フランス語読解教室 II

 多様なフランス語の文章を通して、フランス語を読む楽しさを味わってみて下さい。

Voeux de M. Sarkozy 注釈 (2)

2008年01月23日 | Weblog
Lecon 136 [注釈]

p.2 第8パラグラフ
 * le me^me esprit d'ouverture : 7パラグラフからすでに C'est pourqoui j'ai voulu l'ouverture というかたちで ouverture という言葉が見られますね。これは大統領就任時からの彼の「売り」なのですが、いわゆる左派勢力にもウィングを拡げる、悪く言えば、野党を「取り込む」ようにも見える、ご本人に言わせれば「柔軟な」政策姿勢のことを指しています。外務大臣に社会党の大物政治家 Bernard Kouchner を据えたことなどがその典型例でしょうか。

第10パラグラフ
 * les vieux clivage partisants : 先の ouverture とも関連しますが,これも旧来の左右対立を指すと考えられます。ですから文字通りは、partisants とは対立する政党員のことです。
 * choc fiscal et social :ここは税制、社会保障制度の改革を意味しています。 Sarkozy のキャッチフレーズのひとつが Travailler plus pour gagner plus なのですが、彼は残業によって得た給与分の非課税などを実現しました。
 * libe'rer et de re'habiliter le travail : ここも先の項目と深く関係します。労働をさらに自由化して、働くことの意義を高めること。
 * service minimun : 鉄道などのスト中に、利用者の不便を軽減するため提供されるサーヴィス。

 p.3 第 5 パラグラフ
 * l'Union pour la Me'diterrane'e : 「地中海連合」フランンスの旧植民地であったアルジェリアなど北アフリカを含む連合。
 * redonner de l'espoir a` ceux qui n'en ont plus. : 確かにテキストの n' は余計ですね。エリゼ宮だってこんな間違いをするのですね。
******************************************************
 次回は、サルコジ大統領が借用した politique de civilisation という概念の本元 Edegard Morin が、この言葉をめぐって質疑を交わしている チャット(だと思います)を読むことにします。テキストをご希望の方は smarcel@mail.goo.ne.jp までお知らせせ下さい。
 受験生には気の毒だったのですが,センター試験の当日くらいからここ大阪も冷えて来ました。今日は雨のあと、気温もようやく平年並みに戻っていますが,明日からはまた寒くなりそうです。どうかみなさんもお身体には気をつけてください。