週刊ゴングの元編集長金沢氏のインタビューを本にした「力説」。
昔、町田にあった「福家書店」で購入した。
一度読んで、棚にしまい込んでいたものを見つけて読みはじめた。
オモシロい。
何がオモシロいか。
長州力のモノの見方。
やっぱり第一線で活躍してただけあってクレバーだ。
プロレスを客観的に見つめている。
ビジネスに徹した距離感。
維新軍という一つの「成功ツール」としての使い方、関わり方。
秘蔵っ子として「佐々木健介」「馳浩」の見つめ方。
大型選手=ハルク・ホーガンやスタン・ハンセンやアンドレとか…と
試合を毎回のように「会社」に組まされて、「これじゃ体がもたない…」
と危機感を持って、「会社」にメキシコへ海外巡業に行かせてくれと直談判したこと。
プロとして生きのびていく為に自分自身を守りながらパフォーマンスを
観客に見せること。
これを自分なりに方法を見い出してこの特殊な業界を渡っていく話は
我々一般社会人でも大いに参考になるとトイレで読みながら感心してしまう。
馳浩がプロレス入り希望に最初は気乗りしなかったエピソードもなかなかいい。
専修大レスリング部の後輩だけれども、馳浩は既に金沢市の高校で国語の教師だった。
20代できちっとした職業にもついていて今さらこの業界に入れて責任もって
身柄を引き受けるには抵抗があった。
せっかく「固い仕事」に就いているのになにもこの業界に入ることないと。
結果的には良い方向へ向かったことはその後の活躍を見れば分かるのだが、
そういうことをきちっと考えてみるバランス感覚の良さがよく出ている。
今でこそバラエティにも出てその人柄もお茶の間に現れているが、
昔は鬼神のごとくリングに現れたものしか見ていないから、
冷静でビジネスライクな思考法をこれだけ備えていたのかと驚く。
やはり「現場監督」として東京ドームを定期的に興行させて大成功をおさめただけある。
未だ私が中学生時代に見た、パンチパーマの長州力から
今に至るまでの姿をみて感じる、この人は歳をとるほどにカッコよくなっていると。
見た目がカッコいいのだ。
普通は萎れていくのが、増々「張り」が出てくる感じ。