こんなに北方謙三を読んでいるのは、
浪人時代と大学時代以来だ。
夜中には「檻」を読み始めて止まらなくなって寝不足(+_+)
心が弱っているときに読むと元気になるんだよ。
この「波王の秋」という作品はそのまま独立した一本の物語なのだが、
オレの北方ベスト3に入る「絶海にあらず」の続編とも読めるのが嬉しい。
しかし、小四郎(こしろう)がナミノオオから「波王」の称号を受けた時から
グングン物語がうねりだすのがイイのだ。
巨大な敵「元軍」。軍隊の規模ではもう負ける。
自軍の10倍20倍の兵力。
そこに悲壮感はない。
ただただ自軍の兵士らを無駄死にさせたくないその思いが波王小四郎の心を痛める。
こんなリーダーというか自軍の大将であるなら喜んでついていきたい。
乙浜兵部(おとはまひょうぶ)と見留加志明乃(みるかしあきの)の男と女の関係。泣ける。
おれもこんな愛しぬくことが出来ていれば…泣ける、違った意味で。
まだ幼さがありそれゆえ健気に小四郎の後を追ってゆく夏丸こと波多裕。
震え上がる様な修羅場。
容赦ない殺戮。
男達と共に没入するのが快感だ。
読後は自分の甘さ、弱さに恥ずかしみを憶える。
でもそれもアリだ。
そこからどう在りたいのかがみえてくることもある。(北方風)
仕事しよう。
社会と関わっていこう積極的に。
いい男達と出会うには自分も磨かねばならない。
うちに引きこもっている奴が身近にいるのだが、外に出て行って世間に関わっていけよ。
そして俺たちと出逢おう。