先週に続いて、この週も一泊二日で登山。
目指すは、日本百名山で東京都最高峰の雲取山。
入門者がステップアップするには良い山と聞いていたので前から登ってみたかった。
今回は登山サークルの人と二人での山行だった。
雲取山のルートは複数あるが、今回は丹波から丹波天平、サオラ峠、三条の湯を経由して雲取山を目指し、登頂後は鴨沢に抜けるルートにした。
【コースタイム】
<一日目>
11:50登山口 → 13:35~13:45丹波天平(休憩) → 14:18-14:23サオラ峠(休憩) → 15:15御岳沢 → 16:15三条の湯
<2日目>
6:20三条の湯 → 7:10~7:20眺めの良い尾根(休憩)→ 8:15~8:25水場(休憩)→ 8:55~9:10三条ダルミ(休憩)→ 10:00~11:15雲取山(写真撮影、昼食、休憩)→ 11:48小雲取山 → 11:56奥多摩小屋 → 13:10~13:25七ツ石小屋(休憩)→ 14:00堂所(休憩)→ 15:10登山道入口 → 15:40鴨沢バス停
1日目。
新宿駅の7時44分発のホリデー快速おくたま1号を目当てに乗り場に出発20分前に行ったが、すでに各出入り口には6,7名待機していた。
電車に乗り込むと乗客は登山客ばかりに。
普通の服装の人はあきらかに浮いていた。
奥多摩駅到着後、丹波行のバスに乗る予定だったが、前月のダイヤ改正で行先が途中の鴨沢西までに変更され、丹波行のバスは約一時間後になることを知り同行者ともどもショックを受けた。
「なんとかなるだろう」ととりあえずそのバスに乗車、終点の鴨沢西で下車したが、時間をつぶせるような場所は何もなかった。
ここで下車した乗客の中に、40代ぐらいの男性と20~30代の男性の二人組がいた。
彼らも三条のを目指して私達と同じコースを歩く予定で、丹波行のバスに乗るつもりが途中止まりとなり困った、と言う。
四人で相談し丹波までタクシーをシェアをすることになった。
ネットで検索したところ近くにタクシー会社は皆無。
通りでタクシーを待っていたがなかなか来ない。
やっと来たタクシーを呼び止めると丹波方面には行けないとのつれない返事。
結局タクシーをあきらめ、男性二人組はヒッチハイクを、私達は待合場所やトイレのある鴨沢まで戻って丹波行のバスを待つことにした。
登山口に着いたのは、12時前で、予定より1時間以上遅れた。
登山口は丹波小学校の敷地内の給食センターの裏手。
非常にわかりにくい場所だった。
このままだと日没前までに三条の湯に到着しないおそれがあったのでペースを上げて歩いた。
登山道から1時間40分程度、傾斜のきつい山道を登ると、丹波天平に到着。
平らな場所にまばらに木々が立つ公園の広場を思わせる場所で、なかなか良い雰囲気だった。
その先は上りも下りもあったが最初ほど傾斜がきつくなかったので割と歩きやすかった。
落ち葉のじゅうたんに覆われた登山道を木漏れ日を受けながら歩いた。
三条の湯までの登山道で出会ったのは10名に満たなかった。
実に静かな登山道だった。
新緑の時期にもう一度歩いてみたい・・・。
16時15分、日没までに何とか三条の湯に到着。
ヘッドランプの使用も覚悟していたが使わずに済んだのでよかった。
三条の湯は林道から車で行くこともできるが、秘湯の趣のある場所だった。
私達2人は10数人入る小屋が割り当てられた。
小屋には女性3人組がすでにいた。
全員女性だったため夜はひどいいびきに苦しめられなかったのでよかった。
夕食。
かまど炊きのご飯、宿の主人の自宅で栽培した新鮮野菜をつかったおかず、主人が撃ちとめた鹿を使ったローストやボルシチ風スープが出た。
初めて鹿肉は、脂肪の少ないくせのない味で畜肉に比べて堅かったがおいしかった。
健康志向の人向けに販売したら売れると思う。
温泉は源泉を薪で沸かしたもので軽く硫黄のにおいがした。
山小屋には風呂がないのが当たり前なので、山で温泉に入れるのはこの上ない贅沢なことに思えた。
三条の湯は水源地のそばにあって、おいしい水が豊富なのがうれしかった。
2日目。
出発時に三条の湯の外のベンチで鴨沢西で下車した男性二人組にばったり会った。
昨日あれからどうなったか聞いたところ、男性達はその後すぐにヒッチハイクに成功したという。
40代ぐらいの男性が「せっかく携帯灰皿とライターを持ってきたのに肝心のタバコを忘れた」と残念そうに話すと、喫煙者の同行者が男性にタバコ1本を渡した。
男性はおいしそうにタバコを吸った。
私達は二人より先に出発したが、登山道では二人が私達を追い越したり、私達が彼らを追い越したり・・・を繰り返した。
休憩は二人組とほぼ同じ場所だった。
朝から富士山は木々の間より姿を見せていたが、雲取山に向かうにつれ富士山を遮るものがなくなった。
雲取山に登頂したのは10時。
これで登頂した日本百名山は3座目。
2000メートルを超える山を登頂したのは初めてだったのでとてもうれしかった。
山頂からは富士山や日本アルプスの山々も見えた。
山頂でまた二人組に会った。
言葉を交わし写真撮影を依頼した。
その後、雲取山避難小屋の前の広い場所に移動し、山々を眺めながら昼食にした。
11時15分、下山開始。
見通しのよい急な尾根道を下った。
下りが苦手な私にはつらい。
水場のある七ツ石小屋では、登山サークルの男性とばったり会い互いに驚く。
彼は他の登山仲間とテント泊し、雲取山経由で三峰神社方面に向かう、と言った。
水場では水が勢いよく流れていた。
遠慮なくいただいた。
下るにつれて登山道や近隣の山々には紅葉が残っていた。
15時40分、鴨沢バス停着。
無事下山。
バス停には登山客が多数おり、バスでは座れそうにもなかった。
バスの到着時刻の10分前ごろに、同行者にバスの中で座れるようにひとつ前のバス停に行こうと提案した。
この提案が大失敗だった・・・。
歩いている途中、無残にも目当てのバスが予定よりも早い時間に目の前を通過した。
ああ、バスを乗り過ごしてしまった!
次のバスは2時間半後。
タクシーを乗ろうにも捕まえるのが大変な場所にいるしどうしよう・・・。
二人とも頭を抱えながら鴨沢バス停に引き返している途中、突然見ず知らずの車が目の前に止まった。
私達が訝しがっていると、車から降りてきたのは、なんと一日目の鴨沢西バス停で出会った男性二人組だった・・・。
「え~っ!!! バスで来たんじゃないんですか???」
「実は、車で来て途中からバスに乗ったんだよ。下山後、温泉に入ってさっぱりしたので帰宅しようと走っていたところ見たことのある二人が歩いていたので止まったんだ。」
私達は事情を話し、奥多摩駅まで同乗させてほしいとお願いしたところ、快諾してくれた。
車は私たちが乗る予定だったバスの経路を走った。
バス停によっては登山客で長蛇の列になっていた。
バスに乗って座れなかったら満員電車さながらの状態だったかも・・・。
かえってよかったのかな・・・?
40代ぐらいの男性によると、二人は同じ職場とのこと。
男性は転勤が多いため登山仲間を探すのが難しく、小学校高学年のお子さんと一緒に山に行っているそうだ。
最近はお子さんに「登山はもう卒業する」と言われてさみしい思いをしている、と言った。
奥多摩駅着。
私達は二人にお礼を言って別れた。
最後の大どんでん返しは思いもよらなかった。
朝同行者がタバコをあげたのが効いたのか・・・。
「情けは人の為ならず」というのはこういうことを言うのかも。
いつなんどき助けられるか分からないから、山での出会いは大切にしよう、と心底思った。
■写真一覧
http://blog.goo.ne.jp/photo/319218/tn
■スライドショー
>http://blog.goo.ne.jp/photo/319218/sl
目指すは、日本百名山で東京都最高峰の雲取山。
入門者がステップアップするには良い山と聞いていたので前から登ってみたかった。
今回は登山サークルの人と二人での山行だった。
雲取山のルートは複数あるが、今回は丹波から丹波天平、サオラ峠、三条の湯を経由して雲取山を目指し、登頂後は鴨沢に抜けるルートにした。
【コースタイム】
<一日目>
11:50登山口 → 13:35~13:45丹波天平(休憩) → 14:18-14:23サオラ峠(休憩) → 15:15御岳沢 → 16:15三条の湯
<2日目>
6:20三条の湯 → 7:10~7:20眺めの良い尾根(休憩)→ 8:15~8:25水場(休憩)→ 8:55~9:10三条ダルミ(休憩)→ 10:00~11:15雲取山(写真撮影、昼食、休憩)→ 11:48小雲取山 → 11:56奥多摩小屋 → 13:10~13:25七ツ石小屋(休憩)→ 14:00堂所(休憩)→ 15:10登山道入口 → 15:40鴨沢バス停
1日目。
新宿駅の7時44分発のホリデー快速おくたま1号を目当てに乗り場に出発20分前に行ったが、すでに各出入り口には6,7名待機していた。
電車に乗り込むと乗客は登山客ばかりに。
普通の服装の人はあきらかに浮いていた。
奥多摩駅到着後、丹波行のバスに乗る予定だったが、前月のダイヤ改正で行先が途中の鴨沢西までに変更され、丹波行のバスは約一時間後になることを知り同行者ともどもショックを受けた。
「なんとかなるだろう」ととりあえずそのバスに乗車、終点の鴨沢西で下車したが、時間をつぶせるような場所は何もなかった。
ここで下車した乗客の中に、40代ぐらいの男性と20~30代の男性の二人組がいた。
彼らも三条のを目指して私達と同じコースを歩く予定で、丹波行のバスに乗るつもりが途中止まりとなり困った、と言う。
四人で相談し丹波までタクシーをシェアをすることになった。
ネットで検索したところ近くにタクシー会社は皆無。
通りでタクシーを待っていたがなかなか来ない。
やっと来たタクシーを呼び止めると丹波方面には行けないとのつれない返事。
結局タクシーをあきらめ、男性二人組はヒッチハイクを、私達は待合場所やトイレのある鴨沢まで戻って丹波行のバスを待つことにした。
登山口に着いたのは、12時前で、予定より1時間以上遅れた。
登山口は丹波小学校の敷地内の給食センターの裏手。
非常にわかりにくい場所だった。
このままだと日没前までに三条の湯に到着しないおそれがあったのでペースを上げて歩いた。
登山道から1時間40分程度、傾斜のきつい山道を登ると、丹波天平に到着。
平らな場所にまばらに木々が立つ公園の広場を思わせる場所で、なかなか良い雰囲気だった。
その先は上りも下りもあったが最初ほど傾斜がきつくなかったので割と歩きやすかった。
落ち葉のじゅうたんに覆われた登山道を木漏れ日を受けながら歩いた。
三条の湯までの登山道で出会ったのは10名に満たなかった。
実に静かな登山道だった。
新緑の時期にもう一度歩いてみたい・・・。
16時15分、日没までに何とか三条の湯に到着。
ヘッドランプの使用も覚悟していたが使わずに済んだのでよかった。
三条の湯は林道から車で行くこともできるが、秘湯の趣のある場所だった。
私達2人は10数人入る小屋が割り当てられた。
小屋には女性3人組がすでにいた。
全員女性だったため夜はひどいいびきに苦しめられなかったのでよかった。
夕食。
かまど炊きのご飯、宿の主人の自宅で栽培した新鮮野菜をつかったおかず、主人が撃ちとめた鹿を使ったローストやボルシチ風スープが出た。
初めて鹿肉は、脂肪の少ないくせのない味で畜肉に比べて堅かったがおいしかった。
健康志向の人向けに販売したら売れると思う。
温泉は源泉を薪で沸かしたもので軽く硫黄のにおいがした。
山小屋には風呂がないのが当たり前なので、山で温泉に入れるのはこの上ない贅沢なことに思えた。
三条の湯は水源地のそばにあって、おいしい水が豊富なのがうれしかった。
2日目。
出発時に三条の湯の外のベンチで鴨沢西で下車した男性二人組にばったり会った。
昨日あれからどうなったか聞いたところ、男性達はその後すぐにヒッチハイクに成功したという。
40代ぐらいの男性が「せっかく携帯灰皿とライターを持ってきたのに肝心のタバコを忘れた」と残念そうに話すと、喫煙者の同行者が男性にタバコ1本を渡した。
男性はおいしそうにタバコを吸った。
私達は二人より先に出発したが、登山道では二人が私達を追い越したり、私達が彼らを追い越したり・・・を繰り返した。
休憩は二人組とほぼ同じ場所だった。
朝から富士山は木々の間より姿を見せていたが、雲取山に向かうにつれ富士山を遮るものがなくなった。
雲取山に登頂したのは10時。
これで登頂した日本百名山は3座目。
2000メートルを超える山を登頂したのは初めてだったのでとてもうれしかった。
山頂からは富士山や日本アルプスの山々も見えた。
山頂でまた二人組に会った。
言葉を交わし写真撮影を依頼した。
その後、雲取山避難小屋の前の広い場所に移動し、山々を眺めながら昼食にした。
11時15分、下山開始。
見通しのよい急な尾根道を下った。
下りが苦手な私にはつらい。
水場のある七ツ石小屋では、登山サークルの男性とばったり会い互いに驚く。
彼は他の登山仲間とテント泊し、雲取山経由で三峰神社方面に向かう、と言った。
水場では水が勢いよく流れていた。
遠慮なくいただいた。
下るにつれて登山道や近隣の山々には紅葉が残っていた。
15時40分、鴨沢バス停着。
無事下山。
バス停には登山客が多数おり、バスでは座れそうにもなかった。
バスの到着時刻の10分前ごろに、同行者にバスの中で座れるようにひとつ前のバス停に行こうと提案した。
この提案が大失敗だった・・・。
歩いている途中、無残にも目当てのバスが予定よりも早い時間に目の前を通過した。
ああ、バスを乗り過ごしてしまった!
次のバスは2時間半後。
タクシーを乗ろうにも捕まえるのが大変な場所にいるしどうしよう・・・。
二人とも頭を抱えながら鴨沢バス停に引き返している途中、突然見ず知らずの車が目の前に止まった。
私達が訝しがっていると、車から降りてきたのは、なんと一日目の鴨沢西バス停で出会った男性二人組だった・・・。
「え~っ!!! バスで来たんじゃないんですか???」
「実は、車で来て途中からバスに乗ったんだよ。下山後、温泉に入ってさっぱりしたので帰宅しようと走っていたところ見たことのある二人が歩いていたので止まったんだ。」
私達は事情を話し、奥多摩駅まで同乗させてほしいとお願いしたところ、快諾してくれた。
車は私たちが乗る予定だったバスの経路を走った。
バス停によっては登山客で長蛇の列になっていた。
バスに乗って座れなかったら満員電車さながらの状態だったかも・・・。
かえってよかったのかな・・・?
40代ぐらいの男性によると、二人は同じ職場とのこと。
男性は転勤が多いため登山仲間を探すのが難しく、小学校高学年のお子さんと一緒に山に行っているそうだ。
最近はお子さんに「登山はもう卒業する」と言われてさみしい思いをしている、と言った。
奥多摩駅着。
私達は二人にお礼を言って別れた。
最後の大どんでん返しは思いもよらなかった。
朝同行者がタバコをあげたのが効いたのか・・・。
「情けは人の為ならず」というのはこういうことを言うのかも。
いつなんどき助けられるか分からないから、山での出会いは大切にしよう、と心底思った。
■写真一覧
http://blog.goo.ne.jp/photo/319218/tn
■スライドショー
>http://blog.goo.ne.jp/photo/319218/sl