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沖縄県石垣市で17日、尖閣諸島で漁を行う漁船が出港の準備を行っていました。漁船の持ち主は、石垣市議会の議員でもある仲間均氏です。
漁を行う時には、防水ケースに入れたビデオカメラを持ち込み、尖閣諸島の現状を発信してきました。
去年3月には――
石垣市議 仲間均氏 「(撮影は)こういう感じだね」
――1回(漁に)出ると、どれくらい経費が?
仲間均氏 「だいたい25万円くらい使いますね」
――出る度に?
仲間均氏 「赤字、もう破産ですね。(尖閣の)現状をみなさんに知ってもらいたいからこそ、出るわけですよ」
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現在、政府は、日本人であっても漁以外の目的で尖閣諸島に近づくことを認めていません。漁師である仲間市議の撮影する映像が、私たちが尖閣諸島の今を知る数少ない手段の1つになっています。
仲間均氏 「現在、18日午後3時20分、接続水域に入りました。すでに中国公船がまちかまえています」
仲間市議が18日に撮影した映像では、尖閣諸島の魚釣島に向かう途中、船首に赤いラインの入った中国海警局の船が2隻現れ、漁船に近づかないよう日本の海上保安庁の巡視船が周りを固めています。
仲間市議によると、中国海警局の船は最近、石垣島と魚釣島の中間付近の公海上からずっと漁船を追尾して、そのまま領海に侵入してくるといいます。今回も、海上保安庁からの再三の警告を無視して、領海内に侵入しました。
仲間市議が釣りを続ける間、中国海警局の船は19時間あまりにわたり、断続的に領海侵入しました。
中国側の船が日本の領海内で漁船を追尾する現状を受けて、仲間市議は2021年にクラウドファンディングで資金を募り、衛星回線を使って尖閣諸島から映像をライブ配信する取り組みを始めました。
仲間均氏「止まって釣りをしておりますので、海上保安庁と中国の海警、すべて止まって見てます。(船が)ひしめいていますので、漁が果たしてできるかどうかということに関しては、ちょっと疑問符がつきますね」
海上保安庁が公表したデータによると、中国海警局の船については、尖閣諸島の領海の外側にある接続水域に、常に4隻いる状態が続いています。
月に1度は4隻がそろって領海に侵入し、数時間で出ますが、中国国内に向けた示威行動とみられ、その直後に、中国のSNS・ウェイボーで、「中国海警艦隊が我が釣魚島の領海でパトロールした」と主張しています。
また、基本的には月に1度、船の交代を行い、その際は4隻がきっちり時間を合わせて交代することもあり、常に接続水域に船がいる状態を維持する狙いがあるとみられます。
漁から戻った仲間市議は「一月に1回から2回は(尖閣に)必ず行きます。必ず行きます」と述べ、中国側の圧力に屈せず、日本の漁船が漁を続けることが必要だと強く訴えています。 (2022年6月20日放送「news every.」より)