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熟語の読み・一字訓読(実践問題その8)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます・・・。
問題1 「眷」: ①眷焉 (
ケンエン) ー 眷(
かえり)みる ②眷顧(
ケンコ) ー 眷(
な さ)け ③眷恋(
ケンレン) ー 眷(
こいした)う ④眷属・眷族(
ケンゾク) ー 眷(
みうち) ⑤寵眷(
チョウケン) ー 眷(
め ぐ)み
問題2 「槃」: ①承槃(
ショウハン) ー 槃(
たらい) ②考槃(
コウハン) ー 槃(
た の)しむ ③槃桓(
バンカン) ー 槃(
め ぐ)る ④槃散(
バンサン) ー 槃(
たちもとお)る
<解説(周辺知識)>
問題1
眷 :ケン、かえり(みる)、こいした(う)、めぐ(み)、なさ(け)、みうち
①眷焉:いつまでも気にしてかえりみるさま
=眷然(けんぜん)*他に、「
眷想(けんそう):かえりみて思う」「
眷眷(けんけん):いつも心にとめて回顧するさま)」なども「かえり(みる)」意に該当すると思います。
②眷顧:ふりかえりみる、情をかける *他に、「
顧眷(こけん):近くに置いてひいきにする、目を掛けて大切にする」「
眷眄(けんべん):目をかける」「
眷命(けんめい) 」(下記(注)参照)なども「なさ(け)」に対応・・・「めぐ(み)」の意もあるかも。
③眷恋:思い慕う、心に思っていつも忘れない、恋い焦がれること
④眷属・眷族:①血筋のつながっている者。一族の者。身内 の者。親族。② 従者。家来。配下の者。
⑤寵眷:寵愛して特別に目をかけること。寵遇。 *他に、「
眷遇(けんぐう):特別に目をかける、手厚くもてなす」「
眷接(けんせつ):目をかけて手厚く遇する」など。
(注)「
皇天眷命」という言葉があり、天が情をかけるという意味でも使われることから、「眷命」は「なさ(け)」に対応すると思います。天子が民を顧みて慈しみの言葉をかけるとの意もあるとの説明もあるので、場合によっては「かえり(みる)」にも該当するかも。
問題2
槃:ハン、バン、たらい、たの(しむ)、めぐ(る)、たちもとお(る) :「槃」とは、たらいという意味の字。また、サンスクリットの音訳にも使われる。また、(般と通じて)楽しむ等の意もある。
①承槃:下に受け台のあるたらいの意。*他に、「
槃盂(ばんう) 」=盤盂:平らな鉢
②考槃(こうはん):詩経の中に「考槃在澗 碩人之」(槃(たのしみ)を考(な)して澗に在り 碩人、之れたり:山中の谷間に居る楽しさ 賢者の心はゆたかに・・・)に始まる詩があり、「槃」は「たのしみ」との意。*他に、「
槃楽(ばんらく・はんらく) 」:あぐらをかいてゆったりする(たのしむ) *一般的には「ばんらく」と読んでいる模様・・・。
③槃桓 :槃(めぐ)り槃(たちもとお)るさま。巡り歩くこと。徘徊と同じ。また、ぐずぐずして先に進まないこと。
「盤桓・磐桓」とも書く。
「たちもとお(る)」の読みでも可か。
④槃散:よろめきながらさまよい行くこと。(参)「民家有躄者
槃散行汲:民家にはいざりの者がおり、よろめきながら水を汲みに行った」
<その他、「めぐる」「たちもとおる」に対応すると思われる熟語>
●
槃牙(ばんが)(=槃互(ばんご)=盤互(ばんご)):①互いに結びつく。互いに心をあわせて事にたちむかう。②物事が入り組み乱れる。わだかまる。③結託する。ぐるになる。
●槃根(ばんこん):曲がりくねった根の意(盤根)
<周辺知識①>「槃」と「盤」熟語で双方ともに使用可の場合もありますが、微妙に異なる場合もあります。以下、「盤」の字について少々説明を試みます。
「槃」:ハン、バン、たらい、たの(しむ)、めぐ(る)、たちもとお(る)
「盤」:中学…バン 準1…ハン、おおざら、めぐ(る)、ま(がる)、わだかま(る)
「わだかまる、曲がりくねる、めぐる」という意での「盤」:「盤踞」(ばんきょ)、「盤根(槃根)錯節」(ばんこんさくせつ)、「盤曲」(ばんきょく)、「盤屈」(ばんくつ)、「盤紆」(ばんう)、「盤牙」(ばんが)、「盤珊」(ばんさん)、「盤峙」(ばんじ)、「盤陀」(ばんだ)など。
「「おおざら、たらい」の意での「盤」:
「盤饌」(ばんせん)、「盤餐」(ばんさん)
(注)「盤峙」:下北半嶋史の中に「東通村岩屋の東に”盤峙”する長石蔵山海抜一三八一尺は岩屋、尻屋、尻労の三大字に跨る石灰岩の山である」とあります。他にこの熟語を説明してくれているものが見当たりません・・・でもなんとなくわかりますね。
*他に、
「盤纏」(ばんてん・はんてん):小遣いや旅費、たくわえ。例文:「貞固の・・・は僅に一分銀一つを 剰してゐたのである/渋江抽斎 鷗外」。
「盤陀石(ばんだいし)」:蘇軾の七言詩「金山寺に遊ぶ」の中にある「盤陀石(ばんだいし)」と名付けられた不思議な石のこと→石は平らな頭を少し出しているだけで深く埋められているともいわれており、この盤陀石と名付けられた石は磐座(いわくら)であった可能性が極めて高いと言われているらしいです。
「半田・盤陀(はんだ)」:(地名からとも人名からともいわれ、語の由来は不明らしい)スズと鉛の合金。金属の接合に用いる。
<周辺知識②>「涅槃(ねはん)」「槃特(はんどく)」・・・この場合の「槃」はサンスクリット語の音訳。
「涅槃」:煩悩を滅して真理を悟り知恵が完成する悟りの境地。 仏教の最終的な理想。釈迦の死のこと。
「槃特」:周利槃特(しゅり・ はんどく)のこと。釈迦の弟子の一人。修利(周陀、周梨)とも。また
、「槃特」で、愚鈍な人、おろか者の意。有名な成語
「槃特が愚痴 も文殊が知恵」 (愚者も修行に励めば、知者と同じように悟りを得るということ。)
ではまた👋👋👋👋👋