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12月27日の社説は・・・

2014-12-27 05:27:53 | 社説を読む
日本郵政の株式上場が並ぶか。

今朝の社説を見てみましょう。

朝日新聞
・ 難民の認定―責任を果たす制度を
・ 日本郵政上場―将来の具体像を示せ

読売新聞
・ 郵政3社上場へ 市場に評価される将来像示せ(2014年12月27日)
・ 2014回顧・日本 災害への備えを問われた1年(2014年12月27日)

毎日新聞
・ 郵政の上場計画 経営改革を加速させよ NEW (2014年12月27日)
・ STAP不正 科学研究の原点に戻れ NEW (2014年12月27日)

日本経済新聞
・ 郵政は上場後の将来像を投資家に示せ
・ STAPが問う理研の責任

産経新聞
・ 朝日社長会見 日本の尊厳回復どう図る
・ 地方創生 地域の「覚悟」が試される

中日新聞
・ ドイツの決算 アフガン派兵代償高く
・ 登山届条例 山のマナーにしたい

※ 4社が郵政上場を取り上げました。 

朝日です。
「政府が100%保有する日本郵政株が来年度、売り出される見通しになった。郵政民営化計画の一環である。しかし、まだ郵政グループの将来像には不確かな点が多い。政治に翻弄(ほんろう)されてきた郵政民営化をどう着地させるのか、政府は早急に具体像を示すべきだ。」

「問題は、郵便事業は電子メールの普及で経営が厳しく赤字続きで、グループの収益の大半を金融2社が稼いでいることだ。親会社の日本郵政だけを上場させようとしても、将来、金融2社を手放すことが決まっているため、稼ぎ手から切り離された日本郵政にどれだけの価値があるのか判断できないのだ。」

「政府は現在、郵便・金融ともに全国一律の「ユニバーサルサービス」を日本郵政に義務づけている。その費用を、上場した後も郵政グループ内で負担するのが適正なのか。議論の残るところだ。」

「グループの収益を担う金融2社の改革も喫緊の課題だ。郵政民営化の狙いの一つは、肥大化した公的金融の縮小だった。しかし今もゆうちょ、かんぽ合計で資産規模は約300兆円と、メガバンクや大手保険会社を大きく上回る。その巨額の資金の7割を国債で運用している。」


読売です。
「日本郵政の純資産額は14兆円に近く、1998年のNTTドコモ以来の大型上場になると見られている。異例の「親子同時上場」に、市場や投資家の関心は高い。混乱を招かぬよう、政府と日本郵政は万全を期してもらいたい。」

「金融2社が完全民営化すると、日本郵政は有力な収益源を失う。全国の郵便局で、郵便と基本的な金融・保険サービスをあまねく提供する義務を果たすのにも、支障が出ないだろうか。」


毎日です。
「小泉純一郎内閣時代の2005年10月に郵政民営化法が成立して10年目にして、ようやく民営化の仕上げ段階に入る。」

「日本郵政は、時の政権の意向が経営方針や人事に色濃く反映され、翻弄(ほんろう)されてきた。政治の介入に終止符を打つためにも、株式売却を進めて国の関与を薄め、投資家の厳しい目にさらされることが必要だ。」

「金融2社は上場後、国債中心の資産運用から、収益の柱を広げるため、住宅ローンや中小企業向け融資といった新規業務への参入を目指す。また、貯金や保険の限度額見直しも求め、収益向上を狙う。しかし、金融業界を取り巻く環境はこの10年で様変わりし、競争は激しさを増している。新規事業が認可されても、そこで大きく稼げる保証はない。」

「電子メールの拡大で、郵便事業はじり貧だ。日本郵便は、インターネット通信販売の普及で成長が見込まれる物流企業に脱皮すべく拠点への設備投資を進めている。だが、こちらも業界内の競争は激しく、採算性の確保は簡単ではない。」


日経です。
「投資家の視点から、上場計画にはいくつか疑問がある。

 まず、日本郵政の将来像が不明確だ。ゆうちょ銀とかんぽ生命の合計経常利益はグループ全体の9割超を占める。改正郵政民営化法の定めに従い金融2社の株式が全株売却されると、政府が3分の1超を保有し続ける日本郵政の傘下には収益力の弱い郵便事業しか残らないことになる。

 金融2社が連結対象から外れたあとも日本郵政は両社と関係を保ち、郵便局で金融サービスを続けるとみられる。日本郵政が2社の株式を売却して得る資金の有効活用策も焦点となる。」

「そもそも郵政上場は官営の金融事業を民営化し、民間の銀行や保険会社との競争条件を適正化することが目的の1つだった。

 郵政グループが成長戦略を進めるためにも、政府の関与を弱め、経営評価を市場に完全に委ねるようにすることが欠かせない。」


 ニュアンスは違いますが、ほぼ同主旨の内容です。

 結局、赤字続きの郵便事業をどうするかです。

 宅配業者がメール便等で参入し、利益率の高い都市部の顧客を奪ってしまいました。
 郵便は、全国一律の「ユニバーサルサービス」を義務づけられているため、過疎地域など、利益の上がらない地域の割合が増え、ますます赤字体質が強まりました。

 これでは、完全民営化は夢の夢です。

 日本の郵便事情は実に正確できめ細かく、世界からは驚異的に見られています。
 基本的にポストに入れれば安心。
 書留や重要書類では再配達も時間指定できます。

 そのすばらしさは、実は、金融・保険サービスの利益により成り立っているのです。

 今後切り離されたときに、郵便事業にどこまで求めてよいのか、難しいところです。

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