神社神道には教義や戒律が無い、とはよくいわれるところです。その代わりというわけではありませんが、今に残る先人の和歌には、神道に通じるものが数多くあります。
たとえばこの二首。神社では「食前感謝」「食後感謝」として「いただきます」「ごちそうさま」の意味で詠まれることもあります。
“たなつ物 百(もも)の木草も天(あま)照らす 日の大神の恵み得てこそ”
“朝夕に もの食ふごとに豊受(とようけ)の 神の恵みを思え世の人”
またこれは「神道百首」という歌集の中のものですが、昔からの日本人の霊魂観を表していると言われています。
“日の本に 生れ出でにし益人(ますひと)は 神より出でて神に入るなり”
ほかにも「万葉集」など、神様そのものを詠んだものでなくとも枕詞や言い回し、自然を表現する言葉等は今の私達神主の祝詞にも使われているものが多くあります。
ちなみに社頭では、「まことの道」として神道に関する和歌を月替わりで紹介しています。ご興味のある方はどうぞ社務所までお越し下さい。