大和町吉田地区南西部、沢に並行する林道を上がって行くと、杉林の中を行くようになり、
その林縁で掌状の葉を見つけました。これはウチワドコロか、その仲間でしょう。
めったに見かけない植物ですが、このポイントでは5~6株がつるを這わせています。
二枚とも2021.6.30撮影
野草図鑑「つる植物の巻」で調べると、ウチワドコロの分布域は北海道~中部以北の本州
となっていて、葉の形がそっくりです。カエデドコロという植物も葉がよく似ていますが、
分布域が中部以南の本州~九州となっているので別物ですね。
他にもキクバドコロというよく似たつる植物があります。
分布域が福島県以南の本州~九州とありますし、葉柄の基部に小突起があるようですから、
別物でしょうね。よって、写真の植物はウチワドコロということになります。
2021.6.30撮影
ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性多年草で、北海道~中部以北の本州に分布する。
丘陵~山地の林縁に自生する。雌雄異株。
根茎は多肉の円柱形で横に這う。つるには短毛があり、長さ3~10m。
葉は互生し、葉身は広卵形で掌状に浅裂し長さ7~16cm、裂片の先端は尖り、基部は心形。
質は薄くて硬く、裏面の葉脈上に短毛がある。葉柄は長さ3~10cm、基部に小突起はない。
花期は7~8月、雄花序は斜上して分枝し、雄花はほとんど無柄、花被片は6枚で黄緑色、
長さ1mm、全体として鐘形で平開せず、6個の雄ずいがある。雌花序は下垂し穂状。
果実は長さ1.5~2cm、幅1.5cmの広倒卵形の蒴果で3翼がある。
種子は長さ4mmほどの楕円形で、片側に翼がある。
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