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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●1級チャレンジャー用の模擬試験問題(第3回)を作成してみました。(コメントをいただいたので予定より早めに手直しせずに配信できることになりました。)
●実力者のリピーターの方々にコメントをいただいたら、本試験と同等か、若干難程度のレベルのようです。チャレンジャーの方にとっても、少し難しい程度の、この模擬試験問題で本試験の雰囲気を味わいながら、訓練されてはいかがでしょうか・・・。もちろん、時間は60分厳守でやるように・・・。
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第3回>
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.狐裘
尨茸たり
2.君主の即位は
汚衊の上にあった
3.外より挙げて
仇讎(讐) を避けず
4.宮室は
崇侈にして、民力は凋尽す
5.その兵略は
黷武そのもの・・・
6.
衒耀のような悪癖はなく・・・
7.山巓迄
墾闢して畠となす
8.田の
淤塞する、処として見ざるはなし
9.刺撃をもって
運甓の戯れにかへる
10.
鋤犂を親らする
11.川口は
沙淤にして往々舟を傷つく
12.港に来りて
下碇す
13.郡吏の
貪涜を深く悪む
14.霊鳳胡為(なんす)れぞ
気羶を啄ばまんや
15.檻車
軋軋として東に向かいて去り・
16.
辺釁起る
17.婦は宜しく
針縷を佩ぶべし
18.
閭閻より興り、民事の艱難を知る
19.互いに
攻訐する様にては宜しからざる
20.公誠に
鳳騫せるならん
21.灰を水に浸して
鹼をすくう
22.その苗の
碩いなるを知るべし
23.火を
熾す
24.彼女との仲を
堰かれる
25.竹製の
杷でごみや木の葉をさらう
26.日
闌けて起き出した
27.不遇を
喞ち悲嘆に暮れる
28.一日再び
晨なりがたし
29.使いやすい箸の長さを「
一咫半」という
30.その人は
窶れた姿で現れた
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.玉兎の
キエイするにより暦定まる
2.
ソウチュウ塵を生ず
3.
ナマフにはもちもちとした食感がある
4.大衆の前で
トウトウとまくしたてた
5.縁談を取り
マトめる
6.恒例の
フイゴ祭があった
7.卵
トじ蕎麦を食す
8.
シバクレアメとは、はげしく降る雨、大雨のことである
9.何とも
コスい奴だ・・・
10.その蓋を
コじ開けてみる
11.
サゾかし、お疲れでしょう
12.手が
カジカんでペンを持てない
13.
ハれ物に触るように注意する
14.瓢箪の
クビれ
15.自ら
クビれ果てる
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.
タスキ掛けで仕事に励む
2.若年者の
シツケ方が問題となっている
3.
コノシロの幼魚を小鰭(こはだ)などと称する
4.
ササラは日本の民俗楽器だ
5.懐かしい
ブリキの玩具
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.まつわりめぐること、くねくねと湾曲すること
2.深く心にきざみつけて記憶すること
3.ポケットに入れるような、持ち歩ける小型の本
4.物事の集まる所
5.すぐれた詩文
<語群>
(りょうしょう、りょうじょう、かじゅう、ほうじょう、えんそう、しゅうちんぼん、けいこうぼん、せんろく)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
ア.( )皓歯 イ.( )夜遊 ウ.( )塵中 エ.( )濫觴 オ.( )十年
カ.因果( ) キ.罵詈( ) ク.跳梁( ) ケ.百舎( ) コ.狂言( )
<語群>
(ちょうけん、なんこう、まんり、いんきょう、てきめん、きご、ばっこ、へいしょく、こうし、ざんぼう)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.悪いことをした報いがすぐにあらわれること
12.華やかな事物にあふれる都会の様子
13.理解することが非常にむずかしいこと
14.困難を乗り越えて遠路を行くこと
15.物事の始まり
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.縹緻 2.香蕈 3.豪猪 4.海豹 5.羅漢松 6.縵面 7.羊駝 8.肌理 9.飛白 10.胡頽子
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1 蹈襲 ― 2 蹈む
イ.3 恫愒 ― 4 愒す
ウ.5 諷刺 ― 6 諷る
エ.7 厲精 ― 8 厲む
オ.9 吶喊 ― 10 吶ぶ
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.溢水 2.嬰孩 3.称揚 4.下落 5.本地
<類義語>
6.過酷 7.背馳 8.黝藹 9.昏暁 10.薄志
<語群>
(ききゅう、とうき、しょうこく、べきれき、ふてん、たんぼ、かいびゅう、すいじゃく、へんぼう、しょうこ)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.一家を
キチョす
2.杙を以て
エイと為す
3.
キッチュウの楽しみ
4.
ジジョの交わり
5.一語中たらざれば、即ち
ケンユウ駢び集まる
6.
トソウの人、何ぞ算うるに足らんや
7.孔子に
ケントツなく、墨子に煖席なし
8.実生らぬ木には神
ツく
9.
モンジンは知の本、念慮は知の道なり
10.
レンギで腹を切る
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)「・・・紺縮(こんちぢみ)の
(ア)単物に、黒繻子と茶献上との腹合せの帯を締めて、
(イ)繊い左の手に手拭やら石鹸(シャボン)箱やら糠袋やら海綿やらを、細かに編んだ竹の籠に入れたのを
(ウ)懈げに持つて、右の手を格子に掛けた儘振り返つた女の姿が、岡田には別 に深い印象をも与へなかつた。しかし結(ゆ)ひ立ての銀杏返(いてふがへし)の鬢(びん)が蝉の羽のやうに薄いのと、鼻の高い、細長い、
(エ)稍寂しい顔が、どこの加減か額から頬に掛けて少し
(オ)扁たいやうな感じをさせるのとが目に留まつた。岡田は只それ丈の刹那の知覚を閲歴したと云ふに過ぎなかつ たので、無縁坂を降りてしまふ頃には、もう女の事は綺麗に忘れてゐた。
併し二日ばかり立つてから、岡田は又無縁坂の方へ向いて出掛けて、例の格子戸の家の前近く来た時、先きの日の湯帰りの女の事が、突然記憶の底から意識の 表面に浮き出したので、その家の方を一寸見た。堅(たて)に竹を打ち附けて、横に二段ばかり細く削つた木を渡して、それを蔓(かづら)で巻いた肱掛窓があ る。その窓の障子が一尺ばかり明いてゐて、卵の殻を伏せた
(カ)万年青の鉢が見えてゐる。こんな事を、幾分かの注意を払つて見た為めに、歩調が少し緩 (ゆる)くなつて、家の真ん前に来掛かるまでに、数秒時間の余裕を生じた。・・・窓の女の
(キ)種姓は、実は岡田を主人公にしなくてはならぬ此話の事件が過去に属してから聞いたのであるが、都合上こゝでざつと話すことにする。・・・」(鴎外・雁)
(B)「・・・「我は是れ人類処世の道の指南車なり。世 の政事的の近眼者が妄(みだ)りに羅針盤を執り、其船を導きて或は礁に触れしめ或は沙に
(1)コウせしめ、自ら禍ひし人に禍ひ すること実に憫む可きの至りなり」と。
然れども先生身は斯世界に在るも心は
(ク)藐姑射の山に登り
(2)ムカユウの郷に游ぶが故に、其説く所の地誌其述る所の歴史は斯社会の地誌歴史と唯名称を同くするのみにて、事実は往々
(3)ソゴすることあり。
但先生の地誌にも気候寒冷の邦有り温煖の邦有り強大の国有り弱小の国有り文明の俗有り野蛮の俗有り、其歴史にも治有り乱有り盛有り衰有りて、極て斯世界の地誌歴史に
(4)セットウすることも間(ま)ま之有り。
又更に飲むこと二三瓶なれば耳熱し目眩らみ腕奪ひ
(ケ)趾揚がり、発越飛騰して其末や昏倒して前後を知らず。既にして二三時間睡眠し酒醒め夢回(か)へる時は凡そ
(5)スイリに言ひし事又は為せし事は一掃して
(6)コンセキを留ることなく、俗に
(コ)所謂狐憑(きつねつき)の落ちたるに似たり。・・・」(中江兆民・三酔人経綸問答)
(注)セットウ:適切でよく目的にかなっていること、そのさま(大辞林)
(C)「・・・大正七年十月一日。築地けいこの帰り桜木に飲む。新冨町の老妓両三名を招ぎ、新島原徃時の事を聞かむと思ひしが、さしたる話もなし。一妓寿美子といへるもの年紀二十二。容姿人を
(7)ノウサツす。
(8)シュウリン霏々として歇まざるを幸ひにして遂に一宿す。・・・十二月廿二日。築地二丁目路地裏の家漸く空きたる由。竹田屋人足指揮して家具
(9)ショキョウを運送す。曇りて寒き日なり。午後病を冒して築地の家に徃き、家具を
(10)ハイチす。日暮れて後桜木にて晩飯を食し、妓八重福を伴ひ旅亭に帰る。此妓無毛美開、閨中欷歔すること頗る妙。・・・」(「摘々録 断腸亭日乗」(永井荷風の日記))
(注)ショキョウ:書物を入れる箱
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第3回 標準解答>
(一)
1.ぼうじょう 2.おべつ 3.きゅうしゅう 4.すうし 5.とくぶ 6.げんよう 7.こんへき 8.おそく 9.うんぺき 10.じょり・じょれい 11.さよ・さお 12.かてい 13.どんとく・たんとく 14.きせん 15.あつあつ 16.へんきん 17.しんる 18.りょえん 19.こうけつ 20.ほうけん
21.あく 22.おお 23.おこ 24.せ 25.さらい 26.た 27.かこ 28.あした 29.ひとあた(ハン) 30.やつ
(二)
1.虧盈 2.甑中 3.生麩 4.滔滔 5.纏 6.鞴・鑪・吹子 7.綴 8.柴榑雨 9.狡 10.抉 11.嘸 12.悴 13.腫 14.括 15.縊
(三)
1.襷 2.躾 3.鮗 4.簓 5.錻
(四)
1.繚繞(注) 2.鐫録 3.袖珍本 4.淵藪・淵叢 5.佳什
(注)同音同義と思われる「繆繞(リョウジョウ)」(漢検2にも掲載アリ)も〇と思われるが、現時点、「繚繞・・・同)繆繞」となっている辞書は見当たらないので、とりあえず、一般的に通用している「繚繞」のほうのみを正解としている。
(五)
問1
ア.曼理 イ.秉燭 ウ.軟紅 エ.嚆矢 オ.韻鏡 カ.覿面 キ.讒謗 ク.跋扈 ケ.重繭 コ.綺語
問2
11.カ 12.ウ 13.オ 14.ケ 15.エ
(六)
1.きりょう 2、しいたけ 3.やまあらし 4.あざらし 5.いぬまき 6.なめ 7.ラマ 8.きめ 9.かすり 10.ぐみ
(七)
1.とうしゅう 2.ふ 3.どうかつ 4.おど 5.ふうし 6.あてこす 7.れいせい 8.はげ 9.とっかん 10.さけ
(八)
1.焦涸 2.耆旧 3.貶謗 4.騰貴 5.垂迹 6.峭刻 7.乖繆(注) 8.冪(羃)歴 9.旦暮 10.不腆
(注)「乖謬」でも〇の可能性あり。詳細は、「syuusyuu模試の精査12 ~乖繆≒乖謬 “ハれ物” “ハレモノ” ~」(2017年06月07日 | 模擬試験問題」記事を参照ください。
(九)
1.機杼 2.楹 3.橘中 4.爾汝 5.愆尤 6.斗筲 7.黔突 8.憑(「馮」でもたぶんOK) 9.問訊 10.連木
(十)
(1)膠 (2)無何有 (3)齟齬 (4)切当 (5)酔裡(酔裏) (6)痕迹 (7)悩殺 (8)秋霖 (9)書篋 (10)排置
(ア)ひとえもの (イ)ほそ (ウ)だる (エ)やや (オ)ひら (カ)おもと (キ)すじょう (ク)はこや (ケ)あし (コ)いわゆる
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