葉は一見、種子植物の様に見えますが、これもヒカゲノカズラ科のシダ植物です。
上部の葉腋に胞子嚢を持ち、5~6月に熟して胞子を出します。
葉の広さにより3種に分類され、ホソバトウゲシバ(2㍉以下)、ヒロハトウゲシバ(2~3㍉)
オニトウゲシバ(3~5㍉)に細分されますが、境界はあまり明確ではありません。
トウゲシバ<ヒカゲカズラ科 ヒカゲノカズラ属>
胞子嚢を付けた葉は、その他の葉に比べかなり短く小さい様です。
※標準レンズの逆付けでドアップしてみました。
明治時代にロックガーデン用に輸入された園芸種で、玄関のアプローチや
花壇のグランドカバー用によく植えられています。
ヒマラヤ原産で頑強な上に繁殖力が旺盛なため、都市部の水路周辺で半野生化しているのが見られます。
夏の一時期を除いては、ほとんど一年中花を咲かせ、この冬の寒い時期にも途絶えることはありません。
蔓状の茎は横に伸びて、地面に接した部分から根を出すため、1株は2~3年で50㌢四方位に
広がるという凄まじい繁殖力を持っています。
画像のヒメツルソバは宇治市で水路に雨水を流すため付き出したヒューム管の出口に繁殖していたものです。
ヒメツルソバ<タデ科 イヌタデ属> ヒマラヤ原産
1月9日の記事「ミヤマウグイスカグラ」で少し触れていたウグイスカグラです。
ほとんど変わった所はありませんが、違いはミヤマウグイスカグラが花冠や茎に繊毛が
密生しているのに対し、このウグイスカグラはほとんど無毛です。
6月頃に熟する果実は液果で、甘くて食べられます。
ウグイスカグラ<スイカズラ科 スイカズラ属> 落葉低木
先週に引き続き、里山のシダ類を集めてみました。
これまであまり興味がなかったので、身近な里山にどれほどの種類があるのか想像もできませんでしたが、
改めてその種類の多さに驚かされています。
ここに集めたものは、その中のほんの一部分にしか過ぎません。
一応、私が調べた範囲で種名を入れましたが、シダは似た種類が非常に多く自信は今一つ、
あまりアテにしないで下さい。
ここではあまり同定に拘らず、変化に富んだ葉の美しさだけを味わうことと致しましょう。
ジュウモンジシダ<オシダ科 イノデ属>
コバノカナワラビ<オシダ科 カナワラビ属>
イワガネソウ<ホウライシダ科 イワガネゼンマイ属>
オニヤブソテツ<オシダ科 ヤブソテツ属>
クリハラン<ウラボシ科 クリハラン属>
コモチシダ<シシガシラ科 コモチシダ属>
カタヒバ<イワヒバ科 イワヒバ属>
暖地の山林の中に生えるアカネ科の木本です。
私の住んでいる京都府の南部では滅多に見られない珍しい木です。
対生する葉の両脇には、短枝の変化した曲がった鉤が付いていて、他の植物に絡み付きます。
撮影のため、倒れている木を起こそうとしましたが、この鉤が他の木をしっかり掴んでいたので、
簡単には起こすことができませんでした。
この鉤の様な部分は、乾燥したものが漢方薬として使われ、生薬名を「釣藤鉤(ちょうとうこう」と呼び、
鎮痛や、血圧を下げる等の薬効があります。
カギカズラ<アカネ科 カギカズラ属> 常緑蔓性
シダ植物は、多湿な気候の我国では古くから身近な観葉植物として庭園造りなどに用いられてきました。
特に桃山時代以降は、山水画などの禅文化の影響もあり、深山幽谷を模した静寂で落ち着いた
雰囲気の庭造りが主流となっていったようです。
そんな中で、枯山水の石や灯篭などの主役を引き立てる上で、無くてはならない存在として重宝されたのが
身近な里山に生える、様々なシダ植物や苔類であったようです。
現在では、園芸店などで洋種のシダなども含め、様々なシダ植物が売られていますが、ここでは
身近な里山でよく見られる野生種のシダを何種類か取り上げてみました。
ヤブソテツ<オシダ科 ヤブソテツ属>
キジノオシダ<キジノオシダ科 キジノオシダ属>
リョウメンシダ<オシダ科 カナワラビ属>
イノモトソウ<イノモトソウ科 イノモトソウ属>
オオバノイノモトソウ<イノモトソウ科 イノモトソウ属>
シシガシラ<シシガシラ科 ヒリュウシダ属>
イノデ<オシダ科 イノデ属>
ヒトツバ<ウラボシ科 ヒトツバ属>
?アオガネシダ<チャセンシダ科 チャセンシダ属>
ウラジロ<ウラジロ科 ウラジロ属>
コシダ<ウラジロ科 ウラジロ属>