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哲学入門56 フロム 自由からの逃走

2019-03-15 05:23:17 | 哲学の窓
白坂慎太郎先生の哲学入門

第56回、フロム 自由からの逃走 です。
 ここから https://www.youtube.com/watch?v=2ePnlf4ctFg

フロム(Erich Fromm)(1900年 - 1980年)は米国の精神分析学者・社会思想家です。ドイツの生まれで1934年に米国へ亡命。新フロイト派の代表者の一人で、社会的性格論を展開します。著「自由からの逃走」など。

新フロイト派とは、フロイトの学説を基本的に認めながら、社会的、文化的要因を重視して精神分析に修正を加えようとした一派です。
米国で発達し、ホーナイ、フロム、サリバンなどがその代表者です。

マルクスの外とフロイトの内を結びつけたような思想です。

フロムは、ファシズムを生み出した大衆心理について優れた分析を行いました。

人は自由を獲得しましたが、その孤独感、無料感に堪えきれず、かえって力強く自分を導く権威への服従を求めるようになったのです。
オンリーワンに耐えきれるだけの意志の強さ(自我)がないと、自由から逃げるようとするのです。わかります。
他者と独立・対等の関係を結ぶことができず、服従と支配の関係に安住しようとするのです。

自我が未熟な人々を飲み込んだのが、ナチスです。
大衆は、自己を犠牲にする一方、ユダヤ人を迫害し、自らの劣等感を解消しようとしたのです。

江戸時代の被差別の構造に似ています。

フロムは、ナチズムに従った社会的性格を権威主義的性格と名付けました。

そこで、主体的に自己の行為を選択する積極的な自由の重要性を説いたのです。
自我の確立を説いたのです。

次回はハーバマスです。




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