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里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

クロベ 尾根に聳える大木

2017-03-27 | 日記
大崎市鳴子の、花渕山登山道の標高600~800mには、クロベの大木が林立しています。
クロベは痩せた尾根筋や北向きの急斜面に自生しています。
この木がそのような地形を好むこともありますが、厳しい地形ゆえ伐採されずに、
今日まで残されているとも言えるでしょう。
伐採しても搬出するのが困難ですし、急峻な地形の樹木を伐採すれば、土砂崩れを
おこす危険性が高まりますから、昔から伐採を戒めていたのでしょうね。




                             二枚とも2015.6.5撮影

尾根筋の表土は浅く、すぐ下は花崗岩質の岩盤になっているため、クロベの根は
タコの足のように、確りと岩を抱いています。
そうしないと、大雪や強風で表土ごと倒されてしまいますからね。
尾根筋が崩落しないのは、クロベのお陰なのかも知れません。
それに、クロベは立ち枯れても木が腐朽しにくいようです。
あちこちに枯れたクロベが突っ立っていますが、五年十年は立ったまま。
枝が落ち、幹が空洞になっても、化石のように立ちつくしています。
木材のプロのお話では、虫食われが少なく、水に強いそうです。
それは材に含まれる精油分のお陰なのでしょう。




                             二枚とも2015.6.5撮影

ヒノキ科クロベ属の常緑針葉樹で、本州の中部以北と四国の高山に分布する。
冷温や積雪に耐え、やせ尾根や急斜面でも育つ木で、樹高は30mになる高木。
植林されることはなく、山地で見かける木は全て天然木で、別名ネズコ。
和名はクロベだが、木材関係者の間では材の色からネズコとも呼ばれる。
樹幹は直立するが、積雪や強風で損傷を受けると数本の主幹に分かれることがある。
枝は水平に多数開出し、円錐形の樹冠となる。
樹皮は赤褐色で、幅の狭い薄片になってはげる。
雌雄同株で、雄花および雌花は藍色で5月頃に開く。
球果は1cmほどの楕円形で、10月頃に成熟して黄褐色になり、よく目立つ。
葉は鱗片状で十字形に交互に対生し、ヒノキよりも大きく、アスナロよりも小さい。
上面は濃緑色で腺点があり、下面には白色の狭い気孔線がある。
材は木理通直で耐久性が高く、加工しやすく狂わないので建材、器具材に使われる。


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