武道とスポーツの違い

日本の国技としての相撲が外国人横綱を初めとし、多くの外国人が上位を占め始める中、野球やサッカーでは多くの日本人が活躍している様な逆転現象が出てきています。

日本の国技や武道は、日本の精神性を表しています。武道は、外国人にとっては格闘技にしか他なりません。

しかし、古き日本の武道には「死」というものを真剣に捕らえていました。殺すか殺されるかの世界で自分が生きる為には相手を殺さなければならない。

生きる為に仕方なく相手の命を奪う、勝負に勝って生き残ったとしても今度は負けて自分自身が生命を落とすかもしれません。

生とはいかに儚いものか常に意識して生きていた戦国時代、判断の誤りは即、死に直結します。

日本人の精神のなかには他の国より、儚さへの哀悼の気持ちが強く、儚いものに情が行き易い民族で、「桜」や「陽炎」といったものに美を感じます。

敗者や弱い者への慈しみが武道の精神です。格闘技か武道かの判断基準は、勝負が決した時に分かります。

格闘技やスポーツは、勝負が決すると「ガッツポーズ」をしますが、武道は、勝っても負けても反応は変わりません。それが敗者に対しての慈しみであり哀れみであるからです。
柔道は、日本の武道からスポーツへと変貌を遂げてきました。良いか悪いかは別として柔道はスポーツになってしまいました。

残心がないのです。「残心」とは相手が倒れても心を倒れた相手に向け気を抜かずにただ見届けることです。審判が旗を揚げれば勝負が決まる訳ではないのです。

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