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戦争で「ゼロ」の状態になった日本がゴジラによってさらに大きな絶望に直面したことを表現するのが、本作のテーマ。韓国の視聴者は、二つの正反対の解釈を打ち出している。まず、原子爆弾の被害に遭って敗れた日本が、原爆を使うゴジラを倒すという内容で、反省なき「精神勝利」だ-という批判がある。特に、ゴジラの使う放射熱線が爆発するときにはきのこ雲が立ち昇るなど、露骨に原子爆弾を連想させることから、こうした解釈を生んだ。悲惨な日本の戦後状況ばかりを示し、「被害者のふりをしている」という視線もある。戦争から生きて戻ってきた主人公「敷島」が、ゴジラに向かって爆弾を積んだ飛行機で突進するシーンは、特攻隊の美化に見えるとも言う。
だが、反対意見も少なくない。1950年代に始まった「ゴジラ」シリーズそのものが反戦メッセージを込めている流れを踏まえて見るべき、という。もともと、核実験の副作用で誕生したゴジラは「核」や「災厄」「戦争の恐怖」を象徴するものと解釈されてきた。その恐怖に打ち勝って「生き続けろ」というのが映画の主題だというのだ。「日本政府は戦争当時、軍人の生命を軽視した」というせりふが出てきて、民間人が力を合わせてゴジラに勝つという点から、政府批判映画だという分析もある。特攻隊の美化ではなく、戦争の影から抜け出せなかった生存者の再生を描いてみせるものだという反論だ。
キム・ミンジョン記者
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/06/18/2024061880126.html
いつもより鈍るニダ。」との書込みが秀逸。