高校の頃レストランでアルバイトをしていた。
近くにインターナショナルスクールがあって、
そこの先生がカフェテリアがわりに
生徒さんを5、6人連れて来ることがちょいちょいあって
私もみなさんの名前を憶えるくらいにはなった。
生徒さんの人種は様々。
中に浅黒い肌に黒髪黒い瞳の人が二人。
この二人は一緒に来ることは絶対ないことにあるとき気づいて
「あの二人は一緒に来ないのね」となにげなく言うと
「〇〇はインド人、〇〇はパキスタン人。
インドとパキスタンは仲が悪いでしょ。
あの二人も仲悪くて口きかない」と答えが返ってきた。
国際情勢なんかにはとんと疎い
のほほんとした日本人の自分が
政治が人間関係に影響を与えるのを
リアルに体感した出来事でした。
インターナショナルスクールの生徒さんたちにとっては
国と国の関係は自分たちの日常に
密接に関係してくるんだなあと
改めて気づかされた出来事でした。
今はインドとパキスタンは政治的には対立しても
人々の交流はあるように聞きましたが
その頃はもっと緊迫した関係だったのでしょう。
こんなことを思い出したのは、
映画『ボヘミアンラプソディ』の中で
フレディが「パキ」と呼ばれていたから。
人を名前でなく国名で呼ぶのも侮蔑ですが
パキと呼ばれることはインド人にとっては
さらに侮辱と感じられたことだろうと思いました。
さらっと描かれていますが
さまざまな差別にさらされたことが想像できました。
ロジャーの言う「マイノリティ」としての苦悩を
とても感じさせる表現でした。
さて、もうひとつ。先生について。
この先生はびっくりするくらい青い目の持ち主でした。
あんなに青い目には
その後の人生でもであったことがありません。
水色のビー玉みたいに透き通っていて
目のどこをみたらいいのか戸惑うくらいでした。
くだんのインド人、パキスタン人のお二人は
日本語が一切話せませんでしたが
流ちょうに日本語をあやつるこの先生より
ずっと親しみを感じていた自分は
「人は言葉が通じるとか以前に
見慣れた外見だと勝手に親しみを感じる」
ということも学んだのでした。
いろいろな外見を見慣れることって大事