段々と境内の葉も落ちて冬の気配が増してゆく中、神社では本格的に年末年始の準備が始められつつあります。
先日このブログで触れました『かまじめ』もその一つです。
お正月用の神棚の一揃え、“かまじめ”
かまじめとは本来“竈〆”で、自宅の竈(かまど)を休め、竈の神様に感謝するという意味合いであったそうですが(写真中央の赤い御幣の付いた御札は台所、つまり竈の火の神様です)、今は正月の家の神様へ対する行事・礼事を総称して言うようです。
鈴鹿明神社では上の一揃えに新年の暦を加えたものを『かまじめ』として頒布していますが、この中の二つはお正月ならではのものですのでご紹介します。
これは『年神様(としがみさま)』と言います。“年”と付いていますがこれは“稔(ねん、みのり)”の字と通じているとされ、その年の豊かな実りを象徴する神様です。いわゆる門松も、この年神様を迎えるための依り代であるといわれています。
剣先型、と呼ばれる形をしていますが、神棚にお祀りするための御札です。
これは『晦日祓(みそかばらい)』と言います。
この晦日祓は神棚にお祀りするものではなく、私達神主がお祓いする時に用いる『大麻(おおぬさ)』を小さくしたものです。新年を迎えるに当たり、神棚とご家族の皆様をお祓いしてもらうためにかまじめの中に加えています。
年明けの後も神棚か玄関に置いておくことで、その家やご家族をお祓いするという役目があります。
神社の『大麻』
あと一月で年明けですが、一月は長いようで短いものです。神棚のことを含め、今の内に今年のやり残しを気にしてみてはいかがでしょうか。