里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

キリンソウ 海岸の岩壁

2017-03-27 | 日記
南三陸町歌津の、黒色頁岩の岩壁に咲いていたキリンソウです。
公園や民家の庭先に植栽されているキリンソウに比べて、丈が低いし、葉の長さも
つまっているので、最初に見たときはイワベンケイかと思ったほどです。
イワベンケイの葉はサボテンのように厚いですからね、キリンソウで落ち着きました。
写真の自生地は海面から6mほどですから、大津波を被ったはずですが、塩害に強い
のでしょう。翌年の夏に訪れたときには、既に咲いていました。
付近の岩棚や割目には、小さな株が増え続けていますから、逞しいものですね。




                             二枚とも2015.6.14撮影

省エネや都市の美観という観点から、注目を浴びている植物が「常緑キリンソウ」。
ビルの屋上や壁面を緑化することで夏の冷房費を抑えたり、無機質なコンクリート
構造物の緑化で、安らげる空間作りをするのだという。
その趣旨には大いに賛成だが、品種改良で創出された常緑キリンソウが、嫌われ
ものの帰化植物の二の舞にならないか、と心配するのは私だけでしょうか。
何しろキリンソウは葉や茎を挿し芽すれば、すぐに増える植物です。
そんなのが至るところで増殖し、在来の植物を駆逐するのでは元も子も有りません。


                                 2015.6.14撮影

ベンケイソウ科キリンソウ属の夏緑性多年草で、北海道~九州に分布する。
山地~海岸の日当たりの良い岩上や草原、林縁などに生え、草丈は10~30cm。
太い地下茎から多くの茎が叢生し、茎や葉は多肉質で瑞々しい感触がある。
葉は互生し、葉身は卵形~長楕円形で長さ2~7cm、上半部には浅い鋸歯がある。
花期は5~8月で、茎頂に集散花序を出し、黄色の小花を多数つける。
花弁は5個、披針形で長さ6~7mm、雄しべは長さ5~7mm。
花後の果実は袋果で、成熟後多数の種子を放出する。


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