古文書を読もう!「水前寺古文書の会」は熊本新老人の会のサークルとして開設、『東海道中膝栗毛』など版本を読んでいます。

これから古文書に挑戦したい方のための読み合わせ会です。また独学希望の方にはメール会員制度もあります。初心者向け教室です。

往生院の芭蕉句碑    道はたの木槿は馬に食はれけり

2017-06-18 17:16:20 | 日記

表記がおかしい!!??

 「道のへの木槿は馬に食はれけり」というのが諸書にある表記ですが、ここでは「道はたの木槿は馬に」となっています。ミチノヘとミチハタ意味的に差違はなく、句としての優劣もつけられないと思いますが、なぜここではミチハタと刻まれたのか、そこに興味をそそられます。

 11月に「城下町を歩く会」の3回目をやるのでその下調べのために往生院を訪ねました。

 

 句碑建立の目的と建立者の氏名建立時期とが裏面に刻まれているはずですが、摩滅のために判読困難、わずかに建立時期のみ読み取れました。

  于時安永十年辛丑春二月 東都

 これは甲子吟行にある句。ずいぶん人口に膾炙した句でパロディまで作られました。

  煮売屋の柱は馬に食はれけり

 建立者が勝手に表記を変更するなど考えられないことですから、これは当初から併存していた句体と思われます。芭蕉が詠んだ時の原稿だったとも考えられます。

 それにしてもこれほどの観光資源を案内板も出さずに放置しているお寺は現今珍しいのでは・・