中国の航空機や艦船などの武器は、日米ロの部品を寄せ集めて組み立てているのであり、部品から素材まで中国で生産しているわけではない。日本と紛争になれば日米から更にロシアからも部品や素材が入ってこなくなる。経戦能力がおのずと限られてくるのである。今更、中国大陸で日米が軍を展開することは考え辛い。東シナ海や南シナ海といった海洋がバトル・フィールドとなることは万人にもわかることだ。
航空機や艦船が戦闘の主役となる。しかし中国にその航空機や艦船の生産能力を日本や米国と争っていて維持できるのか?疑問である。
戦時中のゼロ戦、日本人なら一度ならずも耳にしたことがある、艦上戦闘機(空母で運用する)である。本来はゼロでなくレイである。皇紀2600年(1940年)採用のため末尾「0」を採りレイ戦。しかし米英の「ゼロ」が神話化して戦後日本でも「ゼロ戦」と呼ばれることが一般的となった。マンガ「ゼロ戦はやと」などの影響も大きい。
このゼロ戦約13000機も生産された。が、ゼロ戦をはじめ多くの航空機の生産に必要な工作機器は、メイド・イン・USAだった。当時の日本ではドリルの歯さえ国産では米国製に代替できなかった。
つまりゼロ戦をはじめとする、隼や飛燕、疾風や紫電改などの日本を代表する戦闘機を増産しようにも工作機器がなかった。熟練工と同時に工作機械がなかった。しかも工場の空襲で工作機器が破壊されると代替品がなかった。工場空襲の時、ドリルの歯を真っ先に避難させたという逸話が残っているぐらいだ。
これと似た状況が現在の中国軍である。ICBMや航空機の部品の大部分が日米からの輸入である。輸入時の名目は軍事物資でないことだけは確かであるが、はたして中国人に戦時中の日本の熟練工と同等の能力があるのか否か?
部品もある程度完成品となったモジュールである。このモジュール自体を生産できるのか?現在の中国の工業力で。
韓国は論外である、現在F15k戦闘機も共食い整備で配備数の1/3ぐらいしか稼動機がない。ブラックBOXの情報流出に怒った米国がメンテナンス部品の供給を止めているためである。
このような生産環境や整備環境で、戦時の消耗を維持できるのか?最新鋭機も一週間でオシャカになるのが現在の最前線である。メンテナンス能力がモノを言う。大いに疑問である。最初の半月ほどは良いであろうが、稼動すればするだけ動かない兵器がゴロゴロ出てくるのが現代戦である。そのメンテナンス能力が中韓は日米に対し著しく劣っている。
半年を越える年単位の経戦能力は中国にあるのか大いに疑問である。陸上戦ではない、海洋と航空戦で、列島線を越えるどころか本当に中国沿岸に押し戻されるのではないか。