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さて、ここまでで、自分に事実ある能力と長所・価値をちゃんと認めるというワークをやってきました。
これで、かなり自己承認=自信がついてきたのではないかと思います。
しかし、それでもまだ「確かに少しくらいならできることやいいところはあるけど、大したことないし、そんなことで自信を持ったら、なんか独りよがりみたいでカッコ悪いじゃないか?」と思っている方もいるかもしれません。
ここまで来たら、「独りよがりではいけない」とか「カッコ悪い」とかいうのは、「走らなきゃ車じゃない。スタンドで給油のために停まっていたり、修理のために工場に入ったりするのは許されない」といっているのに似ていると気づいていただけますね?
それでもまだ、「少しくらいなら……あるけど、大したことない」という気分は残るかもしれません。
もう一つ、そういう気分を解消する技をやってみましょう。これは、「わざ」です。
「十円玉のワーク」といいますが、まず、手元に十円玉を用意してください。
それを右手の親指を人差し指ではさんで、左目を閉じて、右目で見てください。
まず、30センチくらいの距離で、その大きさをよく感じてみましょう。
それからゆっくりとひじを伸ばして目から離していきます。
さあ、見える大きさはどうなったでしょう? 当然、小さくなりましたね。
でも、それは小さくなったんですか?
そうではありませんね。見え方が小さくなっただけで、実際の大きさは変わっていないんですよね?
でも、小さくなったように見えた。
さあ、勘のいいみなさんは、もうわかってきたかもしれませんが、「考えるとするとでは大違い」なのです。
続けてやってみましょう。
今度は十円玉をゆっくりと目に近づけていきます。
十円玉は、どんどん大きく見えてきますね。
目のそばまで持ってくると、まるで世界が十円玉でいっぱいのような気がしてきます。
つまり「視界」がいっぱいになると「世界」がそれでいっぱいのような気がする、というのが人間の視覚の法則です。
そして、心にもその法則はほとんどそのまま当てはまるのです。
さあ、直観力や洞察力のあるみなさん、このワークは何を目指しているのでしょう。
そうです。自分の能力や長所を集中的に見て、自分にはものすごく大きな――まるで世界中(つまり視界)いっぱいになるくらいの能力と長所がある、という気持ちになることを目指しているのです。
でも、たくさんの人がこの逆をやっています。
自分のできないことやダメなところに目を集中して、その結果、当然ながら落ち込んでいるのです。
とても損なことをしていますね。
気持ちはよくわかります。私もかつてやっていましたから。
でも、考えて見ましょう。
いいところに目を向けているのと、悪いところに目を向けているのと、どちらが元気になりますか?
いいところですよね。
では、元気があるのと元気がないのと、どちらが悪いところを改善できる可能性が大きくなりますか?
もちろん、元気があるほうですね。
では、「視界」がいっぱいになると「世界」がそれでいっぱいのような気がする、というのが人間の視覚の法則です。
では、まず自分の能力や長所を集中的に見て、自分を認め、ほめてあげて、元気になって、その後で、もし余力ができたら、悪いところも改善することにしませんか?
フルスピードで走るのは、ガソリンを入れてからにしよう!
これは、何千人もの若者や社会人を指導してきて、ほぼ90%以上の確率で、有効だと思う手順です。
たまに、自分の悪いところを集中的に見て、「オレはダメだ、ダメだ」とネガティヴなセルフ・トークを連発して、それで自分を叱咤激励して奮起する人もいますが(このタイプも昔は割に多かったのですが)、時間と労力の点から見て、あまり効率的ではないようです。
なので、よかったら、まず自分の能力や長所を発見して、評価して、自分に絶賛のセルフ・トークをしてあげてみませんか?
「すごい! おまえはすごくがんばってる! おまえの努力はすばらしいぞ!」といったふうに。
もちろん、叱咤激励が効く方は、それでやっていただいてけっこうです。