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熟語の読み・一字訓読(実践問題その10)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます・・・。
問題1 「勦」: ①勦討(ソウトウ) ー 勦( た )つ ②勦殄 (ソウテン) ー 勦(ほ ろ)ぼす ③勦襲(ソウシュウ) ー 勦(かすめと)る ④勦捷(ソウショウ) ー 勦(すばや)い
問題2 「裨」: ①裨補(ヒ ホ) ー 裨(おぎな)う ②裨将(ヒショウ) ー 裨(た す)ける 、(た す)け ③裨海(ヒカイ) ー 裨(ち い)さい ④裨販(ヒハン) ー 裨(い や)しい
問題3 「孱」: ①孱羸(センルイ) ー 孱(よ わ)い ②孱王(センオウ) ー 孱(お と)る ③孱顔(サンガン) ー孱(訓読み不明)
<解説(周辺知識)>
問題1 勦:ショウ、ソウ、た(つ)、ほろ(ぼす)、かすめと(る)、すばや(い)
①勦討:残らず払い除くこと。「掃討」に同じ。「 腐敗政治を―する」「―作戦」など・・・。「た(つ)」意の方が適当と判断。「ほろ(ぼす)」でも可でしょう・・・。
②勦殄:皆ごろしにして滅ぼしつくす。「勦尽(そうじん)」「勦絶(そうぜつ)」「勦除(そうじょ):征伐して取り除くこと。」なども同様の意。「た(つ)」でも可でしょう。
③勦襲:他人の説を自分の説にしてしまうこと。 「勦説(そうせつ)」と同じ。<礼記>に「勦説する毋れ、雷同する毋れ・・・」とある。
④勦捷:三国志呉書・孫策伝に「卿はよく坐して躍り、勦捷なること常ならざると聞き、聊か戯れるのみ・・・」とあるところから採りました。
(注)「剿:ソウ、ショウ、た(つ)、ほろ(ぼす)、かすめと(る)」も「勦」とほぼ同じですが、「剿」には「すばや(い)」の読みが無いですね。
問題2 裨:ヒ、おぎな(う)、たす(ける)、たす(け)、ちい(さい)、いや(しい)
①裨補:欠けているところを助け補うこと。
②裨将:偏・裨(ヘンピ)は、一方の将の意。「裨將・・・裨、相輔助也。又小也。」とあるの、「たすける」意と「ちいさい」意もあるかも。伝統的な将軍位で、偏・裨将軍は本来は最も低い位の将軍。通常は他の将軍の下に居る武将級のものが任命されるとの事。裨将軍は他の将軍の副将的なもので偏将軍は部隊指揮官が任命される由。*定番の「裨益」(助けとなり役立つこと)も「たすける」意ですね。
③裨海:「裨海、小海也。又邑名」とあり、「ちいさい」海と理解。また、「ヒカイ」と読みましたが、「裨海記遊(はいかいきゆう):「採硫日記」とも称され、清代の郁永河によって著された 17世紀の台湾を描写した地理書紀行文」・・・等、ネット上では多くが「ハイカイ」と読んでいます。納得いかず、やっと「裨海紀遊 郁永河著:臺灣銀行經濟研究室編 (臺灣文獻叢刊 / 臺灣銀行經濟研究室編輯 ・・・タイトル読み ヒカイ キユウ」を探し出しました・・・よって、私は「ヒカイ」と読みます。他の熟語もすべて音読みは「ヒ」だし・・・。他に、「裨王」(小王也、 若裨将然)」、
④裨販:いやしい物売り。小商人。また、人をいやしめていう語。
(周辺知識)「天子六服、大裘爲上、其餘爲裨、裨之爲言𤰞也、又 裨襦」、康煕字典に「裨冕、・・・大夫裨冕・・・裨冕:着裨衣、戴冕。・・・」等とあり、天子の「大裘」「衮冕」「冕服」に対する臣下の着衣の意味で「裨冕」「裨衣」などの用語が見えます。これらは「いやしい」意になるかもしれません・・・。
問題3 孱:セン、サン、よわ(い)、おと(る)
①孱羸:よわいさま。「孱弱(せんじゃく) 」も同意。他に、「孱王(せんおう):貧弱な王」、「孱夫(せんぷ):弱く臆病な男」、「孱孱(せんせん):軟弱で無力なさま」、「孱躯」など・・・なお、「孱王」には次の②の意もあると思います。
②孱王:「軟弱 无能的君王」とあったので「おと(る)」意もあると思い、②の問題としました。。他に、「孱弱」・「孱々」:( おとる、ちいさい意)、「孱愚」「老孱(老孱夫のことか・・・「地位低 详细」とある・・・」なども「おと(る)」に対応するのではないかと思います。
③孱顔:センガン?サンガン?よわい?おとる?
意味は大体、「そばだつけわしい山の面、高くそびえた山、山がやせほそって険しいさま、山の高いさま・・・」のようですが、「せんがん」と読むのか「さんがん」と読むのか、訓読みで「よわい」に該当するのか、「おとる」に該当するのか、良く分かりません・・・中国語関連の発音をみると「せんがん」でもOKなのかも・・・。また、訓ではどちらにも該当しそうになく、康煕字典に「・・・又與巉通。《司馬相如·大人賦》放散畔驤以孱顏。《註》孱顏,卽巉巖。《蘇軾詩》攝衣步孱顏。《註》山額曰顏。」とあることから、訓なら「けわしい」という意味にでも対応するのかもしれません・・・。当方としては「孱顔(さんがん):山がやせほそって人の顔のように高くかたどったところもある険しいさま」と理解するようにしています。なお、芭蕉の「幻住庵の記」(含む、注釈)でも「・・・睡癖(すいへき)山民と成って、孱顔(さんがん)に足を投げ出し、空山(くうざん)に虱(のみ)をひねって坐す・・・」とあり、「ボクちゃん」さんも「さんがん」と書かれていて「孱顔=巉巖ということで、顔←巖だけから来たものかと・・・」とされておられますので、大体、当方理解で良いのではないかと考えています。したがって、訓読みは対象内読みでは「該当なし」としています(それでも強いて選択するとしたら「よわい」かと・・・)。本件、理解不足な点や誤りがあれば、ぜひ、ご教示願いたいものです。
ではまた👋👋👋👋👋
熟語の読み・一字訓読(実践問題その10)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます・・・。
問題1 「勦」: ①勦討(ソウトウ) ー 勦( た )つ ②勦殄 (ソウテン) ー 勦(ほ ろ)ぼす ③勦襲(ソウシュウ) ー 勦(かすめと)る ④勦捷(ソウショウ) ー 勦(すばや)い
問題2 「裨」: ①裨補(ヒ ホ) ー 裨(おぎな)う ②裨将(ヒショウ) ー 裨(た す)ける 、(た す)け ③裨海(ヒカイ) ー 裨(ち い)さい ④裨販(ヒハン) ー 裨(い や)しい
問題3 「孱」: ①孱羸(センルイ) ー 孱(よ わ)い ②孱王(センオウ) ー 孱(お と)る ③孱顔(サンガン) ー孱(訓読み不明)
<解説(周辺知識)>
問題1 勦:ショウ、ソウ、た(つ)、ほろ(ぼす)、かすめと(る)、すばや(い)
①勦討:残らず払い除くこと。「掃討」に同じ。「 腐敗政治を―する」「―作戦」など・・・。「た(つ)」意の方が適当と判断。「ほろ(ぼす)」でも可でしょう・・・。
②勦殄:皆ごろしにして滅ぼしつくす。「勦尽(そうじん)」「勦絶(そうぜつ)」「勦除(そうじょ):征伐して取り除くこと。」なども同様の意。「た(つ)」でも可でしょう。
③勦襲:他人の説を自分の説にしてしまうこと。 「勦説(そうせつ)」と同じ。<礼記>に「勦説する毋れ、雷同する毋れ・・・」とある。
④勦捷:三国志呉書・孫策伝に「卿はよく坐して躍り、勦捷なること常ならざると聞き、聊か戯れるのみ・・・」とあるところから採りました。
(注)「剿:ソウ、ショウ、た(つ)、ほろ(ぼす)、かすめと(る)」も「勦」とほぼ同じですが、「剿」には「すばや(い)」の読みが無いですね。
問題2 裨:ヒ、おぎな(う)、たす(ける)、たす(け)、ちい(さい)、いや(しい)
①裨補:欠けているところを助け補うこと。
②裨将:偏・裨(ヘンピ)は、一方の将の意。「裨將・・・裨、相輔助也。又小也。」とあるの、「たすける」意と「ちいさい」意もあるかも。伝統的な将軍位で、偏・裨将軍は本来は最も低い位の将軍。通常は他の将軍の下に居る武将級のものが任命されるとの事。裨将軍は他の将軍の副将的なもので偏将軍は部隊指揮官が任命される由。*定番の「裨益」(助けとなり役立つこと)も「たすける」意ですね。
③裨海:「裨海、小海也。又邑名」とあり、「ちいさい」海と理解。また、「ヒカイ」と読みましたが、「裨海記遊(はいかいきゆう):「採硫日記」とも称され、清代の郁永河によって著された 17世紀の台湾を描写した地理書紀行文」・・・等、ネット上では多くが「ハイカイ」と読んでいます。納得いかず、やっと「裨海紀遊 郁永河著:臺灣銀行經濟研究室編 (臺灣文獻叢刊 / 臺灣銀行經濟研究室編輯 ・・・タイトル読み ヒカイ キユウ」を探し出しました・・・よって、私は「ヒカイ」と読みます。他の熟語もすべて音読みは「ヒ」だし・・・。他に、「裨王」(小王也、 若裨将然)」、
④裨販:いやしい物売り。小商人。また、人をいやしめていう語。
(周辺知識)「天子六服、大裘爲上、其餘爲裨、裨之爲言𤰞也、又 裨襦」、康煕字典に「裨冕、・・・大夫裨冕・・・裨冕:着裨衣、戴冕。・・・」等とあり、天子の「大裘」「衮冕」「冕服」に対する臣下の着衣の意味で「裨冕」「裨衣」などの用語が見えます。これらは「いやしい」意になるかもしれません・・・。
問題3 孱:セン、サン、よわ(い)、おと(る)
①孱羸:よわいさま。「孱弱(せんじゃく) 」も同意。他に、「孱王(せんおう):貧弱な王」、「孱夫(せんぷ):弱く臆病な男」、「孱孱(せんせん):軟弱で無力なさま」、「孱躯」など・・・なお、「孱王」には次の②の意もあると思います。
②孱王:「軟弱 无能的君王」とあったので「おと(る)」意もあると思い、②の問題としました。。他に、「孱弱」・「孱々」:( おとる、ちいさい意)、「孱愚」「老孱(老孱夫のことか・・・「地位低 详细」とある・・・」なども「おと(る)」に対応するのではないかと思います。
③孱顔:センガン?サンガン?よわい?おとる?
意味は大体、「そばだつけわしい山の面、高くそびえた山、山がやせほそって険しいさま、山の高いさま・・・」のようですが、「せんがん」と読むのか「さんがん」と読むのか、訓読みで「よわい」に該当するのか、「おとる」に該当するのか、良く分かりません・・・中国語関連の発音をみると「せんがん」でもOKなのかも・・・。また、訓ではどちらにも該当しそうになく、康煕字典に「・・・又與巉通。《司馬相如·大人賦》放散畔驤以孱顏。《註》孱顏,卽巉巖。《蘇軾詩》攝衣步孱顏。《註》山額曰顏。」とあることから、訓なら「けわしい」という意味にでも対応するのかもしれません・・・。当方としては「孱顔(さんがん):山がやせほそって人の顔のように高くかたどったところもある険しいさま」と理解するようにしています。なお、芭蕉の「幻住庵の記」(含む、注釈)でも「・・・睡癖(すいへき)山民と成って、孱顔(さんがん)に足を投げ出し、空山(くうざん)に虱(のみ)をひねって坐す・・・」とあり、「ボクちゃん」さんも「さんがん」と書かれていて「孱顔=巉巖ということで、顔←巖だけから来たものかと・・・」とされておられますので、大体、当方理解で良いのではないかと考えています。したがって、訓読みは対象内読みでは「該当なし」としています(それでも強いて選択するとしたら「よわい」かと・・・)。本件、理解不足な点や誤りがあれば、ぜひ、ご教示願いたいものです。
ではまた👋👋👋👋👋