


熟語の読み・一字訓読(実践問題その18)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。
問題1 「聊」 ①聊啾(リョウシュウ) ー 聊(みみな)り ②聊頼(リョウライ) - 聊(た よ)る ③無聊(ブリョウ) - 聊(た の)しむ ④聊爾(リョウジ) ー 聊(いささ)か
問題2 「聒」 ①(当て字・訓読みで)聒聒児(くつわむし) -聒(かまびす)しい ②聒聒(カツカツ) -聒(かまびす)しい 、聒(お ろ)か
問題3 「聘」 ①使聘(シヘイ) ー 聘( と )う ②聘問(ヘイモン) - 聘(おとずれ)る ③聘用(ヘイヨウ) ー 聘( め )す 、 聘(ま ね)く ④聘礼(ヘイレイ) - 聘(め と)る

<解説(周辺知識等)>
問題1 聊:リョウ、みみな(り)、たよ(る)、たの(しむ)、いささ(か)①聊啾:耳鳴りがする。また、よく聞こえないさま。古典において耳鳴りは「聊啾」ほかの記載があるようですが、現在はあまり使われていませんね。(参考)「聊啾: 基本解释:. 1.耳鸣。・・・本義:耳鳴・・・ 聊、耳鳴也。・・・(說文): 聊啾(耳鳴)」
②聊頼:頼みにすること。たよること。
③無聊:楽しまない。気持ちの晴れないこと。 「無聊を託つ」:「聊」とは楽しむ意。
④聊爾:しばらく。かりにする。その他「いいかげんであること。考えのないこと。また、そのさま。ぶしつけで失礼なこと。また、そのさま。軽率。うかつ。不作法。失礼なこと」など多義。もともとは世説新語に出てくる、竹林の七賢・阮咸の言葉「聊復爾耳(聊か復た爾るのみ)」からと思われます。「・・・未だ俗を免るる能わず、聊か復た爾るのみ(まだ俗気から抜け切ることができないので、ちょっとこうやってみただけ)・・・」、「聊」の字義の一:いささか。とりあえず。今しばらく。わりきれないままに。なんとはなしに。
(参考)中国の語句で「聊表寸心:心ばかりの祝い」を見つけました。この「聊」は「いささ(か)」に対応するのでしょうね。
問題2 聒:カツ、かまびす(しい)、おろ(か)
①聒聒児:クツワムシ。これも秋の季語らしい。他に、「かまびす(しい)」意の熟語:「絮聒(ジョカツ:口うるさくする)」「噪聒(ソウカツ:さわがしい、かまびすしい。)
②聒聒:人声や動物の鳴き声が大きく騒がしいさま。「聒聒、無知貌。鄭云:難告貌。正義曰:多言亂人之意」「「聒」はもともと「耳」+「昏」。「昏」は「昏暗」「暗い」「不明」という意味。「耳」+「昏」で「耳が暗い」というのは、「耳元が騒がしくて大事なことが聞こえないこと。そのため思考がまとまらないこと」→「やかましい」「うるさい」を意味する。篆文の後の隷書や行書では、この文字の意味を明確にするために「昏」が「舌」に置き換えられた。」との説明がネットにありました、この辺から類推すると、「おろか」の語源に繋がるかと・・・残念ながら、現時点、「聒聒」以外で「おろか」の意の熟語が見つかりません。
<大漢和辞典「聒聒:①無知なさま、②多言で人の意をみだすこと」とありましたので、「聒聒」:「おろか」の意でOKです。0924追記>
問題3 聘:ヘイ、と(う)、おとず(れる)、まね(く)、め(す)、めと(る)①使聘:使いをやって安否を問うこと。また、使者を派遣して、贈り物をすること。他に、「聘物(へうもつ):贈り物。進物。幣物(へいもつ)。」、「来聘:外国から使節が来朝して礼物を献じること。」←「おとずれる」意もあるか。
②聘問:進物をたずさえて訪問すること。
(参考)「朝聘(ちょうへい):諸侯が天子に朝見すること。」とありますが、「礼記」に「冠婚葬祭、射御朝聘」という言葉があります。射御は 、弓術と馬術。朝聘は、朝廷に貢ぎ物を献ささげること。いずれも古代の重要な儀礼。このうち、「朝聘」は朝覲(チョウキン)と聘問(ヘイモン)のことだと思いますので、「朝聘」の「聘」のほうは「おとずれる」意と考えます。
③聘用:礼を尽くして招き、取り立てて用いること。他に、「招聘:礼を尽くして人を招くこと。」、「重聘(ちょうへい):手厚く礼を尽くして招待すること。」、「傭聘(ようへい):礼を尽くして人を招くこと。」、「礼聘: 礼儀を尽くして人を招くこと。」
④聘礼:人を招くときの贈り物。 婚約のしるしに贈る物。結納の贈り物。結納を差し出して、正式に妻をめとる。また、その作法。*ここではの意味を採りました。
👋👋👋ではごきげんよお👋👋👋