里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アセビの自生地

2017-03-16 | 日記
宮城県内でアセビの自生株を見たことはありませんが、茨城県の日立市あたり
では、山の尾根筋や斜面に普通に生えています。
明るく乾燥気味の林中とか、林道沿いや刈払い地沿いを好むようです。

かつては我家にもアセビの木が1本あって、その花は乳白色でしたが、石尊山に咲き
始めた四五株は全て純白ですね。




                             二枚とも2016.3.30撮影

アセビは有毒植物で、牛馬が食べると中毒により酔っ払ったようになるといわれ、
馬酔木の字が当てられることもあります。しかし、実際には牛馬も鹿も本能的に毒で
あることを知っていて、食べないようです。
アセビの葉や樹皮、花にまで有毒成分のアセボトキシンやグラヤノトキシンなどを
含んでいて、誤食すれば腹痛・嘔吐・下痢を引き起こし、重篤になれば神経系や
呼吸中枢を麻痺させ死に至ることさえあるようです。
病害虫に強い、花がきれい、大木にならないなどから庭木として人気がありますが、
扱いには注意が必要でしょう。


                                 2016.3.30撮影

ツツジ科アセビ属の常緑広葉樹で、樹高4~5mの小高木。有毒植物。
宮城県以南の本州~九州に分布し、山地の尾根筋や乾燥気味の林内に自生する。
株立ち状になることが多く、よく分枝し葉を密に付ける。樹皮は灰褐色で、縦に裂け目
が入り、ねじれる傾向がある。葉は互生し、枝先に集まって付く。
葉身は倒披針形で長さ3~10cm、先端は鋭くとがり、基部はしだいに細くなる。
縁の上半部には浅い鋸歯があり、少し波打つ。質は革質で、葉表は光沢のある濃緑色。
花期は3~5月で、枝先の葉腋から長さ10~15cmの円錐花序を出し、白色の花を
多数付ける。花序は垂れ下がり、花は下向きに咲く。
花冠は長さ7mmほどの壷型で浅く5裂する。
雄しべは10個、雌しべは1個で花冠と同長。萼は5深裂し、緑色や赤など変異が多い。
果実はさく果で直径5~6mmの扁球形。花の向きとは逆に上向きとなり、秋に裂開して
種子を散布する。種子は長さ3mmほど。


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2 コメント

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下層植生の花木帯化 (窪田征司)
2021-04-19 13:53:56
木材価格の低迷への対処には、キノコや山菜に加え、特用林産物の多目的化、多様化が望まれます。馬酔木は、樒やミツマタとともに、シカ被害が避けられる稀有な花木種で、有力な下層植生樹です。花卉市場の助言を仰ぎ、下層の花木林帯化からの枝物生産目的への花木林化は、大径木化施業の軽減化への波及的効果も期待できます。
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綾部市の下層植生観光化 (窪田征司)
2021-06-07 14:01:55
自生の密生化なのか植栽による群生化なのか。当初の目的が下層植生としての登用なのか、和紙原料生産なのかが定かでない。手段と目的の入れ替えにも興味がわく。下層植生としての手段が観賞用目的に入れ替わったのか、今後、観光目的から枝物生産目的に代わるかもしれない。いずれにしろ、時代にマッチした利用へと豹変できる樹種への興味は絶えることなし。
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