マサキはニシキギ科の植物では比較的、遅くから実が熟します。
1月の初旬になると、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が姿を現すので、俄かに
人の目を引きます。
元々は海岸近くの林に自生していた植物ですが、光沢のある深い緑の葉が好まれ
庭木や生け垣用に植栽されることが多い。
落葉低木の多いニシキギ科としては珍しく常緑樹です。
7月頃に薄緑色の小さな花が咲きますが、ほとんどの人は気付かないと思います。
カワラヒワは寒冷地を除けば、1年中見られる鳥ですが 、まだ繁殖期ではない今の時期には
河川敷や農耕地で数十羽から、時には数百羽の大群が見られます。
ヒワは漢字では木編に弱と書き表しますが、この仲間は食物連鎖ではかなり下位にあって
捕食されることが多いのかも知れません。
体形はスズメに似ていますが、飛ぶと翼と尾の黄色が目立つので、スズメではないことが
すぐに判ると思います。
また木に止まっている時に「キュリキュリ」といった特徴ある声で鳴くことでも判別できます。
雌雄の見分け方は、雄は頭部が緑灰色で、目先から嘴の付け根が黒く、雌は全体に
色が淡いのが特徴です。
繁殖期には、つがいで小さな縄張りを作り、木の枝に椀型の巣を作ります。
カワラヒワ <スズメ目 アトリ科> 留鳥
餌は主に地上で、草の実を食べますが、如何にも頑丈そうな嘴で固い実も割って食べられる
ことから、庭の花壇に植えられたヒマワリ等にやってくることもよくあります。
農地の畔に植えられたロウバイの花が咲きはじめました。
新しい年が明け、正月を過ぎたころから咲き始めるこの花は、その年に咲く花の中では
最も早く咲く花だと思います。
原産地は中国で、日本には江戸時代初期に渡来し、庭木などの観賞用として
人気の高い花木です。
花は漢名の蝋梅が示すように、蝋細工のような透明感と質感があります。
多数の花被片が螺旋状に付きますが、花弁と萼の区別はかなり不明確です。
蝋梅と呼ばれるものには、このソシンロウバイの他に、中心部が暗紫色の
狭義の「ロウバイ」がありますが、清楚さや高貴な香りで園芸家に人気の高いのは
このソシンロウバイや、その改良種で、濃い黄色のマンゲツロウバイ等です。
また、あまり馴染のない品種では、明治中期に渡来した北米原産のアメリカロウバイは
赤褐色の細長い花弁で、かなり花のイメージが異なります。
先日はデジブック「モズ娘」で雌のモズをUPしましたが、今日のモズは雄です。
嘴から眼を通り、更に後方に延びる過眼線は濃い黒色で、優しい表情の雌に比べ
かなり精悍な顔つきをしています。
モズは排他的な縄張りを持つと言われていますが、繁殖期の近づいた今の時期は
秋に高鳴きで縄張り宣言をしている頃に比べると縄張りの範囲は少し狭くなるのか、
50mそこそこの距離に別の雄がいても意外と喧嘩にはなっていないようです。
ところで、モズは漢字で「百舌鳥」と書き表すようですが、これは色んな鳥の鳴き声を
真似ることによるそうです。
モズの雄
ようやく、ツグミが地上で餌を探すのが見られるようになりました。
渡来直後は警戒心からか、高い木や電線に止まって中々下へは降りてきませんが、
少し人の居る環境に慣れてきたようです。
しかし、それにしても今年は極端に数が少ない。いつもなら、この時期に木津川の土手に
行けば、いたるところで見られるはずなのですが・・・
この鳥に限らず、今年は全体的に冬鳥の種類や数が減っている気がします。
原因として考えられるのは、冬鳥の繁殖地であるシベリアや中国東北部での大寒波等、
異常気象や鳥インフルエンザ感染による大量死などですが、詳しいことは判りません。
ただツグミの場合は通過地点での食物の状態によって、少ない年や多い年があるので
必ずしも異常ではないのかもしれません。
これも木津川河川敷の河原近くで撮ったものですが、ホオジロの♀の個体です。
ホオジロの顔は雌雄共、嘴近くから眼を通過して更に後方に伸びる「過眼線」と呼ばれる
帯状の模様があり、♂はこの過眼線が黒色で♀は褐色をしています。
目先から嘴までは「目先線」と呼び、目尻から後方のものを「目尻線」と呼んでいて、
この「過眼線」の形や色は他のホオジロ科の鳥との違いを見分ける一つのポイント
にもなっています。
ところが、下の画像を見て頂くと判ると思いますが、この個体には目先から嘴までの
「目先線」が見られません。
これは生まれて初めての冬を迎えた♀にだけ見られる特徴で「第一回冬羽」と呼ばれる
ものです。市販されている殆んどの図鑑には掲載されていませんが、留鳥のなかには
冬場にこのような変化を見せるものが多くあり、少し同定が難しくなります。
今朝、木津川堤防道路の土手を歩いていて、ジョビオに出会いました。
ジョビオとはジョウビタキの♂のことですが、私は親しみをもってジョビオと呼んでいます。
今シーズンは初認になりますが、他の冬鳥も含めて少し飛来の時期が遅れているようです。
ジョウビタキの♂は下面のオレンジ色が美しいことで人気の高い冬鳥ですが、渡来直後は
つがいにならず、単独行動で縄張りを主張するため、高いところに止まって「ヒッヒッ、カッカ」と
鳴いている姿は、遠目にはモズが止まっているようにも見えます。
縄張り意識は強く、時として獰猛なモズなどに対しても威嚇行動をとります。
ジョウビタキ(♂) <スズメ目 ツグミ科> 冬鳥
漢字で書くと「常鶲」または、「尉鶲」となりますが、後者の「尉」は老人を意味します。
これには、♂の白っぽい灰色をした頭部を老人の白髪に見立てたものとする説があります。