加美町宮崎地区、山中の踏査を終え林道を集落方向へ下って行くと、山側から林道上へ伸
びた枝に花芽らしきものが付いています。花芽は長めの毛に覆われていて、ざっと見ただ
けでも10個以上付いています。随分早い時季から花芽が付くんですね。
コブシの花芽を細くしたような形ですが、仲間のタムシバの花芽かも知れません。
タムシバは日本海側の山地に多い木なのですが、宮崎地区の西部も多雪地ですから自生し
ていても違和感はありません。
三枚とも2024.9.17撮影
帰宅後、樹木図鑑でタムシバの項を見ると、葉身が披針形で先端が尖っており、葉裏は緑
白色とあるので、私の写真の葉の特徴と合致します。仲間のコブシの葉は倒卵形で先端だ
けが短く突出しており、葉裏が白っぽくなることはありません。
よってタムシバで間違いないでしょう。
二枚とも2024.9.17撮影
モクレン科モクレン属の落葉広葉樹で、樹高10mの高木。
本州〜九州の多雪地の山地に生える。生長は遅く、樹形は扇状に広がるが枝は疎ら。
樹皮は灰色~灰褐色で平滑。皮目が縦に並ぶ。若枝は緑褐色。葉芽の鱗片は無毛。
葉は互生し、葉身は広披針形~卵状長楕円形で長さ6~12cm、全縁で基部は狭いくさび形、
先端は尖る。葉質は薄く、裏面は緑白色。葉柄は長さ1cmほど。葉を揉むと芳香がある。
花期は4〜5月、葉が展開する前に、枝先に直径6~10cmの白花を1個つける。
花被は9個で萼と花冠の区別があり、長さ4.5~6.5cmの花弁6個と小さな萼片3個からなる。
萼片は無毛。花床に多数の雄しべと雌しべが螺旋状につく。花の下に葉はつかない。
果実は袋果が多数集まった長さ7~8cmの長楕円形の集合果。成熟すると袋果が裂けて赤い
種子が糸状の珠柄の先にぶらさがる。
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