叔母のところに甥(叔母の弟の子供)から電話がかかってきた。
「もしもし、おばちゃん、カズ(仮名)だけど」
「あら、どしたの?」
「あのね、おばちゃん、ちょっと困ったことになった」
「あら、いやだ。あんた今会社?」
「うん」
「会社でそんな話するもんじゃないよ。
帰ってきてから直接話しなさい」
カズは叔母と同じマンションの別のフロアに住んでいる。
叔母は「困ったこと」ときいて、すぐお金のことだと思ったけれど
そんな相談を会社でして周囲で聞いている人がいたら
それこそ問題になると思って「帰ってから」と言ったそうだ。
すると電話は切れた。
叔母はすぐカズの兄に電話して
「カズが会社から『困ったことになった』なんて電話をよこしたのよ。
なんだろう」と言うと、兄が
「おばちゃん、それカズじゃないよ。
カズは会社で作業中は携帯持ち歩いちゃいけない規則だよ。
休み時間以外電話はできないんだよ」
叔母はそこで初めて詐欺を疑ったそうだ。
それでも、ちょっとは信じていて、
帰宅した頃に本人に確認したところ
やはり電話はしていなかったとのこと。
この話を聞いて、ほんと「怖い」と思った。
犯人は、カズが親元を離れていて、困ったときは
親よりも近くにいる叔母に相談することを知っている。
そして自分のことを「カズヒロだけど」と名前全部を言わず
「カズだけど」と名乗ることを知っている。
NHK首都圏ネットワークで毎日
『ストップ詐欺被害!私はだまされない』
というコーナーが放送されている。
今日は「お金の話は詐欺を疑え」。
最近のオレオレ詐欺は
家族の名前や会社名までも調べているので
それらがあっていても信じてはいけない。
お金の話はまず詐欺を疑えとのことだった。
叔母の話を聞いたばかりだったので
リアルに怖かった。
高齢者じゃなくても気を付けてないとね。