昨日は、ホテルアソシアおもしろ学校本年度2回目、三浦光俊先生の国語の授業を紹介しました。
「黒い目のきれいな女の子」
さて、みなさん。やってみましたか?
「黒い目のきれいな、女の子」黒い目がきれいという意味です。
「黒い目の、きれいな女の子」色が黒目の、きれいな女の子。やや黒っぽいこです。
「黒い目のきれいな女の、子」子は男の子かも?母の目が黒くてきれい。
「黒い目の、きれいな女の、子」子は男の子かも?母がきれい。
「黒い、目のきれいな女の、子」子は男の子かも?母は肌が黒くて、目がきれい。
「黒い目の、きれいな、女の子」母は黒っぽくてきれい。
「黒い目のきれいな、女の、子」母の子の目は黒くてきれい。
実は、まだまだあります。
おもしろ学校では、「の子」が名前だったり、「のき」「れいな」の二人の女の子が登場したりと、珍解答が続出でした。
次の俳句
A 米洗ふ 前に蛍が 二つ三つ
B 米洗ふ 前へ蛍が 二つ三つ
C 米洗ふ 前を蛍が 二つ三つ
助詞がたった一文字違うだけで、情景が変わってきます。
落合直文『将来の国文』に紹介されています。明治23年に「国民之友」に載せたもので、今では、山本正秀『近代文体形成資料 発生篇』p652-662で見ることが出来ると次のサイトに紹介されていました。
http://kotobakai.seesaa.net/article/8238775.html
引用します。
米洗ふ前に螢の二ツ三ツ
こはある有名なる俳諧師がものしたる句なり、この句を作り出てたる時、みつから大によろこび、当時の奇人香川景樹に示したりしに、景樹見て、いかにもおもしろし、されとその螢は死したるものと思はる、いかにと問ふ。俳諧師大にいかりてその故を詰る。景樹いふ、若し飛行するものならむには、[前に]を[前を]といはざるべからずと。こをきゝてその人大に悟るところありしよしものに見えたり。[に]といへば或一定の塲所をさし示す助辭にて、唯螢が前に落ちて動かずにある意なり。さるを[を]といへば「前を飛ぶ」「前を過ぐ」など、おのづから螢の飛び行くさまも見えて、全句浮動、あはれ、はじめて名吟ともいはるべきなり。
------引用終わり-------
「米洗ふ前に螢の二ツ三ツ」は、蛍が死んでいるというのです。昔は、米は朝一度炊くだけのことが多かったようです。薪の節約と、火災防止のためです。とすると、納得ですね。淋しい句なのです。
「米洗ふ前を螢の二ツ三ツ」生きている蛍を表現したければ、「を」の方がよいというのが香川景樹のアドバイスでした。これにも納得です。
日本語は、奥が深い…
「黒い目のきれいな女の子」
さて、みなさん。やってみましたか?
「黒い目のきれいな、女の子」黒い目がきれいという意味です。
「黒い目の、きれいな女の子」色が黒目の、きれいな女の子。やや黒っぽいこです。
「黒い目のきれいな女の、子」子は男の子かも?母の目が黒くてきれい。
「黒い目の、きれいな女の、子」子は男の子かも?母がきれい。
「黒い、目のきれいな女の、子」子は男の子かも?母は肌が黒くて、目がきれい。
「黒い目の、きれいな、女の子」母は黒っぽくてきれい。
「黒い目のきれいな、女の、子」母の子の目は黒くてきれい。
実は、まだまだあります。
おもしろ学校では、「の子」が名前だったり、「のき」「れいな」の二人の女の子が登場したりと、珍解答が続出でした。
次の俳句
A 米洗ふ 前に蛍が 二つ三つ
B 米洗ふ 前へ蛍が 二つ三つ
C 米洗ふ 前を蛍が 二つ三つ
助詞がたった一文字違うだけで、情景が変わってきます。
落合直文『将来の国文』に紹介されています。明治23年に「国民之友」に載せたもので、今では、山本正秀『近代文体形成資料 発生篇』p652-662で見ることが出来ると次のサイトに紹介されていました。
http://kotobakai.seesaa.net/article/8238775.html
引用します。
米洗ふ前に螢の二ツ三ツ
こはある有名なる俳諧師がものしたる句なり、この句を作り出てたる時、みつから大によろこび、当時の奇人香川景樹に示したりしに、景樹見て、いかにもおもしろし、されとその螢は死したるものと思はる、いかにと問ふ。俳諧師大にいかりてその故を詰る。景樹いふ、若し飛行するものならむには、[前に]を[前を]といはざるべからずと。こをきゝてその人大に悟るところありしよしものに見えたり。[に]といへば或一定の塲所をさし示す助辭にて、唯螢が前に落ちて動かずにある意なり。さるを[を]といへば「前を飛ぶ」「前を過ぐ」など、おのづから螢の飛び行くさまも見えて、全句浮動、あはれ、はじめて名吟ともいはるべきなり。
------引用終わり-------
「米洗ふ前に螢の二ツ三ツ」は、蛍が死んでいるというのです。昔は、米は朝一度炊くだけのことが多かったようです。薪の節約と、火災防止のためです。とすると、納得ですね。淋しい句なのです。
「米洗ふ前を螢の二ツ三ツ」生きている蛍を表現したければ、「を」の方がよいというのが香川景樹のアドバイスでした。これにも納得です。
日本語は、奥が深い…