日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
ペット(猫) ブログランキングへ
気まぐれ日記 ブログランキングへ
故事成語類(実践問題その32)です。引き続き、「
世説新語」から・・・。参考書籍:「世説新語(1~5)」(井波律子 訳注 東洋文庫・平凡社)
難易度:よみ=
易 かき=
易
(よみ)
①~②「・・・我れ今、①
(故) に 林公と来たりて相い看る。卿、常務を②
(擺撥) し、応対して共に言うを望む。・・・」 (注)常務:普段の仕事
③~④「 ・・・謝公の時、兵廝 ③
(逋亡) し、多くは近く南塘の下の諸舫中に ④
(竄) る (注)兵廝(へいし):兵士や人夫 南塘の下の諸舫:南塘の岸辺にならんでいる船 *廝:シ、めしつかい、こもの
⑤「・・・
(泓崢蕭瑟) として、実に言うべからず。・・・」
(かき)
①「
(ミョウソウ) に往き、未だ寤めざるに及び、便ち、「子慎」「子慎」と呼ぶ・・・」(注)
ミョウソウ:明朝の意。
②「・・・北人の看書は、顕処に月を視るが如し。南人の学問は、
(ユウチュウ) に日を窺うが如し・・・ 」
③「殷仲堪は玄論に
(セイカク) し、人は研究せざるなしと謂う・・・」 *玄論:哲学的宗教的な論議 *セイカク:精通すること
④「是こに於いて文武、奔馳し、
(シンシュ) の急に徇うが如し。・・・ 」 *文武:文武の役人 *
シンシュの急:生命の危機
⑤「・・・朝士悉く至り、皆な
(レントウ) に在りて坐す・・・」 *
レントウ:長椅子のこと<回答・解説>はこのあとすぐ(^^)


<回答・解説>
(読み問題)
①
(ことさら) :わざわざすること、あらためてすること 広辞苑では「殊更」。故:小学…コ 中学…ゆえ 準1…もと、
ことさら(に)、ふる(い) *もう少し前の文章から書かなかったので文意がわかりづらかったかもしれせんね・・・「ゆえに」と読んでしまっても仕方ないかも。「わざわざ会いに来た」という意味なので「ことさらに」なんです。
②
(はいはつ) :(払いのけて)仕事をやめること 擺:ハイ、ひら(く)、ふ(るう) 撥:ハチ、バチ、ハツ、は(ねる)、おさ(める)、かか(げる)、のぞ(く) *ちょっと本文とあまり関係ありませんが、朝鮮時代に、駅舎の中心で時を刻んできた時計塔は「擺撥馬」と呼ばれたそうです。また、「擺撥」とは辺鄙な場所に公文書を早く届けるために朝鮮時代に使われた通信手段であり、主に馬が使われたとありました。
③
(ほぼう) :逃亡すること。 逋:フ、ホ、に(げる)、のが(れる)、かく(れる)、おいめ
④
(かく) :竄:サン、ザン、かく(れる)、のが(れる)、に(げる)、あらた(める)、はな(す)
⑤
(おうそうしょうしつ) :水深く山けわしく静謐なさま
泓:オウ、ふか(い)、きよ(い)、ふち 崢:ソウ、たか(い)、けわ(しい) 蕭:ショウ、よもぎ、ものさび(しい)、しず(か) 瑟:シツ、おおごと *四字熟語みたいなものですね。一つの単語として覚えておいたほうが良いかも。なお、参考書籍では「こうそうしょうひつ」と振ってありますが、誤りと思います。
(書き問題)
①
(明蚤) :説明不要ですね。世説新語では「蚤」の字「はやい」という意味で良く使われていますね・・・。
②
(牖中) :「牖中に日を窺う」の成語は定番ですね・・・書けるかどうかだけですね。
③
(精覈) :覈:カク、しら(べる)、かんが(える)、あき(らかにする)、きび(しい)
④
(身首) :身首(しんしゅ):胴体と首。身首処を異にする=胴体と首とが別々になる 。首を切られることをいう。広辞苑には「身首」:「からだとくび」とだけしか載っていません・・・。慣用句的「身首の急」で覚えておきましょう。
⑤
(連榻) :略。あまり見かけない言葉ですね。
如何でしたか?ではまた👋👋👋