特に土筆はこの時期の代表的な摘み草です。
毎年、木津川堤では家族で摘み草をする人も多く、子供達の「母さん、土筆見付けたよ」
という嬉しそうな声も聞こえてきます。いわば春の風物詩・・・
ところが、今年は何だか少し様子がちがう。
探しながら収穫していたはずのあの土筆が、なんとなんと空前の大豊作!
収穫は数分で終わってしまいそうです。これがいいのか悪いのか?
やはり摘み草は川堤で一日のんびり過ごすことに意義があると思うのですが・・・
この土筆、色んな調理法がありますが、我が家では酒・醤油・味醂で甘辛く煮込み
食べる時に七味唐辛子を振りかけ、混ぜて食べています。
いよいよ本格的な春の始まりです。
桜は開花から一週間目が一番の見頃といいますから、この週末が楽しみです。
それに先立ってこれも春の花、ヒュウガミズキが一足早く満開を迎えました。
桜もいいですけど、こちらも負けていませんね。見事な咲きっぷりです。
このヒュウガミズキ、ヒュウガと言いながらも日向(宮崎県)での自生地はなく、
また、別名をイヨミズキともいいますが、伊予(愛媛)にも自生は見られないとのことです。
一説には、明智日向守光秀の所領、丹波地方で栽培されていたとの説もありますが
これも単なる憶測、名前の由来と原産地は今もって謎に満ちています。
現在、確認されている自生地は近畿地方北部と北陸地方、府県で言えば兵庫県、京都府、
福井県、石川県、岐阜県などの限られた地域です。
ヒュウガミズキ<マンサク科 トサミズキ属>
昨日までの好天とは打って変わって今日は朝から雨模様でした。
それでも午前中の僅かな時間の晴れ間を利用して、宇治川堤防の土手に咲き始めた
白い小さな花、ヒメウズを撮りに出かけました。
この花の名前のウズ(烏頭)とはトリカブトのことで、実(袋果)の形がトリカブトに似ているところから
小さなトリカブト=姫烏頭と名付けられました。
しかしこの花、少し風が吹くだけでも左右にに大きく揺れるので撮影は思ったほど簡単ではありません。
まして今日は天候不順・・・この程度の写真が精一杯、途中から雨も降り始めたので、早々に引き揚げました。
ヒメウズ<キンポウゲ科 ヒメウズ属>
以前はオダマキ属に分類されていましたが、長い距がないため、現在は一属一種のヒメウズ属として独立
白く花弁の様に見えているのは蕚片、この中で蕊を包んでいる黄色い部分が花弁です。
何となく春らしくなってきました。
秋から冬にかけ高い木の上で縄張り宣言の高鳴きをしていた
あのモズ君はどうしているでしょうか?
最近、あのけたたましい声は聞かれなくなりました。
おやっ!こんな低いところに止まって誰かを待っていますよ。
そして、いきなりお相手登場です・・・可愛いモズッ娘でした。
精悍なハンター、モズ君も恋の季節なんですね。素敵なカップルの誕生です。
ちなみにこの日、人間様の世界では「ホワイトディー」・・・(関係ないとは思いますけどネンのため)
皆さん既にご存じだと思いますが、右の過眼線が黒くて精悍な顔つきをしているのが雄
左の過眼線が褐色で、やや優しい顔をしているのが雌です。
この時期、低木に椀型の巣を作るので、比較的低い場所での活動が目立ってきます。
ヤマアイは平安時代の「延喜式」にも記されている日本最古の染料植物の一つです。
飛鳥時代から行われていた「摺り染め」の染色技法では、このヤマアイは生葉を布に擦りつける
ことによって、緑色に染めていたと考えられます。
しかし日が経つにつれ黄褐色に変色するため、宮中では主に小忌衣(おみごろも)など儀式で一度限りの着用となる
衣料の染色などに使われてきました。
また京都では、天皇の御大典には、八幡の石清水八幡宮の境内の竹藪に生えるヤマアイが染料として
使われてきたといいます。
このように、日が経つと変色してしまうヤマアイが長く伝統行事に使われてきたのには、藍のような染料成分を含む植物が、
夏前後の一時期しか採取できないのに対して、この生葉は常時、濃い緑を保っているからでしょう。
ヤマアイという名前から、タデ科のアイやリュウキュウアイと混同されますが、藍の色素インディゴなどの染料成分は含んでいません。
ヤマアイ<トウダイグサ科 ヤマアイ属>
として使われることの多い木です。
とは言っても、3~4月に咲く花をつけたものは独特の臭気が有るので、一般に仏花としては売られていません。
花は葉の脇に5㎜位の大きさのものが数個が下向きに咲きます。
雌雄異株で、雌花には雌蕊が一個と退化した雄蕊があり、雄花には雄蕊が10~15個と退化した雌蕊が一個あります。
果実は10~12月頃、黒く熟しますが、鳥たちにとってはあまり美味ではないのか、他の果実が無くなる冬になるまで
食べられずに残っています。
尚、サカキの少ない関東以北では、神事にもこのヒサカキを代用として使っています。
ヒサカキ<ツバキ科 ヒサカキ属>
この様な赤花のものもあります。
「これはひょっとして、ダンコウバイじゃないかなぁ・・?」
この二つの花は非常に似ていて、一目見た位ではとても見分けが付きません。
そこで図鑑を見たり、他の人のブログを見て比較してみると、
簡単に識別できるポイントが一つ有りました。
アブラチャンの花の場合は、この写真の様に花柄がはっきりと見えていることです。
ダンコウバイの場合は花がもう少し枝に密着していて花柄が見えていません。
アブラチャンの名前のチャンは瀝青(れきせい)のことで、昔はこの果実や樹皮に含まれる油を
灯火用に使ったことに由来します。
親しい人を呼ぶときに使う「○○ちゃん」の意味ではありません。
アブラチャン<クスノキ科 シロモジ属> 雌雄異株