[注釈]
Morin の唱える une politique de civilisation とは、理念として une politique de symbiose des civilisations (多文明の共生を目指す政治)をかかげながら,そこに向かう途上で、従来の文明のもたらして来た負の部分を正そうとするもののようです。その負とは,巨視的に見ると,ひたすら最大を目指して来た物質文明の地球上での偏りであり,市民社会のスケールで見ると、個人主義と連帯の不均衡にある。またフランス社会に限って言えば、移民問題と深いつながりを持つ、「郊外」の孤立が特に話題に上がっています。
* p. 2 上 ce qui domine, c'est la quantite', le ''plus '', au de'triment du mieux :人々の関心を占めて来たのが、最善ではなく,最大量を目指すことだ。
* p. 2 第2パラグラフ la revitalisation des compagnes suscite le fait de rendre vie d'abord au village : ここはぼくもひっかかりました。le fait を辞書で確かめると aller au fait 「本題に入る」という表現が見つかりますが,le fait とはこの文脈では、大切な問題、論点ぐらいの意味だと考えられます。ですから、「地方の海・山を活性化するには,何よりもまず人々が暮らす村に生命を返すことが重要であり…」となるでしょうか。
* 第8パラグラフ Nicolas Sarkozy perd de son verbe sans Henri Guaino : ここはどうも、アンリ・ギアノがいなかったので、大統領はまずい演説をした、という意味合いのようです。Guaino は大統領補佐官のような役回りの政治家。小泉・安倍時代の世耕某のような存在なのでしょうか。
***********************************************
それでは、次回は la politique de civilisation... の後半を読みましょう。
以前お話ししましたが,2/19に転居します。今回はぼくとしては随分と北上して、京都と大阪の中間地点に住むことになります。実はつい先日、幸か不幸か、去年のこの時期にパリの部屋を貸してくれた友人からまた連絡があり,部屋を貸せるよ、とのこと。半ばやけくそですが,かなりの強行軍になることは承知の上で、2/26から2週間、引っ越し後、本の詰まった段ホール箱で足の踏み場もなくなる部屋を放ったらかしにして,フランスに滞在する予定です。
それで、13日(水)次回の注釈をお目にける際に春休みの宿題をお届けしたいと思っています。お楽しみに。
Morin の唱える une politique de civilisation とは、理念として une politique de symbiose des civilisations (多文明の共生を目指す政治)をかかげながら,そこに向かう途上で、従来の文明のもたらして来た負の部分を正そうとするもののようです。その負とは,巨視的に見ると,ひたすら最大を目指して来た物質文明の地球上での偏りであり,市民社会のスケールで見ると、個人主義と連帯の不均衡にある。またフランス社会に限って言えば、移民問題と深いつながりを持つ、「郊外」の孤立が特に話題に上がっています。
* p. 2 上 ce qui domine, c'est la quantite', le ''plus '', au de'triment du mieux :人々の関心を占めて来たのが、最善ではなく,最大量を目指すことだ。
* p. 2 第2パラグラフ la revitalisation des compagnes suscite le fait de rendre vie d'abord au village : ここはぼくもひっかかりました。le fait を辞書で確かめると aller au fait 「本題に入る」という表現が見つかりますが,le fait とはこの文脈では、大切な問題、論点ぐらいの意味だと考えられます。ですから、「地方の海・山を活性化するには,何よりもまず人々が暮らす村に生命を返すことが重要であり…」となるでしょうか。
* 第8パラグラフ Nicolas Sarkozy perd de son verbe sans Henri Guaino : ここはどうも、アンリ・ギアノがいなかったので、大統領はまずい演説をした、という意味合いのようです。Guaino は大統領補佐官のような役回りの政治家。小泉・安倍時代の世耕某のような存在なのでしょうか。
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それでは、次回は la politique de civilisation... の後半を読みましょう。
以前お話ししましたが,2/19に転居します。今回はぼくとしては随分と北上して、京都と大阪の中間地点に住むことになります。実はつい先日、幸か不幸か、去年のこの時期にパリの部屋を貸してくれた友人からまた連絡があり,部屋を貸せるよ、とのこと。半ばやけくそですが,かなりの強行軍になることは承知の上で、2/26から2週間、引っ越し後、本の詰まった段ホール箱で足の踏み場もなくなる部屋を放ったらかしにして,フランスに滞在する予定です。
それで、13日(水)次回の注釈をお目にける際に春休みの宿題をお届けしたいと思っています。お楽しみに。