ニリンソウは4~5月頃に、比較的明るい山地の広葉樹林の林下に群生して咲くキンポウゲ科の
多年草です。
和名の二輪草はひとつの茎に2個の花をつけることが多いことに由来していますが、1個や3個の
場合もあり、花の数は近似種のイチリンソウと見分ける決定的なポイントではないようです。
茎葉は本種で見ると茎に3枚が輪生し葉柄はありませんが、イチリンソウには葉柄があり、3出複葉
で、小葉は羽状に裂けています。
一般的にキンポウゲ科の植物は、有毒なアルカロイドを含むものが多いので、食用にされることは
ほとんどないのですが、ニリンソウは例外的に山菜として利用されています。
但し、本種にもプロトアネモニンという有毒なアルカロイドが含まれているので、多食は禁物です。
ニリンソウ <キンポウゲ科 イチリンソウ属> 多年草
エンレイソウは広葉樹林の湿った林下に生えるユリ科の多年草です。
「奥ゆかしい美しさ」という花言葉があり、森の中では何か不思議な雰囲気を
醸していることで山野草ファンの目を引く植物のひとつです。
茎は高さ20~40cmで、先端に7~15cmの広卵形の葉が3枚輪生しています。
4~6月に茎の先から花柄を一本出し、緑または褐紫色の地味な花を一個さかせます。
一般にユリ科の花は、萼片に相当する外花被3枚と花弁に相当する内花被3枚で構成
されているものが多いのですが、本種には内花被はありません。
しかし、6個ある雄蕊や、先端で3裂した柱頭の形にはユリ科の特徴がよく現れています。
鱗茎は漢方薬に用いられ、催吐や緩下に効果があるそうですが、全草に有毒サポニンを
含んでいるため、摂取量を誤ると嘔吐や下痢などの中毒症状を起こします。
エンレイソウ <ユリ科 エンレイソウ属> 多年草