斑入りのはっきりしたフモトスミレです。花期は4~5月ですが、花の少ない
晩秋のこの時期にも、葉に刻まれた模様の美しさで里山を訪れる人の目を惹きます。
斑入りのはっきりしたフモトスミレです。花期は4~5月ですが、花の少ない
晩秋のこの時期にも、葉に刻まれた模様の美しさで里山を訪れる人の目を惹きます。
草地や林縁に生える蔓性の多年草です。
双子葉離弁花類としてはかなりユニークな花ですが、この花を見ると
ウマノスズグサという変わった名前も少しは納得できそうです。
しかし、和名はこの花の形ではなく、糸状に裂けた柄で吊り下がった球形の蒴果に
由来しているようです。
花は基部が球形に膨らみ、先端に向けてラッパ状に広がる形で、花弁はなく萼が合体
して変化したものだそうで、1個の雌蕊と6個の雄蕊が球形の中にあります。
この植物自体はさほど珍しいものではなく、河川堤防の土手などにもよく生えますが
蔓が一定の長さ以上に伸びたものでないと花を付けないようです。
定期的に草刈りが行われている所では殆ど花を見ることは出来ません。
この植物はジャコウアゲハの幼虫の食草として知られていますが、幼虫はこの植物に
含まれる毒(アリストロキア酸)を摂取することにより、天敵から身を守っています。
ニリンソウによく似ていますが、どことなく華奢な雰囲気の花です。
同じキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。
ニリンソウやイチリンソウは花期が4~5月ですが、こちらは5月末~8月末まで
次から次へと花が咲き続けます。
山地の川岸など、やや湿った場所に生えるハコベの仲間です。
花の径は約1.5cmですが、家庭の庭などに生えるコハコベなど
よく見られるハコベの花が径6mm以下のものが多いのを考えると
最大級の大きさと言えます。
よく似た種類にヤマハコベがありますが、西日本ではほとんど見られず
2深裂した花弁の先端に丸みがあることや、葉に葉柄があることからも
ミヤマハコベとみて良さそうです。
素人の分際で結論じみた事は言えませんが
この花には表題のよう名前が付けられているものの、生えている状況から
ムラサキケマンの群落のでしか見られないので、ムラサキケマンに色素異常が
起きたものか、それとも全くの変種なのか私的には多少疑問を感じます。
ツユクサやホトケノザなども、肥料や農薬の影響で白い花を咲かせる場合があり
そういった類のものではないかという気がします。
尚、ヤブケマンはムラサキケマンの別名です。
ケシ科 キケマン属 越年草
山地で見られるタチツボスミレのの仲間ですが、花の色はタチツボスミレが
淡紫色なのに対して本種は濃紅紫色で、白い中心部とのコントラストの強さ
と相まって野生種の中ではかなり美しい花と言えます。
和名は花に芳香があり、タチツボスミレに似ていることからのようです。
クサノオウ ケシ科 クサノオウ属 越年草
草むらで咲いている黄色い花を見ると、キツネノボタンやウマノアシガタ(キンポウゲ)
などと同じキンポウゲ科の植物のように見えますが、キンポウゲ科の花弁は5枚。
こちらの花弁は4枚でケシ科に分類されます。
但し、キンポウゲ科もケシ科も、上位分類ではどちらもキンポウゲ目になります。
和名は「瘡の王」、「草の王」、「草の黄」などと記され、どれが正しいのか
よく判りませんが、丹毒を治す薬功があるところから瘡の王とする説が一般的なようです。
古くから薬草として使われていた植物ですが、毒性の強い植物で、葉や茎を切った時に出る
黄色い液体に触れると強いかぶれを起こすだけではなく、誤食すると最悪、死に至る
恐れもあります。
山地の林縁などに生えるケシ科キケマン属の多年草。
近縁種のヤマエンゴサクに似ていますが、葉や茎はかなり華奢な印象で
花の付き方は疎です。
和名の次郎坊は太郎坊(スミレ)に対するもので、伊勢地方の子供達の
間で使われていた通称、花の距を絡ませて引っ張る遊びに依るものです。
延胡索はキケマン属の一部に使われる生薬名。
アブラナ科タネツケバナ属の越年草です。
主に山地の林縁などに生えます。
田畑の周辺で見られるタネツケバナに比べて花が大きく
5~6mm程。(タネツケバナは約3mm)
西日本のものを変種としてニシノオオタネツケバナとする
考え方もある様です。
山地の日陰で湿り気のある場所に生える、アブラナ科タネツケバナ属の
越年草です。
日本の固有種ですが、和名に「崑崙草」という中国西部の崑崙山脈を連想
させる様な名前が付けられていますが、関連性はないようです。
この仲間には母種のコンロウソウの他、ヒロハコンロンソウ、ミツバコンロンソウ
などがあります。
山地の乾いた場所に生える多年草です。
和名には”ハギ”が使われていますが、分類はヒメハギ科ヒメハギ属で
マメ科ハギ属とは異なり、花がハギに似て全体に小さいことに由来します。
花の構造は左右に蝶の翅のように広げた2枚の萼片と、その中間から筒状
で先端が上方に反る2枚の上花弁、下方に白い髭状の竜骨弁と呼ばれる付属体
を付けた下花弁からなります。
渓流沿いの湿った場所に生える多年草。
4月頃に10~15cmの花茎を立ち上げ、上部に楽器のチャルメラを連想
させる風変りな花が10個ほど付きます。
和名が「チャルメラ」ではなく「チャルメル」となっている理由はよく
分かりません。
<ユキノシタ科 チャルメルソウ属>
同属には地域固有種を含め、9種類ほどがあるようです。
泰山は中華人民共和国の泰安市にある山で、道教の聖地である五つの山(五岳)のひとつとして
有名な山で標高は1,545m、最高峰は玉皇頂と呼ばれているそうです。
ここまで言うと「ああ、中国原産の木だよねー」と、早合点する人がいるかもしれませんが
実を言いますと、原産地は北米で、アメリカ合衆国のミシシッピ州とルイジアナ州の州花に
指定されています。
日本への渡来は1873年に公園樹として移入された記録があります。
20m以上にも及ぶ高木で、高い位置に上向きに咲く花は非常に良い香りがするそうなんですが
子供のころは木登りが得意だった私にしても、今となっては確かめてみるのが困難です。
開ききった花の直径は約20cm、花弁は概ね6個で花弁状の萼片が3個あり、中々堂々と
した姿を見せています。
葉は20~25cmで革質、表面には美しい光沢があり、裏はさび色の毛が密生しています。
タイサンボク <モクレン科 モクレン属> 常緑高木
開花時期は同科の樹木としてはかなり遅く、5~6月頃
ニリンソウは4~5月頃に、比較的明るい山地の広葉樹林の林下に群生して咲くキンポウゲ科の
多年草です。
和名の二輪草はひとつの茎に2個の花をつけることが多いことに由来していますが、1個や3個の
場合もあり、花の数は近似種のイチリンソウと見分ける決定的なポイントではないようです。
茎葉は本種で見ると茎に3枚が輪生し葉柄はありませんが、イチリンソウには葉柄があり、3出複葉
で、小葉は羽状に裂けています。
一般的にキンポウゲ科の植物は、有毒なアルカロイドを含むものが多いので、食用にされることは
ほとんどないのですが、ニリンソウは例外的に山菜として利用されています。
但し、本種にもプロトアネモニンという有毒なアルカロイドが含まれているので、多食は禁物です。
ニリンソウ <キンポウゲ科 イチリンソウ属> 多年草