「夕食は何?」
多分、奥さんは毎日これを訊かれるのが嫌に違いない。
若い頃は一生懸命頑張って 色々な美味しいものを旦那様に食べさせて喜んでもらおうと必死になっていたのだが、もうこの年代になると そんな熱情も冷め
(何で毎日 一人で悩んで飯食わさなきゃなんねえんだ・・・・) とグータラしている旦那の屁の臭いにさえ「軽い殺意」を抱いているに違いない。
そこで殺されたくない私としては、精いっぱいの笑顔で、
「やはたのラーメン食べに行こうか」と云ってみた。
途端に奥さんの目は輝き「やはただ、ラーメンだぁ」と大騒ぎ。
スリスリも(何を食べようかなぁ) と目の前にメニューが見えてでもいるようだ。
大急ぎで着替えて病院から処方されている薬をポケットに忍ばせ、車に乗った。
ニコニコ顔の三人を乗せて寒い夜道を20キロ走り隣町のラーメン店へ到着。
私はいつもの 「もやしワンタン(醤油味)」
ルンバは珍しく「塩野菜」
スリスリは 普通に「塩」
そして、何よりも忘れてはならないのが餃子。
こんなに皆が笑顔になるなんて、久しぶりだ。
ラーメン一杯で家庭に平和が訪れるなら こんなに嬉しいことはない。