そういう人がいる。
そんな、仲間がいる。
壊れやすく、割れやすい、関係かもしれない。
泣いても、もう戻ってこない。
あの人は、笑顔で泣いて鍵を手渡した。
寒い冬手前の、灰色の空にあの人の顔が逆光に。
そして、夢の中で無言で立っていたあなたが取り留めのない朝の僕をこわばらせる。
引きずっているはぼくの方さ。
勝手な男さ。
君の言うとおりになって。
小さな男になりそうだよ。
遠い声、遠い部屋。僕の大切な風景。それでも。
しずかに、この夏に思い出すのはなぜ。
もう一度、君を強く抱決められたなら。
本当に、さよならが言えたのに。
一途は似合わないよこの時代に。
涙は他人に見せないで。
僕も、あふれる涙を枕にしみ込ませて、静かに密かに朝の光を迎えるよ。
沁みたれった、ことは言いたくない。
カラッと、乾いて、明るい男でいたい。
泣き虫でも。たとえ弱い男でも。
君の前だけは、作り笑いも上手くできそうだよ。