生姜ちくわのぶらぶら山日記

趣味の登山を中心としたブログです。2014年11月より日本百名山登山開始、2018年9月23日全座登頂。

8月20日(日) 座間・ひまわり畑

2006年08月21日 | 都外散歩
このところ日曜日には美術館・博物館巡りばかりだが、この日曜は神奈川県座間市にひまわりを見に出かけた。座間のひまわりを見るのは初めて。

座間市のひまわりは、平成5年に農協青壮年部が中心となって荒廃地・遊休農地対策の一環として、約30aの土地にひまわりの景観植栽を行ったことが始まりだ。植栽面積は年々増加、今年の総面積約5.5haにひまわりが植えられている。

この日は、6箇所あるひまわり畑のうち、開花している3箇所の畑(サイレン北側・座架依橋南側・四ツ谷地区)を訪れた。どの畑のひまわりも満開で、きれいだった。四ッ谷地区のひまわり畑が約130aと最も広く、花の状態が最も良かった。この日は曇りがちで、空の青色とひまわりの黄色のコントラストが楽しめなかったのが少し残念だったが、見に行って良かった。


【サイレン北側のひまわり畑】












  
【座架依橋南側のひまわり畑】







 





【四ッ谷地区のひまわり畑】









  


  

↓「人気ブログ・ランキング」に参加しています。よろしければバナーをクリックして下さい。
 


8月13日(日) 東京駅周辺美術館巡り(後編)

2006年08月18日 | 美術館・博物館巡り
東京駅周辺美術館巡り(前編)の続き)


フィルムセンターは、日本で唯一の国立映画機関で、国内外の映画フィルムや資料の収集・保存や、映画の上映、資料の展示を行っている。ここを訪れたのはこの日が初めてだ。私はあまり映画に興味がないが、ぐるっとパスに映画資料展示室の入場券が付いていたので試しに訪れてみた。


展示室では常設展と企画展が開催されていた。「映画遺産」と題した常設展では、映画ポスター・本、映画人の遺品、初期の映画機械などの展示の他、映像資料としてこれまで発掘・復元された貴重な映画作品の一部が部分的に上映されていた。映像資料が予想外に面白かった。結局全ての映像資料に目を通してしまい、その後の予定がすっかり狂った。

特に面白かったのは、記録映像だ。例えば、日本で撮影された最古の映画「明治の日本」(フランス人のジュレールが撮影)では、明治29~33年(1896~1900)の東京と思われる街角の様子や、食事や身づくろい、祭りなどの生活、日本の踊りや歌などの芸能などが記録されている。外国人向けの映画という性格上、エキゾチズムを強調するために脚色された部分もあると思うが、当時の日本の様子が分かり非常に興味深かった。

明治45年(1912)に田泉保直が撮影した、Mパテー商会の映画「日本南極探検」は、 白瀬矗(のぶ)中尉の第二次南極探検(明治43~45年 1910~1912年)の記録映画で、気象状況の最悪な南極で撮影したため映像が不鮮明だが、日本人探検隊が南緯80度5分の地点に到達し、誇らしげに日章旗を立てる様子がカメラに収められていた。現代よりも装備が不十分だった時代に、祖先が南極探検に成功したことにとても驚いた。ただ、その後の映像では、ペンギンがもの珍しかったのか、隊員がペンギンを追い回したり、押し倒していじめていた。その映像を見て当時の人達はどう感じたのかは分からないが、現代人の私にはちょっとショックな映像だった。


企画展では、「美術監督水谷浩の仕事」と題し、水谷が残したデザイン画や台本などが展示され、彼が美術を担当した映画が部分的に上映されていた。見る人が見れば面白い内容なのだろうが、映画に疎い私にはあまり面白くなかった。


フィルムセンターの展示室は、映画に興味のない私でもなかなか楽しめる場所だった。フィルムセンターでは、監督別・国別・ジャンル別など様々なテーマの元、日替わりで映画を上映している。入場料は500円と格安なので、興味のある映画が上映される時には見に行こうと思う。


↓「人気ブログ・ランキング」に参加しています。よろしければバナーをクリックして下さい。
 



8月13日(日) 東京駅周辺美術館巡り(前編)

2006年08月17日 | 美術館・博物館巡り
この日もぐるっとパスを持って東京駅近くのブリジストン美術館と東京国立近代美術館フィルムセンターに行った。予定では、フィルムセンターの後、相田みつお美術館に寄り、東京駅周辺の近代建築を見て回ることになっていたが、フィルムセンターで予定以上に時間を費やし、いつの間にか相田みつお美術館の閉館時間になってしまったので諦めた。


ブリジストン美術館は、主に19世紀の印象派から現代までのヨーロッパ美術作品と明治以降の日本の美術作品を約1600点所蔵している美術館で、名作も多い。この日は所蔵作品約160点を展示した常設展が開催されていた。過去に当美術館を何度も訪れているが、この日初めてオーディオガイドを借りた。作品解説がない館内では、オーディオガイドの解説は非常にためになった。館内には人が少なかったので、心行くまで作品を鑑賞できた。以下に印象に残った作品を一部掲載。




  コロー「ヴィル・ダヴレー」(1835~40年)。コローらしい、銀灰色を帯びた追憶的な雰囲気の風景画。画面から森のさわやかな空気が感じ取れる。見ていて飽きない。ヴィル・ダヴレーは、パリとヴェルサイユの間に位置する森と池のある景勝地で、コローの父の別荘があった。コローはこの村を愛し、ここで多くの作品を制作した。




  ルノワール「座るジョルジェット・シャルパンティエ嬢」(1876年)。愛らしいモデルはルノワールの初期のパトロンの娘。おめかししておしゃまに足を組んで座る姿が微笑ましい。モデルへの画家の優しく暖かいまなざしが感じられる。




  モネ「睡蓮の池」(1903年)。池には睡蓮が咲き、その水面には柳と夕暮れ時の空が映っている。この作品は同じ構図の連作の一つ。




  ゴッホ「モンマルトルの風車」(1886年)。ゴッホがパリで住み始めて間もないころの作品。モンマルトルにあった風車は街の裏側から描かれている。歓楽街の喧騒が全くなく、寂寥に満ちている。




  セザンヌ「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」(1904~06年)。描かれているのはセザンヌの故郷エクス・アン・プロヴァンスにある山。セザンヌはこの山を繰り返し描いた。見た目は無骨だが、大自然の澄んだ空気が感じられる風景画。




  モディリアーニ「若い農夫」(1918年頃)。細長い顔、長い首、なで肩、瞳のない目、ほとんど書き込まれない背景・・・とモディリアーニらしさが表われている作品。モデルのかすかに悲しげな表情が印象的。




  ピカソ「腕を組んで座るサルタンバンク」(1923年)。かつてこの作品はピアニストのホロヴィッツが所蔵していた。作品は、ピカソがキュビズムを打ち立てた後の、1910年半ばから1920年代の「新古典主義時代」と呼ばれる時期に描かれた。サルタンバンクとは軽業師のこと。モデルは、彼の職業イメージとは正反対に、腕を組み、物思いにふけりながら静かに椅子に座っている。古代ギリシア彫刻を思わせるような静かで端整な顔立ちが印象に残る。写真から分かりにくいが、画面左上にはかつて女性像が描かれた跡が残っている。




  エジプト「聖猫」(紀元前950~660年)。ブロンズでできた像の内部は空洞になっている。当時の人々は、像の中に動物の遺骸を収め、神殿に奉納した。当時聖なる動物だった猫の表情は凛としている。長く引き伸ばされた体からはしなやかさが感じられる。


(後編に続く)


↓「人気ブログ・ランキング」に参加しています。よろしければバナーをクリックして下さい。
 



8月11日(金) 東京オペラシティアートギャラリー

2006年08月14日 | 美術館・博物館巡り
仕事の後は寄り道せずに帰宅する私だが、この日は珍しく美術館に寄り道した。寄り道先は東京オペラシティアートギャラリー。オペラシティは今年で開館10周年になるが、都内に住んでいながら訪れたのはこの日が初めてだった。もともと常設展・企画展の内容にはあまり興味がなかったのだが、ぐるっとパスに入場券が付いていたからという不純な(?)動機から訪れた。

最初に企画展「光の魔術師 インゴ・マウラー展」を観覧した。観覧前は、30分もかからずに見終わるかと思ったが、展示内容が想定していたよりもずっと面白く、おかげで常設展をまともに見る余裕がないほど企画展で大幅に時間を費やしてしまった。

インゴ・マウラー(1932年~)は、「光の魔術師」「光の詩人」の異名を持つ、ドイツ出身の照明デザイナーで、照明器具のデザインや照明を使ったインスタレーションの製作を行っている。この展覧会でマウラーの作品を初めて見たが、彼の作品は、「光の魔術師」「光の詩人」の称号にふさわしく、詩的で、見る者を「あっ!」と驚かせるような遊び心にあふれていて全く退屈しなかった。行ってよかった。以下、印象に残った作品を年代順に一部掲載。




  「Porca Miseria!(ポルカ・ミゼリア!)」(1994年)。何かが空中で爆発したような形の吊り照明。電球を覆っているのは、皿やカップなどの食器の破片と金属製のナイフやフォーク。もともとは違う作品名だったが、イタリアでこの作品を展示したときに作品に驚いた観覧客が「Porca Miseria!(なんてこった!)」と発したことからこの名になった。




  「Fly candle fly!(フライ・キャンドル・フライ!)」(1996年)。天井から複数のろうそくを透明な糸で吊り下げたインスタレーション。展覧会では、真っ暗なトンネルのような場所に透明な糸で吊り下げられたろうそくが一列に並んでいるのを、会場の一角からガラス越しに鑑賞した。暗闇に空中に浮かぶろうそくが延々と列をなす様子は、幻想的で美しかった。



 
  「Zettel'z 5(ツェッツル5)」(1997年)。作品名はドイツ語で「紙切れ」を意味するzettelにzを付けた言葉。風があると電球を覆う紙切れがゆらゆらと動く。紙切れの絵はなんと中国の春画(!)を切りきざんだもの。




  「Wo-Tum-Bu 1~3(ヴォ・トム・ブ 1~3)」(1998年)。和紙のランプシェードのシリーズ「MaMoNouchies(マモ・ノーチェス)」の一つ。近くで見ると和紙一面にとても細かいひだがついている。




  「Holonzki(ホロンツキ)」(2000年)。ホログラムを使った作品で、ある角度からは写真のように赤い電球が見えるが、角度を変えると電球自体が消えてしまう。遊び心あふれる作品。




  「Birdie(バーディ)」(2002年)。作品名は、英語の幼児語「小鳥ちゃん」。翼をつけた電球12個をシャンデリアにしたもの。小鳥達が一斉に飛び立つように見えるデザインはユニーク。





  「LED Table(LEDテーブル)」(2003年)と「LED Bench(LEDベンチ)」(2002年)。ガラスのテーブルとベンチに埋め込まれた白色LEDは夜空に輝く星々のよう。とても美しくしばらく見とれてしまった。一番のお気に入りの展示作品。


当企画展は、9月18日(月)まで開催している。興味がある方はどうぞ。


↓「人気ブログ・ランキング」に参加しています。よろしければバナーをクリックして下さい。
 

8月6日(日) 白金台美術館巡り(後編)

2006年08月13日 | 美術館・博物館巡り
白金台美術館巡り(前編)の続き)

国立科学博物館附属自然教育園は、樹木が生い茂っているため外よりも涼しかった。4月下旬に訪れた時に比べすっかり緑が濃くなっていた。



  小道。




  池。




  園内から空を見上げる。




  物語りの松。松平讃岐守頼重(高松藩主)の下屋敷だった江戸時代からあると言われる巨大な松。




  根の絡み合う木。


松岡美術館では、最初に企画展を観覧。「エコール・ド・パリ展」では文字通り藤田嗣治やシャガール、モディリアーニなどエコール・ド・パリの画家達の作品が約45枚展示されていた。シャガールの「婚約者」、ローランサンの「若い女」、ユトリロの「モンマルトルのジュノ通り」が気に入った。同時開催の「陶俑の美展」では、漢~宋時代の副葬品としてつくられた陶製の人物・動物像が展示されていた。

常設展では、時間があまりなかったので、興味のあるガンダーラ・インド彫刻に絞って観覧した。装飾過剰で官能的なインド・ヒンドゥー教彫刻はエキゾチックな魅力に満ちていてとても気に入った。




  館内。入口を入ると彫刻がいくつか展示されている。奥に見えるのは庭園。館内では写真撮影が可能。




  ディエゴ・ジェコメッティ「猫の給仕頭」(1967年)。猫が大きな器を持っている。「かわいい」と来館者の間で人気(私もその一人)。作者の兄のアルベルトは細長い人体彫刻で知られる彫刻家。




  ミネルヴァ(紀元前100年ごろ)。ローマ近郊で発見された大理石像。




  マルク・シャガール「婚約者」(1977年)。企画展の作品で最も気に入ったもの。男性の相手を思いやる暖かいまなざしと、男性の愛情を静かに受け入れる伏し目がちな女性の表情が印象的。詩的で温かみのあるこの作品を見ていると心が穏やかになる。




  マリー・ローランサン「若い女」(1937年)。ローランサンらしい色づかいで描かれている。モデルの女性の若々しさや愛らしさが伝わってくる。




  モーリス・ユトリロ「モンマルトルのジュノ通り」(1926年)。白を主体に描かれたユトリロらしい風景画。画中の街の一角は人のにおいが全くせず、まるで死んだよう。重度のアルコール依存症だったユトリロの心の風景なのかもしれない。




  パブロ・ピカソ「ドラ・マールの肖像」(1941年)。モデルはピカソの恋人。現実にはこのような顔の人は存在しないが、作品の隣にあったモデルの写真と作品を見比べると、目鼻立ちがくっきりした顔で性格がきつそうなモデルの特徴が作品では正確に表されていた。ピカソの表現力に感心した。




  藤田嗣治「二人の子供と鳥篭」(1918年)。二人の子供達の表情が眠そう。




  犬の陶俑(後漢・1~2世紀)。




  婦人の陶俑(唐・8世紀)。左手に花を持っている。




  仏陀坐像(3~4世紀)。ガンダーラ。 




  菩薩半跏思惟像(3世紀)。ガンダーラ。




  シヴァとパールヴァティ(11~12世紀)。インド・ラージャスタン。シヴァはビシュヌやブラフマーと並ぶヒンドゥー教の主神で破壊神。パールヴァティはシヴァの妻。




  ブラフマー(12世紀)。西インド。ヒンドゥー教の主神で創造神。




  ヴィシュヌ(12世紀)。中インド。ヒンドゥー教の主神で維持神。




  サラスヴァティー(11~12世紀)。東インド。学問・芸術をつかさどる女神で、日本では七福神でおなじみの弁財天。




  スーリア(10~11世紀)。中インド。太陽神。




  菩薩頭部(12~13世紀)。クメール。地域が変わると仏像の顔立ちが変わるのが面白い。


↓「人気ブログ・ランキング」に参加しています。よろしければバナーをクリックして下さい。