「フンッ」 と軽く腹筋に力を入れただけで何かが体を通り抜けた。
そのまま普通ならあるはずの続編を待つ。
しかし待っていても珍しいことに続きは無いのか何事も起こらない。
本当にこれで良いのだろうかと不安と不満を感じながら腰を上げて覗くと、そこには珍しい一本ものが水面から誇らし気に顔を出していた。
美しいシュプールを描くでもない、わずかに反った直滑降にも似た軌跡の美をしばし見つめた。
「お父さん、キャベツが値上がりしている」と云うルンバの声を聞きながら私は野菜コーナーに並ぶ光沢のあるキュウリを見つめていた。
私だけが知っている今朝の「デキゴト」を思い出し、心の中で「俺の勝ちだ」と小さくガッツポーズ。