【ソウル聯合ニュース】韓国の外交部は30日、上川陽子外相が衆院本会議で行った外交演説で独島の領有権を主張したことについて、「歴史的・地理的・国際法的に明白なわが固有の領土である独島に対する不当な領有権主張を繰り返したことに強く抗議する」として、「直ちに撤回することを求める」とする報道官声明を発表した。

 声明は「日本政府の不当な主張は韓国固有の領土である独島に対するわれわれの主権にいかなる影響も及ぼさないということを改めて明確にする」としたうえで、「独島に対する日本のいかなる挑発に対しても断固として対応していく」と繰り返し強調。「独島に対する不当な主張を繰り返すことは未来志向の韓日関係構築に何の役にも立たないという点を明確に自覚しなければならない」と表明した。

 上川氏は演説で独島について、歴史的事実や国際法上も日本固有の領土であるという基本的な立場に基づき、毅然とした対応を取るとの立場を示した。日本の外相が外交演説で独島の領有権を主張したのは11年連続となる。

 一方、上川氏は朝鮮半島出身者が強制労働させられた「佐渡島の金山」(新潟県)の世界文化遺産登録に関し、関係国と丁寧な議論を続けると言及した。これに対し、声明は「日本の近代産業施設と類似した戦時強制動員のつらい歴史がある場所」とし、「世界遺産登録を議論するためには佐渡金山の全体史を反映することが何よりも重要だ」と指摘した。

 また外交部の徐旻廷(ソ・ミンジョン)アジア太平洋局長は、在韓日本大使館の総括公使代理を務める山本文土政務公使を同部庁舎に呼んで外交演説の内容について抗議した。現在、同大使館の総括公使が韓国にいないため政務公使を呼んだとされる。