木津川河川敷では8月の後半から10月にかけて見られるタデ科の大型1年草。
名前が示すように、路傍に生えるイヌタデを大きくしたような植物で、高さは1~2㍍にもなるので
この時期の河川敷で見付けるのは比較的容易です。
花穂の長さは10㌢ほどで、先端を垂れ、萼は長さ2~3㍉で深く4裂し、淡紅色または白色で
花弁はありません。
和名は漢字では「大犬蓼」で、一般的に”犬”は役に立たないという意味で使われますが
ここでは、「葉に辛味がなく香辛料として役に立たない蓼」という意味です。
因みに植物名ではオトコ(男)も役に立たないものとして扱われています(笑)
オオイヌタデ<タデ科 タデ属> 1年草
近くでナミアゲハが翅を休めていました。何処ででも普通に見られるから「並揚羽」と呼ばれるこの蝶・・・
そのデザインの美しさたるや決して並ではありません。
問題はそれを撮る私の腕が並以下ということ?
画像は雨上がりの畔道で見かけたコガネグモの一種で、ナガコガネグモです。
黄と黒の太い縞模様のコガネグモに比べて、此方は細く繊細な縞模様が特徴です。
まあ、見様によっては中々美しい生き物なんですが、蜘蛛はその独特の不気味さの漂う外見から、
一般的には代表的な嫌われ者の一つとされています。
しかしながら、日本国内にいる蜘蛛類は、セアカゴケグモなど一部の外来種を除けば殆んどが
人体に害を及ぼすような毒はなく無害です。
むしろ、生態から見れば、農地ではイナゴをはじめ、稲に害を及ぼす昆虫を捕食し、家屋では
蝿やゴキブリを捕食するなど、益虫としての性格が強い生物です。
ナガコガネグモ<クモ目 コガネグモ科>
ところで、よく出される疑問ですが、この様に垂直円網を張る蜘蛛たちが中央に陣取って獲物を待ち受ける場合、
常に頭が下になっているのは一体どうしてでしょうか?
これには諸説ありますが、蜘蛛に聞いた訳でもないので所詮は人間の勝手な想像にすぎないでしょう。
しかし、一つ考えられるのは、外敵の攻撃を受けて緊急に逃げる際、素早く糸を繰り出して地面に降下
する必要があります。
この時、出糸突起(糸疣とも言う)が腹部後方にあるため、この様に下向きの姿勢で天敵の襲来に
備えている方が有利なのかも知れません。
これは、ナガコガネグモを腹面から撮ったものですが
腹部の後方に見えている赤い色の器官が出糸突起です。
上の画像の腹部だけをトリミンングしてみました