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10月12日は新聞休刊日

2020-10-12 05:30:07 | 社説を読む
10月12日は新聞休刊日なので、昨日のコラムを紹介します。
 
・  釜でなくてもメシは炊ける。後に映画監督となる岡本喜八太平洋戦争勃発の年、ヤカンを手に上京した。これ一つでみそ汁も作り、コメも炊いた。やがてフィルムの空き缶が取って代わる。コメ1合にちょうどよかったという▼炊きたてのメシにバターをのせ、醤油(しょうゆ)をかけて食うのが最高のごちそうだったと岡本は書…

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・ 新型コロナウイルスの感染を恐れ、多くの人が巣ごもりしていた頃、買い物客でにぎわう場所があった。ホームセンターだ。花や野菜の種、腐葉土、植木鉢……。庭やベランダで育て、心を癒やしたい。そう思う人がたくさんいたのだろう
 
▲実りの秋。週末、東京郊外の田園で農作業に汗を流すのは農家の人ばかりではない。会社員やその家族が都心を離れ、収穫を楽しむ。大都市近郊で貸農園を営む企業は成長を続けている。希望の農地が空くのを待つ人も少なくない
 
▲ドイツではかつてクラインガルテンという社会運動が起きた。都市生活者が地方で農地を借り、耕すことを政府や自治体が後押しした。ロシアや英国でも同じような動きがあった。屋外での農作業は心身の健康につながる。貸農園が人気なのは、都会暮らしに疲れた人が増えたせいだろうか。コロナ禍がブームに拍車をかけている
 
▲コロナ禍は、産業の海外依存が行き過ぎることへの警鐘も鳴らした。見直さなければ、いつか食べ物も不足する心配がある。農への回帰は日本の食料自給に少しは貢献するかもしれない
 
▲山形県の農村出身の作家、藤沢周平は兼業農家についてこう記している。「この人たちは土地を経済効率だけではからず、土地に対する愛着を土台にして物を考えることが出来るだろう」
 
▲週末農業やベランダ栽培に通じる気がする。ポストコロナの時代には土を愛する人がもっと増えるに違いない。ベランダを彩る花々から、きょうも元気をもらえる。
 
・ 「だったら結婚しなくていい」。国会でこんなヤジが飛んだのは今年1月だった。野党議員が選択的夫婦別姓についてただしていたときである。放言がよく炎上する自民党の某女性議員が口走ったとみられるが、特定には至らず、そのうち世の中はコロナ一色となった。

▼危機の時代は、しかしさまざまな「常識」を覆している。選択別姓問題をめぐり、政府や与党の物言いに微妙な変化が出てきたのもそのせいだろうか。おとといは橋本聖子

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・ 飼い犬のお供をする朝の散歩道に、とりどりの木が植わった緑道がある。この季節は、マスク越しにふわりと鼻をくすぐる香りによく出合う。十字にほどけた金木犀(きんもくせい)の花が房をなし、辺りに漂わす秋の香りである。

 ▼近づくほどに芳香は遠ざかり、数歩下がるとまた鼻の周りを訪ねてくる。香気がいくつかの塊となり、群れる空間があるらしい。くさぐさの花は色や形で人々の目を楽しませ、季節の移ろいを教える。それらとは一線を画し、わが道を行く花と言えるかもしれない。

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・  「楠公飯(なんこうめし)」とは楠木正成が考案したと伝わる節米法で、戦争中、食料不足を補うため奨励されたと聞く
 
▼玄米を炒(い)り、通常より三倍の水に一晩漬けた上で炊く。炒った玄米は水分を吸収して、一升分が三升釜いっぱいに炊き上がるそうだ
 
▼戦争中の暮らしを描いたアニメ「この世界の片隅に」の中ですずさんが作った楠公飯のお弁当はおいしそうだったが、実際はひどい味だったらしい。演出家の鴨下信一さんによると「どうにも苦く、一度でわが家の食卓から消えた覚えがある」(『誰も「戦後」を覚えていない』)
 
▼厳しい食料事情の中での知恵だが、わずかにでも玄米があるから初めて使える。それさえ、手に入らない場所には誰かが出向いて届けなければならぬ。今年のノーベル平和賞はその活動を行ってきた人たちに与えられる。国連の世界食糧計画(WFP)である
 
▼飢餓、貧困。世界が今なお抱える問題に対し、最前線で立ち向かうWFPの取り組みは平和賞にふさわしい。とりわけ、コロナ禍によって食料輸送が難しく、飢餓人口の増加が著しい今年である
 
▼WFPの青い旗。小麦とトウモロコシを人の手が強く握りしめている。穀物を飢えに苦しむ人に何としても手渡したい。そんな決意がこめられているのだろう。その活動を支え、協力したい。日本人がおなかをすかしていたのも、それほど遠い昔の話ではない。
 
※ かつてはログインしなくても読めたのですが、今は2紙のみとなってしまいました。
やむを得ないのかな・・・・

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