
どちらも体験する事が出来ましたが
最後はどうなるべきか?と尋ねられれば
・・・私は、やっぱりエンバーミングをすすめると思います。



エンバーミングでとりも戻した面影

2010年01月12日 | ご遺体のケア
今、お通夜から帰ってきました。

おじが亡くなりました。

亡くなってから、4日目の通夜です。

疎遠になっていたおじですが、2年ほどの闘病生活をしていました。

痴呆は7年まえから出ていましたが、最近は意識も半濁と聞いていましたので
私なりに死顔をなんとなく想像していたのです。

高齢者の死顔は闘病が長いと顔色も悪くやつれた表情が多いものです。
くちもともや、目元が落ち込み元気な時の面影は薄れます。

しかし、柩に納められていたおじの顔をみて安堵しました。

色は白く艶があり、目元は穏やかに閉じられ
頬は頬骨に沿った自然な傾斜を保ち
口元はキリリと結ばれていました。

自宅に安置されたおじは目も口も開き加減だったそうです。

安置が長いこともあり昨日、エンバーミングが施されていました。

もう10数年前に夫を亡くしたおばは
「主人の時はガンで見る影も無かったのに、兄さんの顔は何てきれいなの!」と
ため息を漏らしていました。

おじの変わりように
家族が満足したことは言うまでもありません。

私も久しぶりに
エンバーミングの威力を実感しました。

安置が長いからエンバーミングをするのではなく
家族やおじを知る人々が、こんなにいい顔と別れられることが出来る為に
エンバーミングの価値があります。

おじの顔からは痴呆の面影は消えていました。


「おくりびと」が又話題です

2009年02月23日 | ご遺体のケア
「おくりびと」が米国アカデミー賞外国語映画賞を取りましたね。

56年にこの賞ができたらしいのですが、日本の映画の受賞は初めて。
すごい快挙です。

「映画は言葉を超えるということを実感した。この映画は死を扱っているようで、実は人間がどう生きていくのかということを扱っている。その意味で、人間の普遍的な感情を描けたと思う」
と、滝田洋二郎監督は言っていますが、本当にそうなんですね。

私も葬式の準備の話を、多くの方にしますが
「死の準備」をするには、それまでどう生きていくか?を考える事なのだと
いつも再確認させられます。


ところで、映画の中で行なわれる納棺は納棺師が行なっています。
私が葬儀社にいたころは、自分達で行っていました。

事前に故人の衛生処置をし直します。
それから旅支度をしていきますが
なるべくご遺族やご親族に手を掛けていただくようにして
私達は説明やサポートをしました。

遺族が故人の為に何かをする・・・事が
現在では皆無になっています。
全て葬儀社が代行してしまうのです。

遺族はただ、レールに乗って動けばよい・・・
そんな状況です。
心労の多いときに便利で簡単だけど、はたしてそれでよいのか?

そう感じていたので
旅支度やお化粧は出来るだけ手を掛けてもらったのです。

ある日「納棺」の会社が営業にこられ
納棺のビデオを見せていただきました。

「おくりびと」と同じ内容で
実に綺麗に着せ替えをされ、故人の身支度をしていました。
見ていて、感動したのを覚えています。

でも、私は例え、かっこよく出来なくても
スタッフと遺族で故人に関わって欲しかったので取引はしませんでした。

遺体の衛生を保ち、綺麗に管理することが出来ない葬儀社は
まだまだ、沢山あります。

その場合は、納棺師を頼んだほうが故人は良い状態が
保てますし、遺族も心が穏やかになります。

納棺師はただ着物を着せ替えているのではなく
その前に腐敗を遅らすための衛生処置も行っているのです。
その点においても高い技術を持っています。


どの様な形でも良いのですが
故人に優しい、遺族に優しい旅立ちをしてあげたいものです。


「おくりびと」は葬式以外で「死」を感じさせてくれた映画です。






死後の顔が綺麗 エンバーミング

2008年12月20日 | ご遺体のケア
人は亡くなると、1時間後から腐敗が始まってきます。
悲しいけれど、どうしようもありません。

日本では、遺体にドライアイスを施すのが通常です。
ドライアイスは10kを目安に使用します。
すごい量でしょう。
冷たいし、重いし。
家族が見れば、可哀想に感じます。

もっと、優しい遺体の防腐処置はないのでしょうか?

あるんです。

エンバーミングという方法があります。

この方法は、遺体の血液を取り出し
防腐剤を体内に入れる方法です。

解かり易く言えば、人工透析と同じ方法です。

エンバーミングの良さは、その後、何の処置もいらないことです。
ドライアイスを施すことなく、そのままの状態で3週間は大丈夫です。
そして、何より遺体からの感染症をなくします。
(実は、遺体には危険な感染症の危険があるのです。遺体を扱う葬儀社にとって
この問題は大きな問題なのです)

エンバーミングは日本では必要ないのではないか?
と、言われてました。
日本は死後2~3日くらいで火葬してしまうからです。

わざわざ、エンバーミングする時間も費用も無駄。
そう考えられていました。

しかし、日本でも最近この技術を教える学校ができました。
2年間しっかり講義、技術を学びます。
そして、すでにエンバーミングを多くの故人が受けています。

エンバーミングの第1人者の橋爪謙一郎先生と
先日、お目にかかってきました。

橋爪先生とはもう10年近いお付き合いになります。
私が葬儀の世界に入って、一番最初に教えを頂いた先生です。

エンバーミングは防腐、感染症を防ぐだけでなく
やつれた故人を生前の面影に修復したり
事故などで対面できない状態を修復します。
そして、死顔から生きているような顔にする化粧をします。

「この技術はひとつの目的の為にある」と先生は言われました。

「全て、遺族の心を癒せる優しい別れの時間を作る為に
エンバーミングはある」と力説されました。

交通事故で愛娘を亡くしたご両親は
最期の悲惨な様子を見ています。
綺麗にエンバーミングされて戻ってきた娘を
葬式の間中、抱きしめてさすっていたそうです。

子供らしい安らかな顔にするために化粧をしていますが
ご両親が顔に触れるので、時間と共に化粧が落ちてくるそうです。
先生のスタッフは、出棺の前に綺麗に化粧の手直しをするそうです。

もし、事故のままの状態なら、棺の蓋は開けられることはないと思う。
しかし両親の頭には、事故の子供のイメージが残ってしまうでしょう


傷ついた故人だけじゃなく、亡くなる前の「その人らしい」面影で
別れられるのは、遺族にとって救いになると思います。

以前、タレントの吉村真理さんがお母さんにエンバーミングをした事を話していました。
「私達子供は、家族だけでそっと母を送ることにした。葬儀にお金はかけなかったけど、母へのプレゼントとしてエンバーミングをしました。
そこには、生前のおしゃれで綺麗な母がいました」

きれいな故人に触ってください

2008年09月09日 | ご遺体のケア
前回の続きです。

ご遺体の体の中は、感染症の危険があると、お話ししましたが
きちんと処置すれば、大丈夫なんです。

簡単に言えば
「遺体から漏れた、体液や血液や尿や便等を素手で触ってはいけない」
ということです。

そういうものが無ければ、体や顔や手に触れても大丈夫なんですよ。

ご遺族が安心して故人に触れることが出来るように
葬儀社の人は、きちんとご遺体の処置をしないといけないのです。

体液や血液が体の外に出ないように
殺菌剤を使って、しっかり詰物をする、事が重要になります。

又、自然な容貌を作るためには
口の中に含み綿をしたり
落ち込んだ瞼が開かないようにしたりするのです

ご遺族が故人の顔や手をさすれるように
頬ずりできるように。
生前の面影が残るように。

その為に、葬儀社の人は
きちんと手袋やマスクやエプロンを着け
遺体の隅々まで手を抜かずに処置をして差し上げるのが
仕事なのです。


きれいになったお体なら
触ってあげてください。

亡くなったばかりの時は、まだ温かくて柔らかいんです。
そう、まるで寝ているようです。

時間が経ってくると
冷たくなり、体に硬直が起こります。

髯や爪が伸びたように感じますが
皮膚の細胞が乾燥して縮んでくるのです。

お布団から、柩に納められ
やがて火葬場で荼毘にふされます。

遺骨になったのを見て
「もう、この人は生き返ってこない、戻ってくる体が無くなった」

そう思った時に、遺族は
最初の諦めをつけるのだ・・・・

私はそう思っています。

出棺する時は心が乱れていても
遺骨を抱いて帰ってきた遺族は
皆、気が抜けたような
ホッとしたような表情をしています。

亡くなった人の体に触れて、その変化を感じる事は
死を自然に受け入れることなんですね、きっと。

その大事な状況を作るのは
葬儀社の人の努力が必要なんです。

葬儀社の人は、自分にも、ご遺族にも、安全を確保してあげることですね。

手袋をつけてください

2008年09月09日 | ご遺体のケア
先週末、宮崎県に出かけてきました。

良い所ですね。

宮崎空港は海の近くですが、伺ったのは車で1時間ほど
入ったところです。

都城と言って、鹿児島に近いところです。

宮崎県はいたるところに神話の名所があるんですね。
四方に連なる山並みも、深くて美しい。
車で通り過ぎただけですが、すがすがしい気分を味わいました。
又、行きたい処ですね。


今回は、葬儀社の社員の方に
ご遺体の安全な取り扱いの講演をしてきました。

まさしく、昨日のブログの内容です。

病院に故人をお迎えに行く所から説明をします。
写真を見ると、担架や布団が置いてあるでしょう。

この葬儀社の方々も
ご遺体は危険だと解っていても、お客様の前では
手袋をせずに素手で故人のお迎えをしていたそうです。

葬儀に関与する人達に、葬儀社として正しい姿勢や考え方を
教えていますが、これには時間が掛かりそうです。

手袋をはめてご遺体を触ると、お客様に怒られると
いう思い込みから脱することが出来ません。

こうなったら、お客様である皆さんに情報発信したほうが
早そうですね。

「葬儀社さん、おじいちゃんの体に触る時は、手袋してね」
そういってもらえませんか???









遺体の管理、葬儀社の役目です

2008年09月08日 | ご遺体のケア
葬儀社の役目に、ご遺体の管理があります。

医師や看護士さんが体の管理をしてくれるのは、病院にいる間だけです。

亡くなった故人の管理は、家族に任せるには無理があります。

人が死ぬと体がどう変化するか・・・なんて普通は知らないでしょう?

病院で亡くなった人は、看護師さんが死後の処置をしてくれています。

亡くなる直前までつけていた、呼吸器や点滴や様々な器具を外して
体をきれいに拭いてくれます。

注射の跡や切開した傷口や、床ずれ等は絆創膏で覆ってくれます。

そして、鼻や耳に綿が詰まっているのを見たことがあるでしょう?
あれも大抵は病院で詰めてくれます。

最近では丁寧に、亡くなった後にお風呂に入れてくれる病院もあるんですよ。

なるべく生前の穏やかな姿に処置してくれます。

しかし、ずさんな病院もあって、ほとんど形だけ繕っておしまい!
そんな感じの病院も少なくありません。

ご家族に故人の体の変化や管理を教えてくれる病院はごく稀でしょうね。

そこで、その後火葬するまで、お世話する葬儀社が
ご遺体の管理をすることになるのです。

「管理、管理って言うけど、それってドライアイスをのせる事でしょ!」

そう思っていませんか。

確かに、ご遺体は死亡と同時に腐敗が始まります。
それを遅らせる為にドライアイスを体に施します。

でも、それだけでは不足なんです。

最近は病気や薬のせいで腹水が溜まったご遺体が多くなり、体液が
漏れてしまったり、出血することもあるんです。

故人の体から出た体液、血液や口や鼻の中の粘液などには
人に感染しやすい菌がある場合が往々にしてあります。

解かり易く言えば
そういうものに触れたらその感染症が移る危険があるのです。
ご遺体に触れる葬儀社の人間にも、ご家族や親戚や親しい人にもです。

もし、触れた手に傷があったならその危険性は更に増えます。

手に傷が1つも無い人なんて、先ずいないでしょう。

その為に、葬儀社の人は
お布団に安置する時には、再度ご遺体を確認して処置をし直します。

そして、ご遺体の危険性を家族の人に教えておかなくてはなりません。

もし、故人の衣服が濡れていたら、布団が濡れていたら
鼻や口から血が出ていたら・・・
決して、自分で拭いてはいけません。
必ず、葬儀社の人に知らせて処置をしてもうように。

そう伝えなければいけないのです。

ところが葬儀社の人がそこまでの知識を持ち合わせていない・・・事が多い。

以前の葬儀社は全員がそんなことを知らずにご遺体に触れてました。
自分も、ご家族も危険にさらしていたんです。

でも、最近では遺体の危険性は多くの葬儀社の知る所となりました。
それなのに、ご家族にそのことを伝えていないんです。

それどころか、自分を守る為の手袋さえもはめていない人が大勢います。

その理由を聞くと
「手袋をすると、故人に触るのがイヤだと家族に思われるので」というんです。

きちんと感染症を説明すればいい事なのに。
何もしないのが、一番無難と思っているのです。

今は、そんな時代じゃありません。
正しい情報をきちんと伝えて、安全を確保すべきです。

こういう葬儀社のほうが信頼してもらえます。

そういう葬儀屋さんが多くなると良いんですが。
葬儀やさんて、頑固な人が多くて。
結構、難しいんです。








遺体は優しく、安全に

2008年05月17日 | ご遺体のケア
亡くなった人は、死亡、一時間後から、体内で腐敗が始まってしまいます。
ですから、亡くなるとすぐに、ドライアイスを施します。
だから、葬儀社には、ドライアイスが必ずあるんですね。

唐突にこんな話で、すみませんね。

以前、お祭りで子供神輿が来ると、
おおきなポリバケツに水とドライアイスを入れて
その中に、缶ジュースを冷やして振舞ったことがあります。

モクモクのスモークに子供達は大喜びでした。
ドライアイスって、結婚式や、お菓子屋さんでは大活躍ですよね。

デモね、亡くなった人のご家族には
このドライアイスが嫌いな人が多い。

それは、理解できますね。
いくら死んじゃった・・・とはいえ
まだ、温かみのある人に、冷たくて(氷よりも冷たいでしょ)
重たい塊を何個も、体に乗せるんだから。

そこで、私は、ドライアイスを
なるべく使わないように、決めました。

先ず、ご遺体の処置をきっちりやり直します。
病院でも、亡くなった後、処置はしてくれるんですけど
更に、厳重にし直します。

ご遺体から、腐敗臭や体液、血液などを漏らさぬように
滅菌剤を詰め直すんです。

口、鼻、耳、目などに施します。
この時一緒に顔の復元もします。
やつれた目や頬を含み綿で、自然に戻します。

目元、口元も、穏やかに形をつけます。
 
体も床ずれや、点滴の跡、呼吸器の跡などを、きれいに塞ぎます。

十分にご遺体に手をかけて、ご遺体のリスクを少なくします。
それから防腐、滅菌の効果のある薬剤を使用します。

小さな粉末状の薬剤ですので、故人が辛そうに感じる事はありません。

むしろ、体が極端に冷たくなったり、凍って固まることも無いので
ご家族が触れても、違和感がありません。

この商品を使い始めて、かれこれ5年以上は立つと思いますが
ほとんどの方に効果がありました。

この薬剤を使えば、ご家族の「可愛そうに」という思いは消すことが出来ます。
更に、きめ細かい遺体処置をするので安全度も高くなります。

ご遺体から、漏出する体液類は、実は感染症が
潜在している可能性が大きく、ご家族や葬儀スタッフが触れると、とても危険です。

自分を含め、ご家族の安全の為にも、きちんと対処をすべきです。

このことは、最近、葬儀業界でも、盛んに訴え、知識を広めていますが
実施している葬儀社は、ごくわずかです。

葬儀社が、ご遺体を扱う時に手袋を着用しない理由は
「ご遺族が、汚いものでも触ってるように感じるから、危険と解っていても
素手で、ご遺体に触るのだ」ということです。

この方達は、皆さんに感染症の危険の話もしなければ、遺体の処置の大切さも
説明しないで、ただ、皆さんに怒られると思っています。

私は、平成6年頃から、ご遺体のお迎え時と遺体処置時には、必ず手袋を付けさせましたが、一度足りとご家族にしかられた事はありません。

勉強していて、責任感のある葬儀社は
ご遺体に触れる時は必ず手袋をし、安置の時に時間をかけて処置をします。
コレをしていたら、葬儀も安心して、任せて大丈夫です。

葬儀社の都合や視線で選択せずに
お客様になられる方の視線で、選択してくれるといいんですけどね。