2020/2/21
以下は今日の産経新聞「正論」に、日本は中国の友か贖罪の山羊か、と題して掲載された東京国際大学教授村井友秀の論文からの続きである。
*それにしても思うのは、こんな連中に与して国際社会において日本国と国民の名誉と信用を甚だしく毀損し続けてきただけではなく人類史上最大の莫大な額の援助金を、中国と、その同類である韓国に日本国民の血と汗と涙の結晶である税金を投下させ続けてきた朝日新聞等とNHKや、もはや彼らの代理人であると言っても過言ではない立憲民主党などの野党の政治屋達と、所謂文化人達の馬鹿さ加減と悪質さは極まっている。*
交錯する反日と経済援助
1980年代木、天安門事件(89年)に象徴されるように共産党統治の矛盾が目立つようになり、中国共産党は資本主義経済と矛盾する共産主義よりも、全国民が同意できる愛国主義を強調するようになった。愛国主義の要点は「全国人民共同の精神的支柱」であり、抗日戦争がその役割を果たした。
「日本の中国侵略戦争は中国人民に空前の災難と損失をもたらし、日本侵略者が犯した罪は歴史上もっとも野蛮で残酷な一頁である」という教育が徹底された。
21世紀に入ると、中国共産党は経済改革をさらに進めるために日本との経済関係を重視するようになった。
そのために「歴史問題」を対日外交の正面から外し日本との関係を改善することが中国の国益であるとの論文も発表されるようになった(時殷弘「中日接近と外交革命」)」。
この時期の中国政府の対日批判は抑制的であった。
しかし、2010年に中国のGDP(国内総生産)が日本を追い抜くと経済の為に日本批判を控えるという主張が力を失い、日本を軽視する風潮が広まった。
他方、経済発展に伴って貧富の差が大きくなり共産主義との矛盾が拡大する中で、国民の不満を外国に向ける政策が取られるようになり、国民の敵意の対象として日本が槍玉に挙げられた。
14年には、9月3日を「中国人民抗日戦争勝利記念日」に、12月13日を「南京大虐殺殉難者国家記念日」に制定した。
味方を増やし敵を減らす
現在の中国の対日戦略は、「統一戦線」戦略と「贖罪のヤギ(山羊)」戦略で説明できる。
「贖罪のヤギ」戦略とは、政府に対する国民の不満が高まったとき、国民の不満が政府に向かうことを避けるために国外に問題(贖罪のヤギ)を作り出して、国民の不満が向かう方向を政府から逸らせることである。
「統一戦線」戦略とは、できるだけ味方を増やし、同時に敵の数を減らすことである。
「歴史問題」教育によって多くの中国人が嫌っている日本は、国民の不満を転嫁する標的として相応しいが、現在の中国は日本を「贖罪のヤギ」にするよりも、共産党政権の維持に深刻な打撃を与える米中貿易戦争に対応する「統一戦線」戦略を優先している。
米国を敵とする「統一戦線」戦駱の当面の戦術は、中国の味方を増やすことである。
米国の同盟国の中で最大の経済力を持ち、中国の世論工作に弱い日本は「統一戦線」戦略の第一の標的である。
日本を「贖罪のヤギ」として叩くことを中断し、日本を中国側に引き寄せる「日本は良い国」作戦は世論戦で成果を上げているように見える。
しかし、米中対立が一段落すれば、また対日関係を緊張させる「贖罪のヤギ」戦略が前面に出てくるだろう。
(むらい ともひで)
以下は今日の産経新聞「正論」に、日本は中国の友か贖罪の山羊か、と題して掲載された東京国際大学教授村井友秀の論文からの続きである。
*それにしても思うのは、こんな連中に与して国際社会において日本国と国民の名誉と信用を甚だしく毀損し続けてきただけではなく人類史上最大の莫大な額の援助金を、中国と、その同類である韓国に日本国民の血と汗と涙の結晶である税金を投下させ続けてきた朝日新聞等とNHKや、もはや彼らの代理人であると言っても過言ではない立憲民主党などの野党の政治屋達と、所謂文化人達の馬鹿さ加減と悪質さは極まっている。*
交錯する反日と経済援助
1980年代木、天安門事件(89年)に象徴されるように共産党統治の矛盾が目立つようになり、中国共産党は資本主義経済と矛盾する共産主義よりも、全国民が同意できる愛国主義を強調するようになった。愛国主義の要点は「全国人民共同の精神的支柱」であり、抗日戦争がその役割を果たした。
「日本の中国侵略戦争は中国人民に空前の災難と損失をもたらし、日本侵略者が犯した罪は歴史上もっとも野蛮で残酷な一頁である」という教育が徹底された。
21世紀に入ると、中国共産党は経済改革をさらに進めるために日本との経済関係を重視するようになった。
そのために「歴史問題」を対日外交の正面から外し日本との関係を改善することが中国の国益であるとの論文も発表されるようになった(時殷弘「中日接近と外交革命」)」。
この時期の中国政府の対日批判は抑制的であった。
しかし、2010年に中国のGDP(国内総生産)が日本を追い抜くと経済の為に日本批判を控えるという主張が力を失い、日本を軽視する風潮が広まった。
他方、経済発展に伴って貧富の差が大きくなり共産主義との矛盾が拡大する中で、国民の不満を外国に向ける政策が取られるようになり、国民の敵意の対象として日本が槍玉に挙げられた。
14年には、9月3日を「中国人民抗日戦争勝利記念日」に、12月13日を「南京大虐殺殉難者国家記念日」に制定した。
味方を増やし敵を減らす
現在の中国の対日戦略は、「統一戦線」戦略と「贖罪のヤギ(山羊)」戦略で説明できる。
「贖罪のヤギ」戦略とは、政府に対する国民の不満が高まったとき、国民の不満が政府に向かうことを避けるために国外に問題(贖罪のヤギ)を作り出して、国民の不満が向かう方向を政府から逸らせることである。
「統一戦線」戦略とは、できるだけ味方を増やし、同時に敵の数を減らすことである。
「歴史問題」教育によって多くの中国人が嫌っている日本は、国民の不満を転嫁する標的として相応しいが、現在の中国は日本を「贖罪のヤギ」にするよりも、共産党政権の維持に深刻な打撃を与える米中貿易戦争に対応する「統一戦線」戦略を優先している。
米国を敵とする「統一戦線」戦駱の当面の戦術は、中国の味方を増やすことである。
米国の同盟国の中で最大の経済力を持ち、中国の世論工作に弱い日本は「統一戦線」戦略の第一の標的である。
日本を「贖罪のヤギ」として叩くことを中断し、日本を中国側に引き寄せる「日本は良い国」作戦は世論戦で成果を上げているように見える。
しかし、米中対立が一段落すれば、また対日関係を緊張させる「贖罪のヤギ」戦略が前面に出てくるだろう。
(むらい ともひで)