イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

これで終わった年末年始、疑問が残った不況下のクリスマス

2023年01月19日 09時33分52秒 | 英国の、生活のひとコマ

火曜日に撮った写真です。

1月17日に、クリスマス後初出勤してきてクリスマスの飾りを片付けるチャリティショップ、オックスファム Oxfam の店長です。

伝統的なクリスマス飾り片付け日は1月6日なのですが、その前後の週末に片付ける家庭が多いのではないでしょうか。

1月の半ばまでかなりド派手な飾りを残しておくのはちょっとだらしないことだと思われています。商業施設ならなおさら!

私たちボランティアは、店長の3週間の休暇中にも時々出てきて店を開け続けていました。

1月6日に出てきた私ともう一人の年配の女性の2人で何とか手の届く位置の飾りはおろしたのですが、ハシゴの上まで登らなければ届かない、壁を横切る「ストリーマー streamer」や、取り下ろしているところが写真に写っている「シャンデリーア chandelier」はそのままにしておきました。

その女性の旦那さんは雨どいの修理をしていた時ハシゴから落ちてろっ骨を折ったそうです。私がハシゴの2段目以上上に上がるのを必死でとめました。

高いところの作業はその翌日にやってくることになっていた背の高い男性のボランティアにやってもらうことにしました。でも、その人は来なかったらしく、けっきょく1月の17日まで残ってしまったのです。

 

 

チャリティショップは、一般の人から寄付された不用品を売って、売り上げを慈善事業の基金として利用する、セカンドハンド・ショップです。日本ではリサイクルショップとよんでいますね。

私がボランティアでお手伝いしているオックスファムは発展途上国への援助活動に特化した慈善団体です。

 

...とにかく私もやっとこれでクリスマス/お正月(年末年始)は終わりだという実感がわきました。

 

クリスマス後の最初の2週間は例年通りものすごい数の寄付品で店の奥の廊下と、2階のオフィス、収納スペース、休憩スペースまでもが身動きもとれないほど埋め尽くされました。

国内で販売できないような状態が悪い衣類は発展途上国や難民キャンプへの支援品として活用しますし、繊維をほぐしてリサイクルする団体にもかなりの数を下げ渡します。

他にもかなりの量のガラクタを店の裏の建設現場にそなえつける廃材入れ(スキップ skip)に投げ込まざるを得ません。そうして私たちが作業できるスペースが少しずつ確保されてきました。

クリスマス前に売れ残った「クリスマス対象商品」の多くは今年のクリスマス前に再び店頭に出すために一年近くしまい込まれることになります。

大量の寄付品に正当な値段をつけ、衣類のしわを伸ばすためのスチームがけや陶器類の洗浄など見栄えをよくするための商品のメインテナンスを終え、店頭に出し揃えるには店長復帰後1週間はかかるでしょう。

 

英国では新年早々に「断捨離行為 」declutter を決行する人が多いようです。日本では年末までにそういうゴタゴタを終わらせてスッキリ新年を迎えたいという人が圧倒的に多いのではないでしょうか。

英国の場合、「新年の抱負 New year's resolution 」として、「心機一転フレッシュなスタートを切る」ことにこだわる人が多いのと関係あるのかもしれません。

 

それより、クリスマスプレゼントに大量にもらってしまった新品の不用品を寄付する人が何と多いことか!

クリスマス後に決行される一年で最大のセール、ジャヌアリー・セールでモノを買い込んだ人たちが家からあふれ出た古い品物を処分するために寄付することもあるでしょう。

 

昨日のニュースでは国民の40%近くの人がクリスマスの買い物を「分割払い」にしたらしいことを報道していました。

今回のクリスマス負債を何年にもわたって返済することになる家庭も少なくないそうです。

不況なのに、借金をしてまでプレゼントを買う...(!)不況だからこそ景気よく一回限りの消費で憂さを晴らす(クリスマスなんだからいいじゃないか!)という考えもあるそうですし、子供がいたらプレゼントの出費は避けられないと言います。

クリスマスの頃には毎年、皆が楽しくにぎやかに過ごす時期に喪失感や孤独を感じる人がひじょうに多くいるようです。

少なくともクリスマスが終わるまで、その気持ちを表に出さない人も大勢いると聞いています。出費にまつわるプレッシャーは例年話題になるのですが、2022年のクリスマスは不況とインフレのため、より多くの人が負担をストレスに感じたようなのです

もらってすぐに、チャリティ・ショップに寄付するようないらないものを贈り合う悪習!不況なのに!

...おかげでチャリティショップの財源は潤い、より多くのアフリカの子供たちが学校に行けるようになる...いいことだ!

いえ、やっぱり疑問が残る不況時の大量消費社会...。

 

啓発本というのか、自助本 Self-help books ですね、「何とかしなきゃ!」と思っている時に手にとらせる本はやっぱり表紙にインパクトのある文言(題名)がドンとのっていることが多いです。

クリスマス前に、私が選んでかってにディスプレイ・スタンドにたてて写真を撮りました。

 

 

 

コメント (1)
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