里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ハシリドコロ 有毒植物

2021-04-11 | 日記

大和町吉田地区西部の吉田川支流源流域、小沢を遡って行くと、山と沢の間になだらかな
斜面があって厚く落葉が堆積しています。その落葉の間から、濃い緑色の新芽が伸び始め
ているのを見つけました。たぶん、毒草のハシリドコロの新芽でしょう。
以前この辺りを踏査した際に、ハシリドコロが群生しているのを見ているので、その新芽
ではないでしょうか。濃い緑色の葉がそっくりですからね。

                              二枚とも2021.4.7撮影

沢をさらに遡って行くと、地形が開けてやや広い河畔林が続きます。
そこにはハシリドコロが群生していて、日当りが良く生長が早いいためか草丈が30~40cm
もある株がたくさん生えています。その中の数株には膨らんだツボミが幾つか付いていて、
ハシリドコロ特有の暗紫色の花弁が覗いています。

ハシリドコロの名は、誤食すると錯乱して走り回ることと、地下の根茎がオニドコロのそ
れに似ていることに由来するようです。
有毒成分はヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミンなどのアルカロイド類で、誤食す
ると嘔吐やけいれん、昏睡などの中毒症状が現れます。含有成分が多いので重症化しやす
く、死亡例もあるとのこと。

                              二枚とも2021.4.7撮影

ナス科ハシリドコロ属の多年草で、本州~九州に分布し、草丈は30~60cm。
山地の沢沿いの湿り気のある林内や林縁に自生し、しばしば群生する。
全草に有毒成分のヒヨスチアミンやスコポリン等を含み、特に根茎に濃集する。
根茎は太くて節があり、横に這う。茎は無毛で軟らかく、直立して疎らに枝を分ける。
葉は互生し、葉身は長楕円形で長さ6〜18cm、先端は尖り、基部はしだいに細くなって
葉柄に続く。葉質はやわらかく全縁。両面とも無毛。
花期は4〜5月、葉腋から花柄を出し、長さ2cmほどの釣鐘形の花を1個、下向きに付け
る。花冠の先は浅く5裂し、外面が暗紅紫色、内面が黄緑色。
雄しべは5個、花柱は1個で糸状。萼は広鐘形で浅く5裂する。
果実は球形の蒴果で直径1cmほど。種子は長さ2~3mm、種皮に粗い網目模様がある。



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1 コメント

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Unknown (畠山弘真)
2022-04-09 12:16:52
ハシリドコロを見てみたいのですがもっと詳しくこの生えていた場所を教えて頂けますでしょうか?
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