この数日間、鳥居から始まり手水、狛犬とそれぞれ更新させて頂きましたので本日はお参りする際にある賽銭箱と鈴についてお話致します。
賽銭の゛賽゛とは、もともと神様へのお礼を意味しております。ですので賽銭とは願いが叶った際に、日々の平穏を感謝する時に神様にお供えする金銭の事を表します。
しかし、今のように金銭をお供えするようになったのは、実はごく最近の事です。賽銭は古くは神前にまく゛散米゛や洗ったお米を紙に包んでお供えする゛おひねり゛でした。この散米が貨幣の流通に従って゛散銭゛になり、いつしか゛賽銭゛になっていったそうです。
また、鈴は古くから神秘的なものとして、神霊を招くものとして使われてきました。巫女が鈴を振りながら舞い、神霊を招いて神憑りとなって神の声を人々に伝えたり、災厄を祓ったりされていたそうです。
古語拾遺では天の岩屋戸にお隠れになった天照大御神の心を引くために天鈿女命が鈴をつけた矛をもって舞ったことが記載されております。
巫女が舞う際に用いる鈴
鳥居をくぐってから、本殿でお参りするに至るまで、何気なく通りすぎていたり意識せずに行っていた事の意味を知るといつもと同じ参拝が、普段とは異なった心持、景色になるのかもしれません。