国際色豊かなテイカウェイ take-away (デリバリーも請け負っていることが多い持ち帰り専門)レストランが軒を並べる国道A6で夜、撮りました。
2週間前、マンチェスターからいっしょに帰ってきた息子が、おりたバス停の向かいにこの店を見つけて嬉しそうにスマートフォンで写真を撮りました。お友達に送ったようです。
「WTF?」中近東からの移民家族がやっているような、ケバブ、ピザ、バーガー屋の屋号です。横に小さくWhat The Food と正式名が書かれています。
あざといです。
WTF はかつてテクスト(文字メッセージ)専用に使われ出した、非常によく知られた略語です。What the F**k と言えばおわかりでしょうか。
スマートフォンが普及する前に日本ではおなじみだったっという「ガラケー」なるものが存在しなかった英国(というか、日本以外の国)では、電話回線を使った、通話より安い(契約によっては無料)文字メッセージを携帯電話で送り合うのがとても盛んでした。なつかしいです!
スマートフォンや「ガラケー」と違い、利用頻度の高い単語が先回りして出てくることもなく、一字ずつ文字を打って単語をつづるのは大変な手間でした!...というわけで、独自の略語がとてもたくさん定着したのです。
WTFは現在も生き残って、文字チャットやソーシャルメディアで頻繁に使われている略語のひとつです。スマートフォンだったら「wha」あたりまでタイプしたら最後まで先回りしてだしてくれるんですけどね、略語だから通じるニュアンスがあるのです。lol (たいてい小文字で)laughing out loud =大笑い も然り。
意味は..「なに~?!」とか「ウソ―!」とか今なら「マジ?」と言った(あまり好ましくない)驚きや時には「知るか!」のような憤慨を表現するフレーズです。
Fで始まるキタナイ言葉が入っているわりには WTF と略語でいえばあまり攻撃的にも下品にも響きません。
...でこのケバブ屋の屋号ですが、品の悪いフレーズを連想させて本来キタナイ言葉であるはずの F が FOOD の略だなんてなかなか言葉遊びがうまい!と思われましたか。
このお店のオリジナルではないことは予想がついていましたが、検索してみたらこの名前のテイカウェイ・ショップや食品店は英国全土にとてもたくさんあることがわかりました。
下品な響きで人目を引いてしかもアイデアは二番煎じ!はずかし~!食べ物屋は味で勝負しろ!
息子が外から写真を撮っていたら、中で調理をしていた店の人が嬉しそうに手を振ってくれました。
30年ぐらい前の英国では人が写っても写らなくても、店の外の写真を撮ったりしていると店の人が出てきて「目的は何ですか」などと必ず問い詰められたものなのですが!現在では全く違いますね。「今の人、インスタグラムにでも投稿してくれたらいいのにな。僕の店が評判になっちゃう♪」などと喜んでいたに違いありません。
息子に「これぜんぜん面白くないけど?」と言った私ですが、数日後同じバス停を利用して夜、マンチェスターから再度帰宅する際、私も上の写真を撮りました。
ストックポート日報 に書くこの話題を思いついたものですから。
7月に行った、バルセロナの息子が住んでいる通りにあったレストランです。
国際観光地バルセロナのお下劣なイメージを凝縮した屋号です。この写真を撮っていたら夫と息子に「ぜんぜんおもしろくないよ」とイヤな顔をされました。おもしろくないのはわかっていますが!
「おもしろい」と思って入ってみたくなる人がいるのも信じられないのですが。