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金融緩和否定論者の「正体」 円安進行に「国力低下」の見方は妥当か 雇用を無視しデフレ・円高を肯定する引き締め、緊縮至上主義者

2022年10月29日 20時19分48秒 | 全般

以下は今しがた発見した高橋洋一(嘉悦大)氏のツイートからである。
@YoichiTakahashi

見出し以外の文中強調は私。
【日本の解き方】
金融緩和否定論者の「正体」 円安進行に「国力低下」の見方は妥当か 雇用を無視しデフレ・円高を肯定する引き締め、緊縮至上主義者 

円安の進行を受けて、「国力低下の反映」「日本が安い国になった」など、金融緩和政策を否定的にみる論調が増えてきている。
こうした見方は妥当なのか。

為替は二国間の通貨の交換比率なので、自由な資本移動の下で変動相場制であれば、基本的には二国のマネー総量の比になる。
つまり、為替は二国間の金融政策の差というわけだ。
それを「国力低下」などと情緒的に表現するだけでお里が知れる。


マネーの伸びと名目経済成長はかなり関係している。
バブル崩壊前、日本のマネーの伸びはそこそこで、経済成長も良かった。
1984~93年の統計数字をいえば、世界142カ国で相関係数(1が最大)は0・94。
日本のマネーの伸びは小さい方から26位、成長率は25位と、先進国の中では立派な成績だった。


しかし、マスコミはバブルを悪いものとしていた。
そして、マスコミに押されて、バブル潰しのために金融引き締めをして、それが正しいと思い込んだ日銀は引き締めを継続した。


その結果、1994~2013年、世界171カ国で相関係数0・79、日本はマネーの伸びも成長率も小さい方から数えて1位。
マネーの伸びも成長も世界でビリになってしまった。


ちなみに、日本のマネーの伸びが低いと、モノの量はマネーと比べて相対的に多くなり、その結果、モノの価値が下がり、デフレになりがちだ。
バブル潰しの結果、金融引き締めを継続したことが、デフレの原因だといえる。


アベノミクスは、それを是正するものだった。
マネーの伸びは世界ビリから脱出したが、まだ十分とは言えない。
ちなみに、13~21年で世界160カ国で相関係数0・88、マネーの伸びは小さい方から数えて15位、成長率は同13位だった。
先進国の中ではそこそこの数字だが、かつてには及ばない。


日本のマネーの伸びは、他国のマネーの伸びに比べて低くなるので、結果として円の他国通貨に対する相対量が少なくなり、円高に振れがちだ。
バブル以降、デフレと円高が一緒だったのは、マネーの伸びが少なかったことが根本原因だ。


国内総生産(GDP)をドル換算し、日本のランキングが下がったことで「日本は安い国」といい、円安を悪いものとして煽る論調もある。
しかし、これまでの円高・デフレで成長が阻害された結果を表していると見たほうがいい。


金融緩和否定論者は、結局デフレ・円高論者でもある。
そうした人たちは、金融政策が雇用政策であることも無視して雇用にも配慮がない。
デフレや円高では苦しむ人が多くなり、国民全体の給与を意味するGDPも縮小気味だが、勝てる人も一握りいる。
勝者は、苦しむのは能力のせいだと主張しがちだ。

問題なのは、官僚、学者、マスコミにもそうしたトンデモな考え方の人が少なくないことだ。
かつて金融引き締め志向の日銀や緊縮財政至上主義の財務省が背後にいた。
今でも、それらの引き締め、緊縮志向の人が多い。
それが金融緩和否定論者の正体だ。 

(元内閣参事官・嘉悦大教授)




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