ちょっと前になりますが、某大会に審判として参加していた時の話です。
主審をしたていたところ、青の小学生の男児が上段蹴りを取られ、私が「赤 上段蹴り 一本」とコールした直後に泣き始めました。
蹴りはメンホーに当たったものの、コツンと当たった程度。
頭部や頸部には全くダメージはありません。
泣き方が激しくなり、荒い呼吸が始まります。
近くで見ると明らかに過呼吸の症状。
ドクターの席を見ると、他のコートでの負傷選手を処置中。
あなたなら、どうしますか?
真っ先に思い浮かべるのが、紙袋を口に当てる『パーパーバッグ法』でしょう。
過呼吸(過呼吸症候群) = 精神的なプレッシャーや極度のストレスなどの原因により、呼吸が荒くなり倒れてしまう。
激しい呼吸により血液中の二酸化炭素が不足するからです。
二酸化炭素が不足すると頭痛、しびれ、筋肉の硬直などの症状を引き起こします。
だから紙袋を口に当て、自分の吐いた息をまた吸って二酸化炭素の濃度をあげる。って正解みたいですよね。
でも、それと同時に血液中の酸素濃度も下げてしまうケースもあります。いわゆる酸欠です。
まして、身近に紙袋なんて置いてないから、ビニール袋を代用すると思います。
ビニール袋だと密着性もあり、酸欠になりやすいです。
では、対処法ですが
① 息を吐くことを意識
② 「吸う:吐く」が1:2になるくらいの割合で呼吸する
③ 1回の呼吸で10秒くらいかけて吐く(息を吐く前に1~2秒くらい息を止めるくらいがベター)
④ 胸や背中をゆっくり押して、呼吸をゆっくりするように促す
※NHKホームページより
さて最初に話した大会の話に戻りますが、過呼吸の男の子の背中に手を当て、「ゆっくり息をしてごらん」と指示しました。
すぐに呼吸は改善し、試合も再開。
試合後にコート長に呼ばれて、「安易に選手に触れないように」と注意されました。
ごもっともな忠告です
ま、結果オーライでご勘弁を!